国家の陰謀を告発した女性をキーラ・ナイトレイが演じた実話に基づく映画「オフィシャル・シークレット」を鑑賞
昨年公開されたロブ・ライナー監督の「記者たちの衝撃と畏怖」はアメリカの地方新聞社のスクープでしたが、今回の作品もイラク戦争開戦に絡む機密文書のリークです。しかも、その機密文書をリークしたのがイギリス国家諜報局の現役職員のキーラ・ナイトレイ演じるキャサリン・ガン。
彼女は、アメリカからもたらされた秘密工作文書のメールを彼女は、戦争の犠牲となるであろう市民や子供たちを守るために行動します。その勇気ある行動は、国家を敵に回した歴史的な裁判へと発展していきます。
監督は、ドローン戦争の世界を舞台にしたヘレン・ミレン主演の「アイ・イン・ザ・スカイ世界一安全な戦場」のギャヴィン・フッド。90分余りの短い作品で仕上げれた内容は、機密文書発見からリーク、逮捕から起訴への流れを主人公の心情に深く取り込みながら、同僚や移民出身の夫、記者、弁護士たちの側面からの支援にスポットを当てながらシンプルに作り上げています。
その手法が、パイレーツ・オブ・カリビアンシリーズや過去の出演作とは、まったく異なる顔でキーラ・ナイトレイを輝かせ、地味ながら信念を貫くキャサリンの強さを感じました。
先に公開された「記者たちの衝撃と畏怖」と関連して鑑賞すると面白いと思います。そして、結果的には戦争回避までにいかなかったものの、スクープやリークによる信念ある行動が将来の足かせになることは間違いない事実ではないでしょうか。