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日曜日に家族で参院選の期日前投票に行ってきました。
ここ数年、我が家では期日前に行くことが増えてきました。
投票のやり方もどんどん簡略化され、あまり細かく記入するようなこともなくなりました。早めに済ませておくと、なんだかホッとします。
帰りがけに、昼食もすまそうということになり、近くのファミレスに行きました。
チーズ好きな娘が、サイドオーダーでチーズ揚げを頼み、私も一口分けてもらいました。
一口食べていると、ふと昔、よくチーズ揚げを食べていたことを思い出しました。
昔の六本木のテレ朝の裏のほう、消防署の先にあった「スピークロウ」というジャズバーです。
キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」で映画の最後に出てくる、主人公が寝ていた真っ白な部屋を模した店内に、ぶっきらぼうでテレ屋な「団長」と呼ばれるマスターがいました。あまり食べるものをおいてない店で、私はお腹がすくとよく「チーズ揚げ」を頼んでいました。
シュウマイの皮で巻いたシンプルな料理ですが、揚げたてはとてもおいしかったです。
ジャズと映画が大好きなマスターを慕って、いろいろな芸能人も出入りしていました。ショーケンや内田裕也、太知喜和子や梶芽衣子、団長は大好きな女優が来ると嬉しそうにお酒の用意をしていました。
今日は忙しそうでなかなか団長は私たちのそばに来ないなと思うと、
料理場にいるお兄さんに、くるくると巻く手真似をして「チーズ揚げ」
を注文したものです。
「スピークロウ」の前に「サーカス」という店をやっていた団長は、「サーカス」時代から団長と呼ばれていたそうです。「サーカス」の団長時代を知らない私も「団長」としか呼びませんでした。
とっくの昔に「スピークロウ」もなくなり、団長も亡くなりました。
でも私の中の「チーズ揚げ」はスピークロウのチーズ揚げだし、私の記憶の中ではまだあの六本木の消防署の先の細い階段を降りて行くと「スピークロウ」があるのです。
「団長、お元気ですか?」
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