きもちはでこぼこ

文章を書くのが好きです。
普段のなんてことないことを書いてます。

欲しかったのはこれだったのかも

2024年10月11日 | 日記

 

薬局で芳香剤を買おうとしたら

芳香剤の棚の前に80歳くらいの女性と

若い男性がいて 

女性が「・・・・かしら?」とかなんとか話していて

どれを買うのか迷ってる感じで私が入る隙がなかったので

また少ししてから 来ようと思って

店の中をぶらぶら。

 

 

数分経ったので、もういないかなと思ったら

まだ女性はいた。

そんなに買い物に迷ってるのか。

 

「これってどういうことなの?」と女性が言う。

・・・ ん? 誰に? 私? 周りを見ても私以外にいない。

 

さっきの男性もいない。

年齢からして、てっきり孫かなと思っていたけど

違ったようだ。

 

周りには私しかいないので

私も商品の棚から芳香剤を一つ取ってみていると

今度は

「無香の芳香剤ってどういうことかしら?」

という。

 

あ そういうことか。

 

「せっかく芳香剤を置くのに何で無香なの?」

という。

 

「香りが苦手、って言う人もいると思いますよ」

(実は私も強い香りが苦手)

 

「そうなの? いい香りがした方がいいじゃない?」

「それもそうなのだけど・・・玄関やトイレの匂いは消したいけど

他の香りはない方がいい、って人もいるようですよ」

というと

「そうなの??」

 

ちょっと納得できない って感じ。

ま、芳香剤だから多くの人は香りがあった方がいいのだろうけど。

 

 

そして 「やっぱり私はラベンダー 芳香剤と言ったら

ラベンダーよね」という。

 

 

ふーん そうですか

芳香剤と言えばラベンダーですか。

 

海苔と言えば山本山

お茶漬けと言えば永谷園

チョコレートは明治

シウマイと言えば崎陽軒

入浴剤はバスクリン

三時のおやつは文明堂

 

ってところか。知らんけど。

 

そんなわけでラベンダーの女性

(ここだけ読むとちょっといい感じだけど)は

ラベンダーの芳香剤を握りしめて

「でも・・・・たまには他のものにしてもいいわね」

と 他の商品を取っては戻して、くりかえしている。

 

おっ、他のを買うんだろうか。

 

「レモングラスの香り・・・・」と他のボトルを取ってみる。

「レモンの香りよさそう」という。

 

「そうですね」と言ったら

 

今度は

「あっ、カモミール」と他のを見てる。

「カモミールって紅茶なんかに入ってるあれよね」

「はい」

「何か・・・・紅茶に入ってるのが芳香剤になるなんてねぇ」

「・・・ダメですか?」

「うーん」

「白檀・・・・」

そんな風に言いながらやっぱりラベンダーから

抜け出せない。

「他のを買ってみて 自分が思ったのと違っていたら・・・・」

 

「ふーん」

 

並んでいる芳香剤は200円台から300円台 

たまには他のを買って「あ、イメージ違ってた」と思ったところで

それが何だ、次には違うのを買えばいい、と私なら思っちゃうのだけど

絶対、失敗したくないのか

それとも使い慣れたものは

なかなか変えられないのかな。

 

 

結局、私は数種類ある中から

「今日はオレンジのがいいか」と1本とって

買い物かごに入れた。

「あ、オレンジのもあるのね」

「はい」

「あなたはいつもそれなの?」

「あ、いつも色々です その日の気分で買います」

「いいわね 簡単にそうやって決められて」

「そう・・・・ ですかね」

 

どっちかと言うと私は無香を買う事が多いけど

この日は玄関にたまには香りを入れてみようかと思っただけ。

 

 

それからひとことふたこと話して私は

他の買い物をした。 途中で芳香剤の棚の前を通ったら

女性はまだ決められないようだ。

 

「どれにしようかしら」とまた大き目な声で話している。

周りにいる人は知らんぷり。 

 

 

ふと この方は新しい芳香剤を買いたかったわけじゃなくて

もしかしたら何か誰かと話したかっただけかも

 

なんて思った。

 

 

いつの頃からか コロナがきっかけかも知れないけど

知らない誰かとちょっと話すことってめっきり減ってしまった気がする。

話すとしても道で迷って場所を誰かに尋ねる、とか「落とし物ですよ」

「ありがとうございます」と何かを拾った時に口を開くくらいで、

なんと言うことでもないほんのひとことふたことの雑談がなくなった気がする。

 

 

以前は買い物に行けば お店の人や、買い物してる人から

何となく話しかけられることがたまにあったのに。

野菜を選んでると「あら?おいしそう とうもろこしってどういうのがいいの?」とか

「この葉っぱってどうやって食べたらいいんだろう?」なんて

言われて「この前、こうやったらおいしかったですよ」

「へぇ。そうなの?今度やってみるね ありがとう」

そんな小さな会話があった気がする。

 

もしや ラベンダーの人は

こんな会話をしたかったのかも。

レジも人が要らないセルフレジも増えたこともあって

本当にひとことも話さずに買い物ができる。

できる、というかお店の人と会話をしたい人にしてみれば

つまらないかも。

 

 

となると歳を取って一人暮らしをしていたら

朝起きてから寝るまで誰とも話さない、なんてことになるかも。

仕事を持ってるとか趣味があれば仲間や誰かと話したりも

少しはあるだろうけど、それもなく買い物以外に外に出ることもなく

誰とも会わないとなると会話も減っちゃうか。

 

誰かと何か、本当に他愛のないことを

ちょっとしゃべりたい そんな事がかなわない時代になっちゃうのかな。

 

 

芳香剤の女性も誰かとちょっと話したかったのかも、

なんて思ったりして。

 

 

 

 

 

 

 

以前はナチュログというところでブログを書いてました。

どうでもいいことを書いていたので

ここでもこんな感じで行きます。

 

前のブログ 「だからどうした」



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2 コメント

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はじめまして (るみ)
2024-10-12 08:04:02
確かに誰かと話したくなる時はありますね。
仕事に行っていたときは絶対に人としゃべるから考えたこともありませんでしたが、やめてしばらく家にいたときに誰ともしゃべらない時間が長くなると、しゃべりたいという気持ちになりました。
ラベンダーの女性もそうかもしれませんね。
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るみさん (dekopon)
2024-10-12 12:00:28
ラベンダーのこの女性の本当のきもちはわからないけど
どうなんでしょうね (*'ω'*)

本当にそうですね。
仕事で接客業や営業で人と接することが多い人は
「一人になりたい」とか「しばらく誰とも話したくない!」
なんて言ってるから、どちらも「ほどほど」なんでしょうね。
返信する

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