映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、イッツ・フォローズのデヴィッド・ロバート・ミッチェル監督の「アンダー・ザ・シルバーレイク」です。
物語は、セレブやアーティストが住むLAの町シルバーレイク。主人公は、90年代のサブカルチャーを愛する青年サム。彼の住むアパートの住人さサラに恋をするが突然彼女が失踪。サムは、シルバーレイクの町を放浪しながら彼女を捜すうちに、ハリウッドに潜む様々な陰謀に巻き込まれていく奇想天外なホラーサスペンスです。
悪夢と現実が交錯しながら、LAのきらびやかな光がミステリアスに降りかかる映像がとてもアート的で魅力的です。また、映画やサブカルチャーとして登場するテレビゲームが主人公を惑わす暗号として繰り返され、エロとグロが重なりあう退廃的な世界が何とも西海岸にぴったりです。
結論や辻褄を合わせようとすると落とし穴がいくつもあるので要注意です。一番の謎は、主人公が何を生業にしているのかまったくわからない点でも、この映画の現実と幻想の狭間がないことを物語っているのかと思います。それともうひとつ、今回の映像世界と立ち位置から観ると誰もが観てると思う「ラ・ラ・ランド」が天国のようなハリウッドの世界ならば、アン・ザ・シルバーレイクは、地獄のような世界が同じ映像美のなかで進んでいます。