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第86回選抜高校野球  広島新庄・桐生第一 好投手譲らず! 引き分け再試合

2014年03月30日 | 高校野球

≪第86回選抜高校野球大会≫

【第8日】

広島新庄 1-1 桐生第一  (延長15回引き分け再試合)


好天の土曜日の甲子園。

多くの観衆を飲み込んだこの甲子園で、
広島新庄と桐生第一が、
両好投手の評判にたがわぬ好投で、
延長15回を戦い抜き引き分け再試合となりました。

広島新庄・山岡投手と、
桐生第一・山田投手。

両投手ともに、
実にコントロールの良い、
『負けない投球』が出来る好投手で、
初戦も山岡が完封、山田が強豪・今治西相手に1失点完投と素晴らしい【甲子園デビュー】でした。

この日もその素晴らしいコントロールは健在。

特にピンチを背負った場面では、
両投手のピッチングは見事でした。
まさに『チームの大黒柱』とは彼らのことですね。

ピンチでも顔色一つ変えずに淡々と。

こういう投手戦になると、
往々にして、
『どちらの投手も負けさせたくない』
というマインドになりますが、
昨日もまさにそうでした。

両投手に、
大きな拍手を送ります。


広島新庄と言えば、
甲子園に春夏通じて初登場のチーム。

しかし昨年の夏の広島大会決勝では、
この日と同じように、
延長15回引き分け再試合を経験しています。


その時の記事がこれ →  http://blog.goo.ne.jp/angeldad/e/fb3503bdf38e4a3500dc6715f68413da


引き分けの試合が0-0、
そして再試合が0-1。

何とも無情な結末で、
初めての甲子園を逃して悔し涙に暮れました。
わずか8か月前の話です。

その悔しさを経て甲子園をつかみ取り、
歓喜の1勝を挙げた後の2回戦で、
甲子園でも【引き分け再試合】。

なんという、
ドラマチックなチームなんでしょう。

昨年は、
U-18日本代表に選ばれ、ドラフトで巨人に入団した剛腕・田口投手を擁していました。

その田口投手がつかめなかった甲子園を、
後輩である山岡投手が掴み取りました。

この山岡投手、
雑誌・新聞などの記事によると、
中学時代は公式戦勝利なし、
最速105キロを超えることはない投手だったようです。

その投手がこの日魅せたピッチング。
胸をすくような、
見事なものでしたね。

人間って、
若者って、
2年間でこれほどまでに変われるものなんですね。

今なかなか成長できずにくすぶっている、
高校、中学、小学校で野球をする球児たち。

山岡投手が彼らに与える『勇気』、
半端なものではありません。

そう思ってみると、
本当に彼に対する『思い入れ』がMAXになってしまいます。


対する桐生第一も、
面白いチームですね。

全国制覇の経験もあり、
90年代から00年代前半まで、
常に群馬県の、
そして関東のトップであり続けた桐生第一ですが、
ここ数年は苦難を経験しました。

度重なる不祥事が野球部に暗い影を落とし、
更に健大高崎などの新興勢力の戦力アップで、
なかなか県内を勝ち抜いていけなくなってきました。

そして極めつけは昨年の夏。

初出場の前橋育英が、
見事な野球を展開して全国制覇を成し遂げ、
群馬の野球の中心は完全に、
健大高崎や前橋育英のものとなり、
桐生第一は『かつての強豪』と呼ばれる一歩手前になってしまった印象がありました。

しかしここで、
福田監督は大胆なチーム作りを敢行。

秋の大会でありながら、
ほとんどのレギュラーメンバーを1年生で揃え、
大会に臨んだのです。

【下級生中心】でのチーム作りは、
強豪校ではよくあること。

3年計画でのチーム作りは、
≪全国制覇≫を狙う強豪に許された特権かもしれません。

かつては常総学院が9人中8人のレギュラーを2年生で揃え、
甲子園をつかみ取ったことがあります。
(現日ハム・金子選手らの代です)

