映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、一人暮らしの孤独な男に起こる日常の変化を描いたヒューマンコメディ「孤独のススメ」です。
オランダの田舎町でひとり暮らす男フレッド。妻を亡くしひとり息子は家を出て孤独な生活を送ってます。人付き合いを避け、単調な生活をしている彼に、言葉を失い、正体不明の男テオが現れます。帰す家のないテオを家に住ませ、面倒をみることになったフレッド。彼の習慣を教えながら、自立の道を考える彼が、テオとの生活で周囲も含めざわつき始めます。
テオとの生活の中で、徐々に人間らしさを取り戻していくフレッド。テオの正体が明らかになると、いつしか二人は愛情とも友情とも言い難い不思議な関係に発展していきます。
その過程がユーモラスで人間味にあふれ、じわりじわりと染み入るように作品の世界に入り込んでいきました。
世の中には、他人から観れば風変わりで孤独な男たちはいます。僕もその一人かも知れませんが、それぞれに、抱える孤独な理由があります。フレッドの孤独は自らの過去を背負ったことにあり、その十字架をテオによっておろされました。孤独のススメは、未来への希望の光を探す生活なのかもしれません。