最近のX-MENとその姉妹誌に失望しているオイラ。このX-MEN Legendsも御多分に漏れず、前回の3、4号は今一ワクワクしなかった。しかしだ、今回の話はイケる。
添付画像は日本にも来日したことのあるフィリピンのアーティスト、Whilce PortacioによるBISHOPとその仲間たちが戦うシーン。5号の表紙。彼は1985年からMarvelで活躍する腕利き。最近も時々Marvelの表紙を描いてくれている。最初はデッサンがもう一歩かなとおも思ったが、もうそこは味。
筋書をそのPortacioとBrian Haberlin、画をPortacioがそれぞれ担当。Haberlin はWitchbladeの生みの親の一人らしい。この辺はオイラがあまり知らないアメコミ。敢えて深追いしない。
粗筋を手短に紹介。現代に現れる前のBISHOPは未来で悪のミュータントを取り締まる部隊X.S.E.のメンバーとして活躍していた。無実のミュータントと彼の家族が殺されたのを目撃したBISHOPは仲間と反旗を翻す。
今回も気に入ったシーン、台詞等を紹介。BISHOPのモノローグ。”It’s important because the real villain of this piece is still to be revealed.” 5号の途中で種明かししてしまうのだが、要はBISHOP自身がこの物語の悪役らしい。
反乱の計画を仲間に打ち明けた後のBISHOPの台詞。”They argued. 中略。I should have listened to them.” Theyは仲間。そして仮定法過去を使ったということは、彼らの意見を聞かなかったばかりか、悪い結果になったことは5号の時点で明白。
6号は時系列に計画が崩れていく様が語られている。緑の髪のミュータントであり受刑者であるFitzroyがBISHOPの計画に乗ると見せかけて、裏で他のX.S.E.のメンバーEdgarとも取引しているのが良いな。悪は狡猾じゃないとな。
そのEdgarの台詞。”You (BISHOP) weren’t as careful as you should have been.” ここも仮定法過去を使っている。しかしこの台詞、実は自分自身にも投げかけられていることが後からわかる。そういう意味で上手い台詞だ。
Fitzroyは他の受刑者を囮にしてまんまと逃げうせ、BISHOPは仲間を失う。一連の話をX-MENのメンバーに語った後のBISHOPの感想。”I don’t feel approval from them (X-MEN) . But I don’t feel condemnation from them either.” この最後がこの苦い話の救いかな。