65オヤジのスタイルブック

DVD・合葬

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。杉浦日向子の傑作漫画の実写化作品「合葬」です。

 

先般紹介した「百日紅」は、江戸の絵師北斎の娘を描きアニメ―ション作品として2015年に映画化、今回の作品も同年に映画化された作品で、原作者の杉浦日向子氏の代表作のひとつです。また、今回が初の劇場作品となる小林達夫監督の力量を強く感じる作品です。

今回は、大政奉還による徳川幕府の終焉により、行き場を失った将軍慶喜の警護にあたっていた彰義隊に関わる三人の若者を描いた作品です。

彰義隊の三人には、柳楽優弥、瀬戸康史、岡山天音の20代の実力派俳優が自分の意志で入隊した青年、行く当てもなく入隊した青年、意に反し入隊せざるえなかった青年の三様の心模様を清らかな姿と熱き心で演じてます。特に主人公の一人柳楽優弥演じる秋津極の義を通し生きる壮絶さには、改めて彼の演技力のすごさを感じました。

上野の山に立てこもり彰義隊に対し新政府は総攻撃を開始した上野戦争によって命を落とした彰義隊の墓は、もっとも激戦となった薩摩軍を率いた西郷隆盛の銅像の後方にあり、彰義隊が本陣を構えた場所は、現在の上野動物園であったことを思うと、今や美術館や博物館など文化施設を要し、憩の場所となっている上野公園も別物の存在を感じ、幕末の時代に翻弄されながら散っていた若き志士たちへの思いを新たにする作品でした。

江戸を愛し後世に遺した亡き杉浦日向子氏が思いが投影された時代劇の名作をぜひ鑑賞してみてください。 


ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「【映画・ドラマ・演劇】」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事