日本を代表する演出家の蜷川幸雄氏が逝去されました。
蜷川さんの舞台を直に見る機会がなかった僕が言うのも奥がましいですが、ドラマや映画、テレビなどでの演劇を観る限りにおいては、演出家として稀有の存在で、未来にもこのような人は現れないと思います。
演出においての熱情は、ドキュメンタリーなどの拝見すると役者に対しては演出においては厳しく、人間として接するときは、性別、年齢の差別なく、愛情を持って接する姿に、多くの役者が彼を慕うわけがよく表れていました。
また、若手の発掘には定評があり、僕が最も印象的だったのは、身毒丸で藤原竜也を見出し、二宮和也と松浦あや主演の映画「青の炎」が印象深く、その後にジャニーズメンバーを起用するなど、ジャニーズ出身者との交流と才能を導き出した人でした。
僕の携わるアートの分野においても、娘の写真家・蜷川実花さんの才能も、分野は違えど蜷川さんのDNAを引き継いでいるように感じます。
突然の訃報に際して、ニュースでその功績が伝えられていますが、今後は、蜷川作品をテレビやDVDなどを通じてメディアで多く取り上げて、作品に触れる機会を作っていただきたいなと思います。