『日本歯技』5月号
歯科技工士法制定および日本歯科技工士会創立60周年記念
リレーエッセイ 《第1回》
「継いで、つなぐ」
常務理事 岩澤 毅
リレーエッセイ 《第1回》
「継いで、つなぐ」
常務理事 岩澤 毅
歯科技工士法制定および日技創立60周年地域交流記念大会のスローガンが、「継ぐ60年! 笑顔の未来 歯科技工士の貢献」に決まりました。
スローガンには、様々な方の願いや希望が込められているわけですが、私なりに冒頭の「継ぐ」に着目してこの言葉の意味を考えてみました。「継ぐ60年!」には歯科技工士組織の歴史を背負う者の決意が表現され、そして歯科技工士が社会に果たしてきた「貢献」に対する強い自負を持ちながら、国民と歯科技工士にとっての「笑顔の未来」を目指すという決意の表れと解釈しました。
60周年は、人間で言えば「還暦」であり、過ごした時間と人生を振り返り、新たな決意の下、今までとは違うペースで歩む季節の始まりです。そしてまた、次世代に「つなぐ」という役割がより重みを持つ時期でもあります。
大会は、厚生労働大臣表彰、日技会長表彰を受章される先輩の皆様と一堂に会する特別の機会でもあります。大会には、「地域交流」と言う冠が付いています。各地域を「つなぐ」ことを目指した企画者の希望の表れなのでしょう。
併催される行事には、「第18回アジア・太平洋地域歯科技工士連盟協議会」があります。これもまた、より広い世界を、歯科技工士という職業を軸に「継いで、つなぐ」機会となることでしょう。
新たな歯科技工士の世界が、大宰府がおかれ、中国大陸や朝鮮半島との交流の窓口であった福岡の地に姿を現します。「継いで、つなぐ」ことの意味を考えながら、大会準備に取り組んでいます。