透明人間たちのひとりごと

表の顔と裏の顔

 単純に比較することなど出来ないことは重々承知の上で
あえて申し上げますが、戦前と戦後の日本人とではどちら
が清廉潔白だと思いますか

 私の知る限りにおいては、戦前の日本人の方が …

 つまり、父母や祖父母たちの時代の方が清廉な人間性を
有していたような気がしてなりません。

 個人的見解にて何の根拠もありませんのであしからず。

 ただ、傍証のひとつとして、どこかで、耳にしたり目にした
こともあるかとは思いますが、アインシュタイン博士の言葉
とされる件(くだり)があるのでそれを紹介しましょう。

 1922年(大正11年)アインシュタイン博士は日本を訪れる
のですが、その前年に日本に向かう日本郵船「北野丸」の
船上で1921年度のノーベル物理学賞の知らせを受けます。

 そして日本訪問の後に、次のような感想を残したのです。


 「近代、日本の発達ほど、世界を驚かせたものはない。

              ― 中略 ―

 永い歴史を通じて、一系の天皇を戴いたという比類なき
国体を有することが、日本をして今日あらしめたのである。

 私はいつも世界上のどこか一カ所位、このような尊い国
がなくてはならぬと考えていた。

 世界の未来は進むだけ進み、その間に幾度びも争いは
繰り返され、最後に戦いに疲れる時が来る。

 その時人類は必ずまことの平和を求めて世界的な盟主
を挙げねばならぬ時がくる。  この世界盟主なるものは、
武力や金の力ではなく、凡ゆる国の歴史を抜き越えた最も
古くまた尊い家柄でなくてはならぬ。

              ― 中略 ― 

 吾々は神に感謝する。 天が吾々に日本という尊い国を
作って置いてくれたことを … 」 

      1922年 アルバート・アインシュタイン


 要するに、アインシュタイン博士は、こう言ったのです。

 「世界の人々が繰り返される戦争に疲れ果て、真の平和
を求める時に、世界の盟主となるべきは、武力やお金の力
を使う国ではなく、アジアにおける長い歴史のある最も古く
尊い家柄の国、すなわち日本という尊い国を作ってくれた
ことを神に感謝する」 とまでヨイショしてくれたわけで、甚だ
日本人の愛国心をくすぐる内容となっています。

 これではなんとも褒めすぎで、胡散臭いと訝(いぶか)る
むきもあるでしょうが、これはこれで深くは詮索しないこと
といたしまして先に進むことにしましょう。

 … って、ちょっと待ったぁ~

 これのどこが戦前の日本人の清廉潔白と結びつくんだ

 万世一系の天皇を戴いている日本を尊い国だと称えて
いるだけの話じゃないかeq

 そう言いた気(げ)な 2号 の心の内が見えるようですが
、行間からほとばしる日本人気質の芳香ってものが 2号
には匂って来ないのでしょうか

 おそらく、アインシュタイン博士は来日した際に日本人の
穏やかな微笑みや言葉遣い、所作、動作のひとつひとつ
に魅せられたのだと思います。

 自らの感情や憎悪を露(あら)わにしないで、いかなる時
も落ち着いて行動するさまや優しさ、思いやり、気取らない
態度、礼儀正しさ、謙虚な姿勢、質素で、しかも上品な振る
舞いなどに触れ、日本人ほど純粋な心を持った民族は他に
なく、自然と人間が一体化している生活は、欧米人と異なり
自然を征服の対象とする狩猟民族のそれと比較して畏敬
するに値する民族と考えたのではないでしょうかquestion2

 推測ではありますが、こうしたアインシュタイン博士が抱く
日本観および日本人観は、第一次世界大戦の反省のうえ
に立った率直な感慨だったのだと思います。

 欧米人に内在する弱肉強食、個人主義、競争原理、収奪
本位、権力志向といったむき出しの闘争心に対する嫌悪感
や憎悪の気持ちです。

 こうした思いのすべてを託して、「吾々、欧米人は日本を
見習い、手本として、敬愛するべきである」と言いたかった
のではないでしょうか

 戦乱に明け暮れ、次々と王家の交代が行なわれた欧州
の実情と世界的な戦争を目の当たりにしたヨーロッパ人の
偽らざる思いとしても納得に足る内容です。

 ただ一部で指摘されているような偽書説については、
それを否定する立場にありませんが、アインシュタイン博士
ならば、このように発言したとしてもなんら不思議ではない
ということです。

 その意味からは、アインシュタイン博士の 「表の顔」
は、お茶目で優しい平和主義者のそれですが、ナチスへの
対抗上において原爆製造開発を米国に奨め支援した結果
が、愛する日本に投下されるという意図せぬ皮肉なめぐり
合わせとなった悲劇は 「裏の顔」 のなせる業だったの
かもしれません。

