
先月、今月とFriendly Neighborhood SPIDER-MAN (FNS)が2冊も届いた。33(9) 、34(10)号をレビュー。(Legacy Numberとカッコ内が2019年再発売してからの号数)あと1冊残っている。
筋書きをTom Taylor、33号の画をKen Lashley、Juan Cabal、34号の画をLashley、Luca Marescaが担当。添付画像は34号のBring on the bad guys variant cover。Variantの名称だけでもカッチョ良い。それだけじゃないWill Slineyの描くKindredがこれまで見たどのアーティストの描くそれより優れている。迷うことなくこの表紙を選んだ。
いつものように粗筋から。ホームレスのための施設の出資者は、裏では犯罪者からの資金で賄われていた。それを取り仕切るのがHelminth。何と80年前から生き続ける化け物。彼は人々の絶望を吸って生きている気も悪いやつ。一方、Peterのアパートに住むThe RumorことMarnieのオリジンが語られる。ある意味彼女も化け物。ProwlerことHobbieが敵の手に落ちた一方、Peterは一計を案じてHelminthの組織に挑んだ。
Marnieが大日本帝国の超人計画の実験台とは。眼の色は青じゃん。そんな彼女にProwlerが歳を聞くとすかさず、SPIDER-MANは、”We don’t ask that question.”と囁く。この辺はTaylorのウィットを感じるね。
話を戻すと、彼女は何故か大日本帝国軍のためには働かず、アメリカで生活していて、(その辺は解せない。)強制収容所に入っていたことも語られた。日本人ではないTaylorが米国の黒歴史を語るのも新鮮。良かったこういう人がいて。なんでも過去はなかったことにする日本の政治家や論客に爪の垢を煎じて飲ませたい。
CAPTAIN AMERICAと旧知の仲だったりするのも良いね。忘れていた(もしくは今回初めて語られたかな)彼女には透視能力もある。それを知ったCAPが星条旗の盾で下半身を隠すシーンが面白い。Marnieの台詞、”It’s OK, soldier. I can’t see through your shield.”が笑える。
FNS 34号でも気に入った台詞がある。まず、Helminthの攻撃に耐えて反撃に出た後のSPIDER-MANの台詞。”You underestimated the power of my cheerful optimism.”いつも彼が楽観的だとは思えないが、戦いの場では楽観的。SPIDER-MANのマスクを被った瞬間人格が変わるよね。
もう一つ、IRON MANとしてではなく、資金的に協力したTony StarkのHobbieへの熱い勧誘メッセージ。”Want to invent a better system with me?”こう言われてNOとは言えないよね。
個人的に今回のように、頭で敵を唐キやり方は好みだな。(他力本願ではあるが。)
TonyがPeterの才能を適切に評価している台詞も良かった。