令和4年1月に山本雪彦さんが「海峡」と題した連句集を楡影舎より出版された。ワンテーマ連作という作句法を模索し続け、今回11テーマ、テーマ毎に14句ほどの句をまとめられた句集である。雪彦さんは北海道夕張市に生まれ、クラーク博士、内村鑑三で有名な、北大農学部のご出身で、プロのもの書きでもある。「海峡」は北海道と本州を隔てる津軽海峡のことであろう。
山本兄は短歌もよくなされ、一昨年刊行された歌集「花の宴」は以前紹介した。彼はまた、令和3年の毎日新聞の年間最優秀賞を本名山本茂として受賞されたばかりである。
韃靼の風に打たれつ父しのぶ旧開拓地の峠を越え行き
選者井ケ田弘美氏の総評「山本さんの歌は、父の辛苦の満蒙開拓の足跡をたどっており、「韃靼の」は、遠き異郷の地を彷彿とさせる響きがあります。」