緑のカーテンとゴルわんこ

愛犬ラム(ゴールデンレトリバー)との日々のあれこれと自然や植物、
本や映画などの勝手な独り言を書き留めています

絲山秋子病?

2013年12月13日 | 
子供の時から本は大好きで乱読してきた方です。中学高校時代はもっぱらさまざまな小説を読んでいました。
大人になって一時、あまり小説を読まなくなった時期があったのですが、最近またよく小説を読んでいます。

今年の夏は暑くて外にも行けず、ひたすら家でごろごろして、ときどき本を読んでいました。
ほとんどはラムと一緒にごろごろと昼寝していていました。もちろん冷房をきかせて…… 省エネ、どこ吹く風、ゴールデンは25度くらいで熱中症になってしまうのですもの。……言い訳です。m(__)m

図書館にも行きたくないので、i Padで夏目漱石を読み直してみました。
若いときや国語の授業で読んだのとは違う読み方ができるかなと、たて続けに何冊か読みました。

漱石本にはこんなに三角関係の話が多かったのですね。「こころ」「それから」「門」と読み続け、「行人」でギブアップ!
まだまだ夏目漱石をよく読みこむのは、私にはハードルが高かったのでしょうか?
もう少し年齢がいったら、またトライしてみます。あるいは電子書籍が私にあわなかったのでしょうか。

その後、はまってしまったのが絲山秋子の小説です。
彼女の芥川賞受賞作「沖で待つ」はその時の文芸春秋誌で読んだ覚えがあるのですが、それほど心に残っていなくて、なにかあっさりとした小説だなという印象くらいしかありませんでした。

「妻の超然」が面白いと何かの紹介で読み、図書館で借りてきました。それからです。
なぜだかどんどん読み続けています。

「袋小路の男」「逃亡くそたわけ」「海の仙人」「ダーク・ライフ」「エスケイプ/アブセント」「ラジ&ピース」「イッツ・オンリー・トーク」「ばかもの」「末裔」「忘れられたワルツ」、小説だけではなくエッセイの「絲的サバイバル「絲的メイソウ」などにも手を出し、図書館に置いてある絲山本はほとんど読んでしまいそうです。



なにがそんなに面白いのかと聞かれても、よく説明できません。描写に無駄がなく、簡潔でさらっとしていて、それでいて登場人物のことがよく伝わってくるなんとも魅力的で破天荒な会話文。

最近は他の作家の丁寧な情景描写や心理描写に「うーん、かったるいなぁ」と思ってしまうほどです。これって絲山病? 

絲山秋子は東京の生まれ育ちですが、群馬が気に入り、今は高崎に住んでいます。「ばかもの」という小説も高崎が舞台です。ヒデという若者と年上の女、額子との不器用な愛が描かれています。



私の亡き両親は群馬出身です。父は沼田の料理屋の次男坊、母は月夜野という美しい名の村で育ちました。「ばかもの」の最後に出てくる吹き割りの滝のある片品には母方の叔母一家が住んでいて、私は中学生のころに一冬を過ごさせてもらいました。吹き割りの滝には、冬にはそばまでは行けなかったのですが、何度も遊びに行きました。今はもう誰も親戚は住んでいない片品ですが、尾瀬に行くときにも通り過ぎる懐かしいところです。

私の中の群馬の血が、絲山秋子に惹かれる理由なのでしょうか。「かかあ天下とからっ風」が有名な群馬、鼻っ柱が強くて愛想がなくぶっきらぼうで甘え下手だけど、群馬の女は情が深くて、心根が温かいような気がします。

「ばかもの」の額子はまさに群馬の女、上州おんならしいなと思いました。
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2 コメント

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Unknown (BUKU)
2013-12-23 13:35:23
絲山秋子、つられて読みました。沖で待つは私も芥川賞で文春で読んだような。でも読み続けたいとは思わなかった。(このところずっと芥川賞はおもしろくないと思い、最近は文春も買わなくなった)
でもカバがそんなにはまってるならと、図書館で借りてきました。大体文庫では1冊もないのにびっくり。
読んでみて、すごい面白いよとか、興奮してすすめるとかじゃないんだけど、小説の中の空気が独特。居心地がすごい良いわけじゃないのに。なんかカバがはまる訳もなんとなくわかるような。余計な説明や飾りがない文がすっきり入ってくる。居心地がよくなくてもすっぽりおさっまってしまいそう。おしりをもぞもぞ動かして私の居場所を確保できそうな感じ。
次は「妻の超然」をかりてきます。
ただ残念なことに近くの図書館が建て直しで梅が丘まで行くの。
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Unknown (ラムママ)
2013-12-25 11:58:15
コメント、書いてくれていたのね。ごめん、気づかないで。

「ばかもの」を読んだのかな?
私は先に映画を見ていたので、読みながら映画の俳優たちをついつい重ねていました。

はちゃめちゃだけど、面白かったのは「逃亡くそたわけ」という長編です。九州を南に疾走するロードムービーのような小説なのですが、私は九州の地理がもう一つ頭に入っていなくて、本の最後に乗っている車の走行地図を頼りに読んでいました。

カーキチではないけど、同じ行程で九州を走ってみたくなりましたよ。

私が絲山秋子にはまる訳、なんだろうな。自分ではよくわからないのでしょうね。

図書館、梅ヶ丘まで行くのは大変ね。寒くなければ根津山(こんな字だったっけ?)をお散歩できるんでしょうけどね。

今に、梅中卒業生で根津山でばか騒ぎをやる会でもやりたいね。夜の下北沢ばかりじゃなくてね。
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