映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、すばる新人賞を受賞した朝井リョウの小説を映画化した「桐島、部活やめるってよ」です。
小説の映画化作品の場合、原作を読まない僕にとっては、小説と映画は別物の存在と考えています。ただ、最近は、ネットなどで小説の概要はわかるので、下調べはするのですが、今回の作品は、登場人物や設定などを変えているものの、桐島の存在により揺れる生徒たちと、関係のない生徒たちを時間軸を利用して映画が持つ独特な世界観が出ています。
この作品は、リアルな高校生活を描きながらも、どの時代にもある高校生が持つ、虚脱感や無気力、無関心など、この時期に持つであろうそれぞれの心情をうまく表していて懐かしくも興味深く観賞しました。
そして、他人の視線など意に介せず神木隆之介演じる映画少年の前田の存在が、桐島の消息に心揺れる者たちの中で、自分の気持ちに気付かされるラストに静かな感動を持ちました。