 さて、誰しも自分が一番可愛いものです。

 自分の次には、家族や恋人、友人・知人・仲間・同僚から
町に地域と段々に所属する範囲は広がりますが、ひとつの
大きな区切りとして祖国を愛おしく思う愛国心があります。

 そして、

 人間と同じように国にも「表の顔」「裏の顔」
あることは疑う余地もありません。

 人間は、誰しも 「表」 と 「裏」 のふたつの顔、いや、人に
よっては三つ、四つ、あるいはそれ以上の顔を自在に操る
強者(つわもの)question2 も存在することは確かですが、そうした
特例は別にしても通常は、公私や職場の上下、家の内外
などで表の顔とそうでない裏の顔を使い分けています。

 このような二面性は、顕在意識(表面意識)と潜在意識
(無意識)によってコントロールされています。

 大雑把に言えば、「表の顔」 に由来するのが顕在意識
で、「裏の顔」 は潜在意識に左右されます。

 かくいう私も立場上、本意ではなくても厳しい顔や激しい
口調で2号以下の透明人間 たちを叱咤、叱責する
表向きの顔と本当は心やさしい天使のような 裏側の顔
を持っています。

 職場の上下関係で面従腹背せざるを得ない部下たちの
「表の顔」「裏の顔」、フォーマルな席における
「公的な顔」 とプライベートでの 「私的な顔」

 「表で笑顔」「裏で悪口」 的な俗に言う裏表
の激しい二面性は人間の性(さが)や業(ごう)であり 煩悩
のひとつでもありますが、人間の集合体である組織や国も
人並み以上に煩悩の塊を抱えています。

 しかも国の場合は 「顔で笑って心で泣いて」
というような哀愁が漂うペーソスとは違って、時に厚顔無恥
なる非情な決定はこの上もないものとなることがあります。

 その実例が原爆投下における米英の協力という機密を
共有する強固な同盟関係と元CIA職員のスノーデン氏に
よる米情報機関の諜報活動を暴露した事件の顚末です。

 多少は承知のうえのことでしたが、それでもやはり英国
が原爆投下に関わっていたことはショック以外のなにもの
でもありません。

 このニュースが伝わって数日が経ちますが、一昨々日が
広島の原爆の日、そして今日が長崎の原爆の日に当たる
わけですが、誰一人そのことを問題にするでもなく、淡々と
そして粛々と式典が執り行なわれているように感じます。

 何故に、こうも日本人とは寛容なのでしょうか 

 やはり、アインシュタイン博士の言葉通りの人間性がそう
させるのでしょうか

 symbol2 あえて、過去は問わず水に流す …

 それが未来の平和を約束させると信じるからでしょうか 

 ところで、スノーデン事件に絡んで噴出・露見した米国の
対外的な情報傍受(盗聴)に対する同盟国からの非難に
オバマ大統領は「どこの国でもやっている」
開き直ったわけですが、このフレーズどこかで聞いた記憶
がありませんかeq

 袋だたきにされた橋下徹大阪市長の慰安婦発言のなか
にも同じ言葉がありましたが、こちらは国の内外を問わず
に集中砲火を浴びるかたちとなりました。

 『安全保障とプライバシー』 のコメント欄でも
同様の趣旨で2号が理不尽だとぼやいていましたが …

exclamation http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/317.html(参照)

 バカ正直で裏表の少ない日本からみると、

 「表の顔」「裏の顔」 もどちらも信用できない
国々ばかりに囲まれているようです。

 それでは、ここで一句

 「表の顔と裏の顔 甚だしきは米英か」

 
親しみのあった米英の両国にしても 大同小異
状態ですからね …

 たとえば、金持ちの聖人なんて考え難く、清貧なる悪魔
も思いつかなかったけど、辛辣なる米国や二枚舌の英国
の存在は確認できたわけです。

 そして、聖人にとっての 「裏の顔」 は悪魔的だけど、
悪魔にとっての 「裏の顔」 は天使的ではないのかも
しれません

 だから、

 カフェオーレが飲みたいの symbol7

 白黒つかない日本人exclamation2

 「表の顔」「裏の顔」も …

 ハッキリしないのです

コメント一覧

カフェ・俺
バカ正直で表裏が少ない日本人って、要するに白黒がハッキリ
しないから少ないというわけなのね・・・

「アイ~ン!!」
皮肉のアッコちゃん
あれぇ、白黒つかないどころか、表の顔も裏の顔も見えないのが透明人間ですよねぇ~!

てか、実のところはカフェオーレが飲みたいだけの裏表の少ない日本人論だったりして…
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