さっき見たカエルは二度嗤う

ちょっと一言いいたい、言っておかねば、ということども。

●アリエナイ話を作るアリエール

2008-01-14 01:20:28 | ●CM放談
今オンエア中よりも一つ前にやっていたアリエールのCMで、草薙剛が「毎年妻の誕生日には洗濯機の掃除をしてあげる」という、気持ち悪いCMがあった。
誕生日に洗濯機の掃除をしてくれてうれしいわ! と歓喜の雄叫びをあげる奥さんがいたら手を挙げてください。

これを考えたヒトはおそらく、結婚をしていない若い男性であろう。およそ、洗剤を買ってくれる奥さんに向けてこれほど的外れな攻め方はない。
妻は洗濯女ではない。家に洗濯を専門とする家政婦がいて、その人の誕生日に洗濯機の掃除をしてあげるのなら、わかる、ともやはり言えないなあ。
たとえ、洗濯女であっても、自分の誕生日には洗濯機の掃除なんかでなく、ほかのものが欲しいと思うよ。
むしろ洗濯が専門であれば、洗濯機自体の掃除も自分の仕事と言う自負が有るはず。

ここで大事なことは、全国の妻たちの「女を馬鹿にしている、家事を女の仕事であると断じている!」「してあげるという言い方がおしつけがましい」とかの感情的な批判ではなく、<誕生日に>というところに目を向けることである。
要するに、誕生日と言う夢のある楽しげでロマンチックな日のお祝いに、洗濯漕の淵の奥にこびりついた洗剤滓をこそぎとる行為が、ふさわしいものであるかどうか、そのへんをとくと考えてほしいのである。当の妻なら「誕生日にそれかい!」とさけびたくもなろう。

このCMを救うとしたら、草薙は妻の誕生日云々をいわず、黙って洗濯機の掃除をしている、それをかげから見ている奥さんがいる。製品の説明がはいる。さいごに妻を前に誕生日のケーキ、そして、引き絵のボケで草薙が渡すプレゼントのシーンの上に商品がのれば、よい。
洗濯機の掃除のくだりは気持ちのおまけ程度にしてしまえばいいだろう。

同じP&Gのボールズはあんなに突き抜けたCMを作っているのが不思議でならない。荒くれ男たちの頬にやさしい感触のタオルのシズル感というのがとてもよくわかるし、何より洗剤CMに荒くれ男たちをもってきた発想がすばらしい。ユーモアを交えながら、基本の効能効果をしっかり伝えているあたり、よくできたCMである。


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