目が覚めた時、自分が水の中に居る事は直ぐに、理解はした。
反射と言うのは不思議なモノだ、「死んだ」と言うか、諦めたにも拘わらず?気づくと息が続かない事に焦って…そして気づいた。
水の中で、息が出来ていた。
首筋を触ると、奇妙な切れ目が有って、呼吸する毎に、それが少しパクパクと動いていた・・・あの、人型をした”何か”は、何処かに行ってしまったらしい。水の中にある光を頼りに、僕は出口を探して泳ぎ始める。
不意に、疑問には成った。
何故、自分は生きているのか。
水没した構造の中を進む
ともかく、何かの非人道的な、何か
という訳で皆さんお仕事ですよー
そこには、何が?
衝動の様なモノに、今は支配されている気はした。
それでも、死にかけたと言う経験の問題だろうか…何か、自分は以前と少し違う感じは、していた。
先へ先へと急ぐ、もう、”従者”を従えるのに、あの奇妙な装置、それも必要では無くなっていた。
笑みの様なモノと、声援の様なモノと。それは共にか、その先に有る物…それを示していた。
”その”ガラスの向こうに有る物こそが、”私”が目指した物、だ。
それを、自分は、手に入れねばならなかった。
…この牢獄の様な世界から、脱出する為には。
少年だった”何か”は、今、眼下にその目的を見出し…次回、最終回。