未来惑星ブラジルや12モンキーズの監督テリー・ギリアムの最新作「ゼロの未来」を観賞
近未来の世界をジョークをまじえながら、ドラマチックに描いていく鬼才ギリアム監督。今回は人生の意味を教えてくれる1本の電話を待ちながら、ゼロの数式の解明に挑んで部屋に閉じこもりコンピューターの前で一日を過ごす初老の男天才プログラマー・コーエンが、謎めいた女性やゼロの秘密を知る天才プログラマーの青年との出会いの中で、次第に人間らしさを取り戻していくヒューマンコメディです。
先ず、目を惹くのが荒廃した近未来社会がアートのような映像美で描かれ、自らを僕たちと名乗る奇妙なコーエンやセクシーな女性ベインズリーに青年ボブの父や取り巻きの男たちなど、摩訶不思議なキャラクターが、随所にウイットに富むジョークを飛ばし、ファンタジックな世界に眼を奪われながらも、クスクスとする笑いの要素がふんだんに繰り込まれていて、楽しい作品でした。