薄の穂

笑える系テキストサイトを目指す笑われる系駄文サイト。いいたい放題やりたい放題の日々を記録していきます。

博士の愛した数式

2007-06-04 22:55:40 | Weblog
買っておいて読まずに放置されている本たちを、おっさんが捨てようとする。
とにかく物を減らしたいのだ。
これは読むのか?これはまだいるのか?と、せっ突かれる。
「読む読む、じゃぁいまよむ」と返す。
「博士の愛した数式」もちょっと前にブックオフで100円で買ってきたものだ。

2時間半ほどで読み終えてしまった。
なんというか。非常によかった。
静かで思慮深く、穏やかな時間が刻まれていた。
使われている日本語が非常に静かで美しかった。

映画は見ていないのですが、見たくなった。
深津絵里と寺尾聰のあのコマーシャルの印象が、非常に本にあっていて、ありありと想像できた。ルートという男の子のあだ名もいい。響きも綺麗だし、穏やかな印象がする。

なんというか、思いがけずよかった。
浅田次郎の「天国までの100マイル」を読んだあとの気分に少しだけ似ている。
でも、天国だけの100マイルは読者を泣かせようとしているのがありありと見て取れて、それでも乗せられて泣いている自分にちょっと腹が立ったが、博士の愛した数式はそんな「いやらしさ」微塵もなくて、更にすがすがしかった。

正直、博士がいつ死んでしまうのだろうか…。と準備していた自分を浅ましく思ってしまう。
例えばクライマックスで博士に亡くなってもらって、未亡人とクッキー缶の中身についてのやり取りをさせれば、それだけで確実にお涙頂戴になる。
でも、小川さんはそれをあえてやらなかった。
なくなるんじゃないかな…という雰囲気は何回も、冒頭から何回も出しているのに、そんな安直さには逃げ込まず、最後までじらしとおされた。
そういう意味ではすっきりしないか…。どうなったんだろうという思いは残る。
博士と未亡人と博士の兄の三角関係?とは…とかね…

でもそこら辺を書いてしまったら、この作品の静寂さはきえうせて、程度の悪い三流小説に成り下がってしまっていたでしょうが…
とにかくよかったです。久しぶりにまともな小説を読みました。
まともな小説に出会えずに、村上春樹ばっかり読み返しているおばちゃんです。

話し変わって、clickclickclick.comに参戦し始めました。
存在はちょっと前から知っていたのですが、ツールとやらが簡単に使えるみたいだったので、PC起動している間は協力してみようかなぁという思い付きです。
日本が2位より1位になってもらった方がやっぱり気分いいもんね。
ハンガリーと日本だけ突出しているから、本気でやってるのに負けたwと思われるのもちょっと癪だしw。
6日に終了のようなので、お暇な方は是非w

大日本人はもちろん見ない

2007-06-04 11:28:35 | Weblog
松本先生の映画が、公開になったそうで、多分、悪評がネット上に出回るのだろうと思う。
それか、媚を売る、自分には理解できてるんだっていう格好つけ感想か…。

正直言って、自分は見ない。

自分は松本さん大好きだし、面白いと思うし、神だと思ってる。
であるが故、松本さんの作り出すものは、正直言って八割がた理解できない。
ビジュアルバムもまったく理解できなかったし。

自分の脳みそが足りないから、松本さんの作り出すものは大衆向けにわかりやすいように噛み砕いて加工してくれたものしかどうせ理解できないののだ。

そういうことがわかってるから、もう最初から見ない。
松本さんの作り出すものが、つまらないと感じる自分もいやだし、わからないと感じる自分にも腹が立つ。
どうせわかるわけが無いんだから、わかったふりして面白がるのも興ざめだし、もうあえて見ないことにする。むちゃくちゃみたいけどさ…。

見に行く人は、それ覚悟でいかれたほうがいいと思いますよ。
普通の人に理解できるわけが無いんだ。
数学のむちゃくちゃ難しい問題を、解ける人と解けない人がいるように、松本さんの笑いをわかる人とわからない人がいる。そういうことだと思う。微分積分が解ける人と、全く意味がわからない人の差ですよ。
自分は大衆向けに加工されたものしか理解できない。わかりやすく噛み砕いてくれれば面白い。
自分が微分積分が解けたとしたら、微分積分のすごさもわかるんだろうし、公式を発見した人のすごさもわかるのかもしれない。でも意味がわからないから、どんな風に役に立つのかもしらないし、すごさもわからない。
松本さんの映画も私に言わせれば同じことで、理解できないんだから、その面白さもわかるわけが無いんだ。
しかも数学のように便利な公式があるわけではなくて、微分積分なら、理論がわからなくても公式を暗記して当てはめることで、赤点を免れる位のテストの点数は取れるわけだ(実際おばちゃん数Ⅲとってるからね…一応)。
でも松本さんの映画の傾向と対策みたいな参考書や、入門編の練習問題なんてあるわけがなくて、いきなり東大の入試問題出されるようなもんなんですよ。
そんなハイクラスの問題とけるわけが無い。解けた人はそりゃくちゃくちゃ面白いと思いますよ。
解けた人にしか、その問題の質の良さはわからないんですから。

まぁ、見ない。あえて見ない。それだけです。