ひで氏です。
学生時代、アルバイトをしていた店の同窓会があった。
そこは1階がパン屋、2階がレストランとなっている店で、私ひで氏は2階のレストランでバイトしていたのだ。
まさにその店で同窓会をするというオツなこととなり、頼まれたギターを持って参上した。
思ったより多く、といっても30名くらいだろうか。
知ってる顔がほとんど、知らない方もいるが、店も今年で20年、その間それぞれのタイミングで関わった人たちが自分も含め集っている。
バイト先、もしくは仕事先にこの店を選ぶ人というのは結局何かしらの共通点があるからなのだろうと思うが、驚いたのは、知らない人でも別に違和感なく話ができるということだ。
そんな中昔の仲間と思い出話をすると、
結構「かっしー、歌ってよ」とか声をかけられて、「あれ?ここで働いてた時歌ったりしてたかな?」と思い返す。
すると、「みんなでBBQしに行ったとき、ギター持ってきて歌ってたやん、焼くの嫌やからBGM役で歌っときます、と。」
変わった事言ってたんだなあ、としみじみ思い返す。
こういう場面で面白いのは、自分に全く身に覚えがない、もしくは記憶が全に抜け落ちていることを話し相手が鮮明に覚えていることだ。
その逆もしかり。自分に大きな影響を与えた言葉や行動を発した相手が、その事を全く覚えていない、というようなことはよくある。
あと嬉しいのは、
「HPこないだ見たら。。。」「ブログ見たら。。。」というようなことを言ってもらったり、
「「りすのお願い」が聞きたい!」とか、「CCRやってたやん~歌ってくれよ」などと言ってくれたりする人がいることだ。
そして演奏したのだが、2,3曲やったあとにもう一曲!みたいなことになり、
そうだ、と思い出して歌った曲がある。
ジャニスジョップリンのメルセデスベンツという曲だ。
これは、当時、バイトが決まったときの歓迎会みたいな場で、おーい新入り、なんか一発芸やれー、みたいな流れになって、じゃあ歌います、と歌った曲だ。
アカペラの曲なので、当時あまり何も考えず歌ったのだが、その時、Kさんという社員の方に会が終わってから話しかけられた。
「お前、うまかったよ。うまかったけどな。。。メルセデスベンツはあれじゃあかんねん。説明でけへんけど、ちょっとちゃうねん。」
この駄目出しは当時自分にとって非常に大きなショックと悔しさを残した。
アカペラだからその場に馴染むかな、と単に知っていたから安直に歌った自分も恥じ、Kさんの言う説明できない物足りなさはなんなのかが気になって仕方なかった。
あれからほぼ15年。その場で思い出したから歌うという自分の安直さに全く成長は見られないが、歌そのものはどうか。
ジャニスジョップリンの何たるかを研究したわけでもない。この曲を歌い込んでいるわけでも全くない。その物足りなさの正体を突き止めたわけでもない。
ただ、15年たって、決して全力とは胸を張っては言えないけれど、自分なりに歌と向き合って来たその結果をKさんの前で示してみたい。
みんなの前で少しその話に触れた。
「えーこの曲は何を隠そう僕がこの店に入った時の歓迎会で歌って。。。なんとKさんにダメ出しされた曲なんです。」
この日ギターを絶対持って来てよ!と伝えて来たのは他でもない、そのKさんだ。Kさんは目の前に座っていて、こう言った。
「えー。俺そんなん言うた?言うわけないやん!」
出た。「自分に大きな影響を与えた言葉を言った当事者が全く覚えてない」例のやつだ!と思った。
笑いが起こり、「おいK、お前ようそんなん言うたな!」とからかう様なヤジが飛ぶ。
そして15年ぶりのメルセデスベンツを歌った。15年前はまだ仲間になる前。ただ立って、そして歌った。
この時は違った。直接知らない人でも、この店を通した仲間だ。自然に手拍子を煽っていた。みんな楽しそうに手拍子をしてくれた。
Oh Lord, won't you buy me, a Mercedes Benz...