もちろん彼らが最高学年になった時は、
春夏ともに甲子園をつかみ、
両大会ともに『優勝候補筆頭』の評価を受けました。
(結果は、春が1勝、夏は4強でした。)


最近では、
去年夏、横浜高校がやはり、
9人中8人が2年生というチーム編成で、
甲子園をつかみ取りました。

昨夏に続き、
今年の春も甲子園をつかみ取りました。
(敗れたとはいえ、今春はやはり『優勝候補』の扱いでした。)

しかしながら、
これらのチームは、
下級生中心とはいえあくまで『夏の大会』がそういうチーム構成でした。

秋の時点でほとんどを下級生で固めるというのは、
ちょっとワタシにも覚えがありませんね。

1年生の秋と言えば、
まだ高校に入学して半年もたたない頃。

その選手たちでチームを組むなんて、
なんて大胆なんでしょうか。

反対に言えば桐生第一は、
それぐらい現状に危機感を持っていたということなんじゃないでしょうかね。

そこまでしないと、
上位のチームの壁を破ることはできないと考えての、
施策だったのではと考えています。

それに応えるだけの選手が1年生に揃っていたということは、
間違いなく言えますね。


そんな桐生第一でしたから、
この春のセンバツでの戦い方、
高い注目を持ってみていました。

1回戦の今治西戦。
そしてこの日の広島新庄戦。

強豪に対して、
見事な戦いぶりでした。

特に守りは、
何度も山田投手を救い、
踏みとどまる素晴らしいものでした。

『十分に全国でも戦える』
という自信を持って、
次の戦いにも望んでいけそうですね。

桐生第一の、
今大会だけではない、
今後の戦いに注目しています。

特に県内での、
夏のディフェンディングチャンピオン、前橋育英・高橋投手との対戦や、
『機動破壊』を合言葉にものすごいチーム作りを進める健大高崎との対戦など、
興味は尽きません。


ここ数年、
関東の高校野球界では、
完全に地殻変動が起きています。

ほんの数年前までは、
関東大会と言えば神奈川、千葉、埼玉の『首都県勢』が中心でしたが、
ここ数年は群馬、栃木を中心とした北関東勢がものすごい巻き返しを図って、
完全に形勢を逆転している趣すらあります。

特に小針監督就任による作新学院の復活と、
健大高崎の登場が戦力図を一変させたとワタシは思っています。

彼らに負けまいと、
栃木、群馬勢の戦力アップが著しく、
そこにこれも復活してきた茨城・常総学院も加わり、
レベルが高くなってきましたね。

こうして高校野球は、
地区レベルというだけではなく、
地区の中での各県のレベルアップなどもあり、
『数年前の図式では完全に語れなくなっている』
というのが現状。

『数年前までは考えられなかった』
というような県同士の決勝なんて、
これからは普通に出現してきそうです。


そういう意味では、
今大会でも、
『思わぬ決勝』
のカードが現実味を帯びてきています。

それは、
『京都同士の決勝』

昨日の龍谷大平安の強打。
今大会では群を抜いています。

そして8強に初進出した、
福知山成美もチーム力は充実しています。

両校ともにこれからは厳しい相手も多く、
ギリギリの戦いが待っているとは思いますが、
あながち夢ではないというところまでは来ています。


京都と言えば、
選手権第1回大会に京都二中が優勝し、
平安も全国最多の出場数を誇るなどの老舗ではありますが、
近畿の中では長く大阪、兵庫勢、
そして智弁和歌山、天理などの後塵を拝してきました。

≪全国制覇≫が日常茶飯の近畿勢にあって、
京都勢の優勝は1956年の平安までさかのぼらなければなりません。
もう60年近く前、
霞の向こうの出来事です。

しかし今年は8強に2校、
そして両校ともに戦力、気力充実し、
優勝のチャンス。

この千載一遇のチャンス、
逃す手はありません。

古都・京都は、
盛り上がっているんじゃないですかね。


ということで、
ドラマの多い今年のセンバツ。

後半戦の戦いも楽しみです。


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