映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は学園物の異色作で話題になったドラマの映画化作品「鈴木先生」です。
セカンドバージンや大河ドラマ八重の桜など、人気俳優となった長谷川博己が異色の教師像を演じたドラマ「鈴木先生」は、低視聴率でありながら、日本民間放送連盟賞を受賞するなど、通の間で高評価を得て、今回映画化されました。
ドラマ「鈴木先生」は、メガネにループタイと言うこれまでの熱血教師像とは正反対のキャラクターに独自の教育法である鈴木メソッドなる実験的教育により、生徒を導いていく手法とヒロインの生徒小川蘇美に恋愛妄想を抱き、理性と本能の間でもがく異色の教師と不良生徒を対象にせず、むしろ優等生や普通の生徒にスポットをあてたドラマです。
映画では、生徒会選挙にまつわる生徒のクーデーターを阻止しようとする教師と生徒の対立とサブストーリーとして、社会から隔離されたその後の卒業生が母校で事件を起こす、ふたつの顛末を描いています。
鈴木先生のような学園ドラマは、過去の学園ドラマと違い、複雑で多様な問題を抱えている中学の今を映し出していて、リアリティに富んでいます。
また、鈴木先生の絡む生徒は、問題が表に出ない真面目で一見すると優等生に対して向けられる点が注目に値します。その対象として風間俊介演じる卒業生とリンクします。
今回も鈴木メソッドを駆使した先生が、生徒の心の奥にある問題を解決しようと奮闘しますが、今学校が抱える問題の解決法のひとつがあるようにも感じられました。
映画 鈴木先生 本編抜き映像