透明人間たちのひとりごと

介護ロボットと鉄腕アトム

 空梅雨が続くなかで水不足が心配され始めた時期に
台風3号 が日本列島に接近して来ました。

 幸いにも勢力がさほど強くなさそうなので恵みの雨を
適量だけ降らせてサヨナラしてくれると嬉しいのですが、
そうそう都合よく必要なものだけを与えてくれるほどに
自然は甘くはないですよね

 それでも人間は自然に対峙して、なんとかそれを克服し
コントロール(制御)しようとあがいてきました。

 利益(効率)と安全を追求し、危険と困窮を回避しょうと
するのが人間の性(さが=欲望)だからです。

 利益(効率)を追求する行為のなかには時間の節約も
含まれます。

 時間を節約するという目的で、さまざまな技術の開発が
進み、ボク たちの身の回りでは多種多様な電化製品が
活躍しています。

 ところが、

 そうした目的とは裏腹なことに、オール電化の居住空間
で最新の機器や家電製品に囲まれて快適に暮らすような
時代になっても、自由な時間はちっとも増えないどころか、
むしろ以前にも増して時間に追われる生活になっているの
が現状のような気がします。

 価値観の多様化が叫ばれて久しいけれど、その一方で
は、みんなが同じ価値を信奉して、同じ時間に縛られて、
同じ方向へと一律に引っ張られているようにも感じます。

 もちろん、これは一般論で、ここで言う 「みんな」 とは
大多数の人々のことを指しますが、そうでない人たちも
当然のことに存在しているという意味です。

 同じ価値を共有することは、円滑な社会生活を営むうえ
では必要不可欠な要件なのかもしれませんが、そこから
逸脱する考えやまったく別の対象物に価値や重きをおく
人も少なからず存在します。

 ボク透明人間(1号 さんや 2号 さんたち
もそうした部類に属するのかもしれません。

 話は変わりますが、今朝の静岡新聞の3面(総合欄)に

 「経済産業省は12日、開発中の介護用ロボットを省内で
報道陣に公開した」 とする小さな記事を見つけました。

 会場を訪れた茂木敏充経産相は「成長戦略は健康長寿
が柱だ。国内で普及させ、高齢化が進む他の国への輸出
も考えたい」 と述べたそうです。

 認知症の人を見守るために開発中の男の子の形をした
ロボットは、高齢者とおしゃべりをしたり、センサーと連動
して動きを確認したりするそうなのですが …



 何だか人形と言うか、ぬいぐるみのようにも見えますね。

 この他、介護が必要な人をベッドから移動させる際に、
介護者の負担を軽くさせるために着用するスーツなどが
展示されていましたが、経産省は、こうした介護従事者の
負担軽減などにロボットの活用が求められていると説明、
ロボット産業を将来 我が国の基幹産業のひとつにさせる
べく、ロボット産業の育成に向けた取り組みを進めている
のだそうです。

 ところで、ちょっと気になったのですが …

 ロボット と サイボーグ と アンドロイド と ミュータント は
どこがどのように違うのでしょうか

 そう思って調べてみると …

 「ロボット」 とは、人の変わりになんらかの作業を行なう
装置、もしくは人や動物に近い形および機能をもつ機械で
あると定義されています。

 (例) ガンダム鉄腕アトムドラえもん など。

 「サイボーグ」 とは 「改造人間」 のことで、人間の体内
に機械的な人造物を付加して人間本来の機能の補助や
機能そのものを向上させたものを指すようです。

 (例) 仮面ライダーロボコップ など。

 「アンドロイド」 の和訳は 「人造人間」 ですが、人や他の
生物を模した形状のもので機械や有機的な人造物で構成
されていて、人間で言えば脳に相当する中枢部分も機械で
造られているロボットのことです。

 (例) ターミネーター や スターウォーズのC3PO など。

 「ミュータント」 は 「突然変異体」 のことで、一般的には
「本来の生物より姿かたちが奇異に変質して気味の悪い
生き物と化したもの」 や 「化学物質や放射能などで変化
した全く新しい生き物」 などを言います。

 遺伝情報に変化が起きて本来の状態とは異なった細胞
をもつ生物のことで、SF的には、科学などによって人類を
超越した特殊能力を手にした存在を指します。

 (例) X-MENに登場する面々 や スパイダーマン など。

 その他にも死体をつなぎ合わせて造られた怪物としての
フランケンシュタインや人造人間を意味する造語としての
映画ブレードランナーに登場するレプリカントなどの存在
がありますが、アンドロイドが機械的なロボットであるのに
対し、アンドロイドも含めて人に似せて人工的に造られた
生物を総称して人造人間 と呼んでもさしつかえはない
でしょう。

 ところで、

 今、「アンジーの選択」 として波紋を呼んでいる
アメリカの人気女優アンジェリーナ・ジョリーの乳がん予防
のための両乳房切除後の再建手術(人工乳房再生)も …

 歯医者さんで行なう歯のインプラントも骨折の治療に使う
ボルトも広義ではサイボーグの範疇なのでしょうか

 フリー百科事典『ウィキぺディア(Wikipedia)』 によると、

 サイボーグ(cyborg)は、サイバネティック・オーガニズム
(Cybernetic Organism)の略で生命体(organ)と自動制御
系の技術(cybernetic)を融合させたものを指すそうです。

