さて、今年の選抜高校野球大会は3月23日開幕。
熱戦が繰り広げられます。
3年前からつらつらと書き綴っているセンバツ出場校の思い出。
初出場の学校、そして21世紀枠出場の高校など、
「初めて見る学校」もあるので思い出も限定されますが、
ワタシが『思い出したこと』をまた今年も、
脈略もなく書き綴ります。
過去3年間の間に書いた学校については、
割愛させてもらいます。
それでは。。。
≪選抜出場校の思い出≫
北海道代表 札幌大谷 初出場
夏出場なし
初めての登場ながら、かなり注目された学校です。高校野球界で新世紀に入ったころから注目されてきた「元女子高で、野球部創部から日がないものの、強化に力を入れていて実力を急激に伸ばした」という学校の一つで、これも最近のトレンドの一つである「付属中学からの強化」が実を結んだチームです。前者の代表的なチームは済美。上甲監督に率いられ、創部2年の初出場で選抜を制覇、そして夏も決勝まで駆け上がった姿は、今でも目に焼き付いています。後者の代表的なチームは数多く、現在では軟式の星稜、高知、硬式の青森山田、神村学園などが代表例でしょうか。札幌大谷は札幌大谷シニア出身の選手がベンチ入り選手の大半を占め、その熟達したチーム力が神宮大会制覇につながりました。北海道の中で、これから一大勢力となっていく力と勢いを秘めたチームと言えるでしょう。ところでワタシ、北海道で「大谷」と名の付く学校としては、室蘭大谷高校を思い出してしまいました。昭和54年にたった1回だけ、選抜で甲子園の土を踏んだチームですが、なんだか妙にワタシの心に長く残っているチームです。確か右の本格派の平投手が好投して終盤までリード。ワタシはその試合を、本当にドキドキしながら見ていた覚えがあります。結局7回にミスが出てワンチャンスに畳みかけられて敗れ去ってしまうのですが、肩のあたりに線の入ったかっこいいユニフォームで甲子園のグラウンドを駆け回っていた姿を、40年経っても妙に覚えています。なぜこんなにも心に残っているのか、全く説明はできないのですが、いいチームでした。そんな活躍を、札幌大谷にも期待しています。明治神宮大会を勝ったことで「優勝候補」なんて無用なプレッシャーをかけられていると思いますが、秋のように何をも恐れずのびのびと、今度は甲子園のグラウンドで暴れまわってほしいと思います。駒大苫小牧の再来のような強豪の出現を、楽しみにしています。(コーチであの時の五十嵐選手も指導に参加していますしね)
北海道代表 札幌第一 3回目(2年ぶり)
夏3度出場 甲子園通算1勝5敗
一昨年に続いて3度目の出場。その前年にも出場していますから、4年間で3回目の出場となります。すっかり「北海道高校球界の顔」となってはいるのですが、なかなか甲子園で足跡を残すことができません。前回、前々回などは元横浜部長の小倉氏を臨時コーチに招いて、細かい野球の習得や甲子園戦術に力を注いでいましたが結果は出ず。一昨年の大会では、健大高崎との初戦で完全に我を失うような試合展開になってしまって、やはり雪のある北海道から春の選抜にやってきていきなり実践に向かうのは、厳しいんだなあという事を感じました。今年も強力打線を前面に出して戦うチームのようですが、今年こそ甲子園で北海道のチームらしいノビノビとした振りを見せて、全国のチームを震え上がらせてほしいものですね。
一昨年の記事 ⇒
昨年に続いての出場。
昨年は期待されながら初戦敗退。今年雪辱を期しています。
思い出については、昨年の記事を読んでください。
昨年の記事 →
