ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■日影規制の緩和~千代田区・中央区&荒川区?

2006-07-25 23:46:37 | ■建築話
日曜日にTVを見ていたらたまたま日影規制の話が出た。
都市計画変更がされ、都内の三区でのみ日影規制の緩和が行われたという話。

「ああ、知ってるあの測定面高さが6.5mになるやつ」
と、見ながら嫁さんに話してたんだけれども・・・

どうもこの緩和を適用したのが都内だと
①千代田区
②中央区
③荒川区
の三区だけだとか・・・
東京都の要請がいろいろな区にあったのだけど、世田谷区、小平市等”住民の住みよい環境の為に断ったそうだ。

そんな背景の中、なぜ?荒川区が?

私が、これから自邸を建てようとする荒川区。
私の敷地もこの緩和の対象になっており知っていた。

しかし、これは東京全体で起きている事だと思ったら、三区のみの対応という話でびっくりした。
千代田区も、中央区も高層ビル誘致の為と理解できますが、なぜ荒川区が?

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この緩和規定は住民にとっては大きな問題です。
”日影規制緩和”=”日照権剥奪”
を意味します。
自分の土地だけの事を考えるといいことのように思えますが、通常この緩和が有効になるのは高層マンション規模の物件。
3~4階建てなら今までの規定の中で充分建てられるからです。

この測定面6.5mとは何を意味するかというと

荒川区は2階まで真っ暗

という事を意味します。
6.5mの高さまでは何時間も暗闇にしていいという決まりです。

おいおい・・・
私の敷地の周りは二階建ての建物ばっかり。
これからはマンションが建つとそんな環境の街並みが増えていく。
どんな町にしたいのでしょうか荒川区は?

おかげで、不動産業者から土地買いますチラシが頻繁に織り込まれているといいます。
まとまった敷地を手に入れ巨大な暗闇を作ろうとしているのです・・・

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私も集合住宅などを設計しますから、もちろんデベロッパーの気持ちはわかります。
建てられる精一杯のボリュームで敷地の価値を高めたいのです。
そういうデベロッパーが悪だとはいいません。
法がそういうことを許している以上しょうがない事だからです。

しかし・・・
そういった、真っ暗なドンヨリとした住宅街をつくらない為にも行政が規制をかけて街並みを整備してかなければいけないのです。

規制緩和は見せ掛けだけの豊かな社会。
このままではどんどん住みづらい社会になっていく事でしょう。
そして、どんどん住宅地がなくなりマンションに変わってしまいます。
都内の戸建住宅はますます難しくなるばかり。
我々の仕事もだんだんと減ってしまいそう・・・

これ以上住宅用地を減らさないで~!

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設計をしている時はコレラの緩和規定は喜ばしい事なのですが、住まい手になってみると必ずしもいいものだとは思えなくなります。
難しい問題ですね。

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■夢のマイホーム計画
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