 具体的には、人工臓器などの人工物を身体に埋め込む
など、身体の機能を電子機器をはじめとした人工物に代替
させたものですが、ペースメーカーや人工心臓、筋電義手、
人工内耳、人工眼(眼球・網膜・視神経などの代替)など、
近年、この分野(サイボーグ技術)の発展は、めざましい
進化を遂げているのだそうですよ。

 ですから、単体では機能しないような単なる器物である
義歯や眼鏡などはサイボーグの範疇からは外されるので
しょうが、アンジーの身体に埋め込まれた人工の乳房や
インプラントされた歯に取り外しが可能な義手や義足など
の解釈は微妙ですねase2 

 それぞれに電子的な制御機能が付加されてくれば問題
はないのですが、厳密にはどうなのでしょうか

 さて、経産省が公開した男の子を模した介護用ロボットの
ポテンシャルがどれほどのものかは不明ですが、人間型の
ロボットと聞いて真っ先に思い浮かぶのは鉄腕アトムです。

 アトムの動力源(人での生命維持に必要なエネルギー)
は、その名前が示す通りに原子の力(10万馬力)ですが、
そう遠くない将来に鉄腕アトムのようなロボットが登場して
くるのは、自明なのでしょうか

 2013/3/14 更新の【噂ニュース】によると、鉄腕アトムは

 大空を自在に飛び回り、60カ国以上の言葉を理解した
うえで物事を自分自身で判断し、そのパワーは10万馬力、
しかも人間の心の善悪さえも感じとることが可能なのです。

 結論から言うと、現在のテクノロジーではアトムのような
ロボットの実現は不可能だと言わざるを得ないようです。

 一説ではアトムの記憶容量は、原作の初期設定によると
15兆8000億ビット、およそ2TB(テラバイト)に換算されるの
だそうですが、

 2テラバイトという数字を身近なものと比較してみると …

 symbol2 ファミコンカセット(1MB) right 197万5000本分
 symbol2 3DSソフト(4GB) right 約494本分
 symbol2 DVD(片面1層4.7GB) right 約420枚分
 symbol2 ブルーレイ(片面1層25GB)79枚分

 に相当します。

 ファミカセ197万5000本と聞くとそれなりに大きな数字の
ように見えますが、ブルーレイ79枚と言われると大したこと
もなく感じられます。

 ちなみに、2TBの外付けハードディスクは一番安いもの
だと1万円程度で購入できる専門店もあるようで、何だか
凄いのか凄くないのか、よくわかりませんが …

 つまり、こういうことです。

 わずか2テラバイト位の記憶容量でも高度な人工知能を
駆使することができる世界になって初めてアトムのような
ロボットが誕生するというわけですから、これから、さらに
既成概念を覆すようなテクノロジー革命を続けていかない
限り実現不可能だという結論になります。

 実際に手塚治虫先生がどこまで想定して2テラバイトと
いう数字をはじき出したのかは先生本人に聞いてみない
とわかりませんが、「ビット」 と言う表現で電子頭脳の容量
を設定した概念というかメッセージは60年以上という歳月
を費やしても色あせないどころか、むしろ、さらにその輝き
を増しているようにも感じます。

 いつの日にか介護用ロボットとしても、アトムのような
心優しい科学の子の誕生を心待ちにしたいところですが、

 昨今の巷(ちまた)では アトム ならぬアットマーク @
でにぎやかなスマホ という代物で溢れかえっています。

 聞くところでは、

 あきらかに携帯電話から スマホ に移行するとさらに
依存の度合いは強まるようなので、ボク は当面の間
ガラケー 1本で過ごすことにしていますが、これこそが
冒頭での 「時間の節約」 が変じた 「時間の浪費」 と時間
に追われる生活の元凶なのかもしれません


 こうして記事をしたためているうちに台風3号
いつのまにか 熱帯低気圧に変わって
しまったようです。

 恵みの雨 になってくれるとよいのですが … 

コメント一覧

おじゃま虫
コメント欄の投稿者名を見ていて、妙に気になったのですが、“てんしるちしる”さんの意味は「天知る地知る」なのか?「天使ルチシル」なのか?

8年前のコメントなので、知る由もありませんが・・・
てんしるちしる
最近テレビを見なくなったかわりに、、スマホやタブレット端末をいじっている自分に気づく…
テレビが登場した時に有名な評論家が一億総白痴化するといったとか?
こんどは何と言われるのだろうか?
良い悪いは分からないけど時代の流れをせき止めてもあふれ出すだけだと思うし、せめて道具に支配されないように気をつけようとは思いますが…
どうなるでしょう?
透明人間5号
本文にも記載したように、難しいかも知れませんね。
ロボット工学的な指向が変にエンターテインメントの方に向かっている気がするし、知能と言うか、主に数字的な展開やアルゴリズム的なものに偏っていることも気になります。
赤ん坊や子どもでも出来るような単純な動作(鍵穴に鍵を差し込むとか、ドアのノブを回すとか)さえも容易にこなせないのに …
半熟マン
利益と効率が優先される時代に、オレらにはオレらの言い分があるように、ロボットにはロボットの言い分があるのでは…
こないだテレビでやっていた「アイロボット」を見ての感想です。
2035年の設定だけど、オレらが生きているうちに、あんな時代がくるのだろうか?
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