今年嬉しいセンバツ初出場を決めた札幌第一。当然センバツでの思い出は全くありませんが、夏は3度出場している、00年代からの道内の野球強豪校ですね。札幌第一と言えば、ワタシは智弁和歌山とすぐ関連付けて浮かび上がるほど、智弁和歌山との激闘が思い出されます。初出場の02年、初戦で優勝候補の智弁和歌山と対戦した札幌第一は、終盤追い上げを見せるものの延長で振り切られて悔しい敗退を喫しました。まだ『コマトマ以前』(駒大苫小牧の甲子園連覇以前)の時期であったため、北海道代表はまだ強豪に対して互角に戦えるという認識はなかったため、この札幌第一の大健闘は印象に残りましたね。『結構いいチームがあるなあ』という印象でした。そして09年には、2度目の甲子園で堂々と1勝を挙げた後、またも因縁の智弁和歌山と対戦。またも終盤までリードの展開ながら、追い付かれての逆転負けでした。チームの印象は、力強い打線とそこそ試合を作る投手陣を持つ、バランスの取れた好チームというもの。今年もなんだか、そんな印象のチームのようですね。横浜高校の小倉元部長も定期的にチーム強化に携わっているということで、甲子園での戦い方を伝授してもらっているようです。昨今、札幌市の降雪量は以前と比較してかなり少ないようなので、雪国のチームだからと言って以前のような『雪で練習が不足している』センバツとはならないと思われ、活躍が期待されています。昨年の東海大四に続いての北海道旋風なるか。期待が大きいですね。
東北代表 八戸学院光星(青森) 10度目(3年ぶり)
夏9度出場 甲子園通算 28勝18敗 準優勝2回
八戸学院光星といえば、「東北に初めての大優勝旗を持ち帰る学校の最有力候補」と言われて久しく、彼らが光輝いた2011年、2012年の2年間には、なんと3季連続甲子園で決勝に進出するという離れ業をやってのけました。しかしその3度とも決勝で一敗地にまみれ、宿願の「大旗」までは到達していません。今や東北のみならず全国の舞台でも相手を震え上がらせる威力を持つ『光星』ブランド。選抜は3年ぶりとはいえ、前回の選抜から今回までの間に、夏は2度甲子園に出場。そして特筆すべきなのは、”あの”2011年のチーム以来、甲子園に登場すること10度で、そのすべてで初戦突破を果たしていることです。「簡単には負けないチーム」として、完全に甲子園ファンに定着したそのチーム力は、今年も他校の脅威になることでしょう。今年こそ快進撃。。。。。東北の高校野球ファンは、そう願っているはずです。
前回出場時の記事 ⇒
八戸学院光星というより、光星学院と言った方がまだ、通りはいいですね。現在の仲井監督はとてもいい監督だと思いますが、やはりこの学校の躍進には、”中興の祖”とでもいうべき金沢監督の印象が強いですね。大阪・桜ノ宮―東北福祉大という道を経て当時の”野球弱小県”であった青森で全国制覇を狙うという大きな望みを持ったこの指揮官に率いられて、チームはどんどん強さをまとっていき、『東北初』の全国制覇まで、3季連続で迫ったという全国でも類を見ない成果を上げたことは特筆に値しますね。3季連続で決勝に進出したチームには、エース秋田、主砲川上(ヤクルト)、エース金沢、主砲田村(ロッテ)北條(阪神)らのキラキラ輝く選手が続出。その前にも坂本(巨人)らの好選手を輩出する学校ですが、ワタシがこの学校で特に印象に残っているのは、甲子園初出場を目指していた時のエースである洗平(元中日)ですね。もうすぐそこまで手が届いている甲子園切符を、最後の最後でつかみ損ねている様子に、遠くから声援を送っていたものです。『いつかこの手に甲子園を。かもめと一緒に、あの大舞台に行くんだ』という特集を読んで、『いったいいつになったら、この光星学院に会えるのかなあ』と楽しみにしていたことを思い出します。今まで3度の決勝進出では、日大三、大阪桐蔭という強豪で、しかもピークの年のチームが相手でなかなか自分の力を出すことが出来なかったのですが、四度目の全国制覇挑戦の際には、ぜひ自分の力をすべて出して栄冠を勝ち取ってほしいと思っています。この光星を中心に、今では同県の青森山田をはじめ、仙台育英、聖光学院、花巻東、日大山形など、『全国制覇を狙える東北代表』が毎大会甲子園の大舞台で大暴れしています。『東北初の全国制覇をぜひわが手で』と思っている名指揮官は多く、