歌い終わり、照れくさくて席に足早に戻りながら、拍手の中、Kさんに笑顔で叫んだ。「今日はどうでした!?」
Kさんは、
「そんなん、めっちゃよかったって。当たり前やん」
そう照れくさそうに言うKさんの右目の端のほうは、光っていたのだ。
学生時代、アルバイトをしていた店の同窓会があった。
そこは1階がパン屋、2階がレストランとなっている店で、私ひで氏は2階のレストランでバイトしていたのだ。
まさにその店で同窓会をするというオツなこととなり、頼まれたギターを持って参上した。
思ったより多く、といっても30名くらいだろうか。
知ってる顔がほとんど、知らない方もいるが、店も今年で20年、その間それぞれのタイミングで関わった人たちが自分も含め集っている。
バイト先、もしくは仕事先にこの店を選ぶ人というのは結局何かしらの共通点があるからなのだろうと思うが、驚いたのは、知らない人でも別に違和感なく話ができるということだ。
そんな中昔の仲間と思い出話をすると、
結構「かっしー、歌ってよ」とか声をかけられて、「あれ?ここで働いてた時歌ったりしてたかな?」と思い返す。
すると、「みんなでBBQしに行ったとき、ギター持ってきて歌ってたやん、焼くの嫌やからBGM役で歌っときます、と。」
変わった事言ってたんだなあ、としみじみ思い返す。
こういう場面で面白いのは、自分に全く身に覚えがない、もしくは記憶が全に抜け落ちていることを話し相手が鮮明に覚えていることだ。
その逆もしかり。自分に大きな影響を与えた言葉や行動を発した相手が、その事を全く覚えていない、というようなことはよくある。
あと嬉しいのは、
「HPこないだ見たら。。。」「ブログ見たら。。。」というようなことを言ってもらったり、
「「りすのお願い」が聞きたい!」とか、「CCRやってたやん~歌ってくれよ」などと言ってくれたりする人がいることだ。
そして演奏したのだが、2,3曲やったあとにもう一曲!みたいなことになり、
そうだ、と思い出して歌った曲がある。
ジャニスジョップリンのメルセデスベンツという曲だ。
これは、当時、バイトが決まったときの歓迎会みたいな場で、おーい新入り、なんか一発芸やれー、みたいな流れになって、じゃあ歌います、と歌った曲だ。
アカペラの曲なので、当時あまり何も考えず歌ったのだが、その時、Kさんという社員の方に会が終わってから話しかけられた。
「お前、うまかったよ。うまかったけどな。。。メルセデスベンツはあれじゃあかんねん。説明でけへんけど、ちょっとちゃうねん。」
この駄目出しは当時自分にとって非常に大きなショックと悔しさを残した。
アカペラだからその場に馴染むかな、と単に知っていたから安直に歌った自分も恥じ、Kさんの言う説明できない物足りなさはなんなのかが気になって仕方なかった。
あれからほぼ15年。その場で思い出したから歌うという自分の安直さに全く成長は見られないが、歌そのものはどうか。
ジャニスジョップリンの何たるかを研究したわけでもない。この曲を歌い込んでいるわけでも全くない。その物足りなさの正体を突き止めたわけでもない。
ただ、15年たって、決して全力とは胸を張っては言えないけれど、自分なりに歌と向き合って来たその結果をKさんの前で示してみたい。
みんなの前で少しその話に触れた。
「えーこの曲は何を隠そう僕がこの店に入った時の歓迎会で歌って。。。なんとKさんにダメ出しされた曲なんです。」
この日ギターを絶対持って来てよ!と伝えて来たのは他でもない、そのKさんだ。Kさんは目の前に座っていて、こう言った。
「えー。俺そんなん言うた?言うわけないやん!」
出た。「自分に大きな影響を与えた言葉を言った当事者が全く覚えてない」例のやつだ!と思った。
笑いが起こり、「おいK、お前ようそんなん言うたな!」とからかう様なヤジが飛ぶ。
そして15年ぶりのメルセデスベンツを歌った。15年前はまだ仲間になる前。ただ立って、そして歌った。
この時は違った。直接知らない人でも、この店を通した仲間だ。自然に手拍子を煽っていた。みんな楽しそうに手拍子をしてくれた。
Oh Lord, won't you buy me, a Mercedes Benz...
歌い終わり、照れくさくて席に足早に戻りながら、拍手の中、Kさんに笑顔で叫んだ。「今日はどうでした!?」
Kさんは、
「そんなん、めっちゃよかったって。当たり前やん」
そう照れくさそうに言うKさんの右目の端のほうは、光っていたのだ。
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