65オヤジのスタイルブック

DVD・私の男

映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。浅野忠信と二階堂ふみ共演の衝撃作「私の男」です。

普段あまり小説を読まない僕は、映画から原作の素晴らしさを感じることが多いです。読書好きな方には失礼な話かもしれませんが、映画化はファン層を広げる格好の材料でもあり、監督の表現方法の示唆でもあると思ってます。

今回の作品も直木賞受賞作のベストセラ-小説の映画化ですが、読まずともスクリーンから滲み出るような濃厚さが小説の素晴らしさを物語っていました。

物語は、10歳で孤児となった少女と遠縁にあたる男との10年以上に及ぶ生活を描いたもの。お互いに孤独を埋めるように惹かれていく二人は、愛のために冒してしまった二つの罪を抱えることになります。

年齢を重ねるほどに渋さを増していく浅野忠信と若手女優の中で既に魔性を身に着けたと感じる二階堂ふみ。二人が重なるごとに濃密さを増し、ほとばしる感情に恐怖を抱きました。二人の秘密に立ち入ったことで死を迎えることになった老人を演じる藤竜也にはかつてあった浅野のような毒は消え失せ、不思議な存在感を感じました。

恋愛小説の主人公がモデルの軽い作品の日本映画がヒットする反面。こうした毒のある作品が海外で評価されるたびに、若手俳優の仕分けも明確になっていくと思います。ドラマと映画がボーダレス化する中で、こうした作品が生まれるていることに日本映画の希望も感じます。


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