映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は大ヒットドラマの映画版「臨場・劇場版」です。
ほんとは映画館でぜひ観たかった作品で、レンタル店でも借りられっぱなしの人気作品(本数も少ないけど)がようやく観れました。
通り魔殺人の青年が、刑法第39条で無罪となり、青年の担当弁護士と精神科医が殺害されるなか、検視官の倉石が事件の真相に迫っていく内容です。
冒頭から、秋葉原連続刺殺事件をほうふつとさせる柄本拓演じる通り魔殺人犯の衝撃シーンからスタート。その後の内野聖陽演じる倉石の検視シーンの連続は、現役検視官の監修と特殊メイクの技術が重なりリアリティある映像の連続です。
今回の作品では、通り魔殺人犯と倉石の研修時代の師、無実の罪で息子を自殺に追いやられた巡査、捜査1課と合同調査となる神奈川県警の警視の関係が捜査の進展と共に複雑に絡み合い、その絡んだ糸を、鑑識課・倉石班により徐々に解かれて行く。その過程に一瞬も見逃せない緊迫感を感じました。
愛する人を理不尽に奪われ残された者が持つ怒りの矛先が冒頭の事件と重なるようにラストで展開される中、「死者の声」を「ねこそぎ拾う」倉石の執念により、絶望の中で一筋の光明を誘うエンディングに検視官の深い使命感を感じました。
改めて、ドラマも再度観てみたくなる、重いテーマを扱いながら深い愛に包まれたすばらしい作品です。