いまや『いったい東北初の栄冠は誰の手に』が、甲子園ファンの最大の注目点と言ってもいいかもしれません。さあ、このセンバツでチャンスを得た八戸学院光星。今年のチームも、波に乗れば頂点まで駆け上がる力は十分。いったいどんな戦いを見せてくれるのでしょうか。
東北代表 盛岡大付属(岩手) 5度目(2年ぶり)
夏10度出場 甲子園通算 9勝14敗
すっかり「新興名門校」の仲間入りをした盛岡大付。かつて「野球後進県」と言われた岩手県にあって、近年は花巻東とともに2強を形成し、甲子園でも確かな実績を残せるようになってきました。挑んでも挑んでも甲子園という厚い壁に跳ね返され続けたチームの姿はもうどこにもなく、堂々と他の地区のチームと渡り合う姿は、本当に見ていて頼もしい存在です。前回の選抜を勝ち取ったチームは、三浦-平松の2本柱や主砲植田の活躍などで春夏ともに8強に進出。「盛岡大付強し」を印象付けてくれました。そしてここからが、本当の意味で強豪の仲間入りをする大事な時期だと思います。ライバルの花巻東をはじめ、八戸学院光星、聖光学院、仙台育英など「東北初めての大旗獲得レース」は激烈を極めています。どのチームも「手をかける」ところまではいきますが、最後はするりとその手から落ちてしまう悔しい思いが多い近年、盛岡大付もこのレースにぜひ参加したいところですね。数年前のチームと比較すると、かなり選手の構成も変わってきたこのチームに、地元の期待が大きくかかっていると思われます。
前回出場時の記事 ⇒
盛岡大付属というと、我々オールドファンにとっては、まだまだ『新興勢力』という感じのする学校なんですが、甲子園に初登場したのが95年ですから、もう20年以上前の話になるのですね。岩手県といえば昭和の時代までは『公立王国』という感じで、こじんまりとまとまったチームが甲子園に登場してくるのが常でした。しかし平成に入って、花巻東、専大北上、一関学院などが次々と力をつけ、そこに割り込んできたのがこの盛岡大付属。初出場は、小石沢投手という後にプロ入りする好投手を擁しての甲子園でしたね。ドラえもんのような監督に率いられ、その後は何度も甲子園に挑みましたが、何度も何度も跳ね返され、甲子園で勝利をあげることはできませんでした。ワタシも甲子園で何度か盛岡大付属の試合を見る機会に恵まれましたが、試合が中盤から終盤に進むにつれて、なんとなくフェードアウトしていってしまう・・・・・・・というようなイメージを持っていました。2000年代に入ってから、甲子園に出場する回数は決して劣っていないものの、ライバルである花巻東には甲子園での戦績で大きく後れを取ってしまいました。あの菊池で選抜準優勝を果たした花巻東に対して、盛岡大付属の甲子園初勝利は、なんと2013年春まで待たなければなりません。2012年夏には、あの大谷翔平の160キロ越えの速球を打ち崩して甲子園までやってきたのに、初戦で120キロ台の軟投派を打ち崩すことができずに敗れ去るという悲哀も味わっています。その盛岡大付属も、2013年春に絶対的エース・松本を擁して9回目の挑戦にして初めての、悲願の甲子園1勝を挙げると、明らかにその後流れは変わりました。そしてエース松本が3年生になった2014年夏、甲子園での初戦、優勝候補筆頭の東海大相模に対して果敢に挑んでいった盛岡大付属は、この優勝候補を堂々と破り甲子園2勝目を上げました。この年は次の試合で敗れましたが、『盛岡大付属強し』を甲子園に印象付けました。そして昨夏、今度は鍛え上げてきた看板の打線が甲子園で炸裂。初めて『盛岡大付属らしい』打撃戦で強豪を連破。初めて『1大会2勝』を挙げ、大ブレークの予感をはらみながらの今年の選抜挑戦となります。
昨年のような打線の爆発力があれば、『打撃上位の珍しい大会』になるのではと言われる今年の選抜でも、大ブレークが期待できるかもしれません。長年の苦しみから解き放たれて自分本来の戦い方をのびのびとやれるようになったなんて、なんだか新横綱・稀勢の里をほうふつとさせます。この盛岡大付属も、なんだか目が離せないチームに、なりつつあります。
(つづく)