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16年目突入。ビッグイベントに心躍らせながら、草の根のスポーツの面白さにも目覚めている今日この頃です。

負けるチームの負のスパイラル

2020年09月18日 | プロ野球

だいぶ先の見えてきたプロ野球。

今年は120試合制で、
CSも例年とは違いセは実施せず、パも1・2位のファイナルステージのみ行われるとのこと。
ということで、
今年は昔のようにペナントレースでの戦いがすべてといってもいいような「敗者復活戦のない」シーズンになっています。

そんな中で、
セでは巨人が大独走。
昨日は敗れたものの、
びくともしないマジック35で、
優勝にひた走っています。

パではSBが好調を維持、
ロッテが追って行っていて、
こちらは最後までわからない感じです。
特にロッテはSBを大の得意としていますから、
終盤までもつれ込めば何が起こるかわかりません。


そんな中、
昨年まで優勝争いの中にいた西武と広島が、
泥沼の苦しみにあえいでいます。

広島は大瀬良、ジョンソンの離脱というような厳しい状況、
西武はもう・・・・・どうしようもないチーム状況ですね。

”レオ党”のワタシにとっては面白くないシーズンになっているのですが、
昨日の試合を見ていて、
もう何というか、「あ~これだから低迷しているんだな」というところがあまりにも顕著に見えてしまって、
何というか・・・・・あ然としてしまいました。

「毎年主力級の選手が抜ける」
これはもう西武の宿命というようなもので、
受け入れざるを得ないものですね。

これを脱するには、
まあ平たく言えば、
身売りしかないと思っています。

それがかなわないならば、
状況を受け入れて、
今いる戦力で頑張らざるを得ない、
そういう事です。

昨日の試合は、
巨人から移籍の内海が先発。
そして捕手には森友哉が座りました。

何かと話題の森友哉、
昨季は大活躍のMVPで、
「久々にあらわれた打てる捕手」
という事でもてはやされましたね。

彼のバットで優勝を手繰り寄せたという事で、
秋山が抜けた今年は攻守に昨年以上の活躍が期待されました。

しかし。。。。

開幕からバットは湿り、
守備でも全くいいところがなく、
最近は負傷の影響もあってか度々先発を外されているというのが現状です。

森は捕手としてはまだ現在「修行中」の身で、
他のチームのレギュラー捕手と比べてリードを含めた守備力では、
お世辞にも上回っているとは言えません。
いや、一番力が劣っていると言ってもいいかもしれません。

しかしながら、
昨年までの2年間は「正捕手」を任され、
球団の「何としても森を一人前の捕手に」という思いが、
ひしひしと伝わってきました。
事実しっかり守れてチームの屋台骨を支えてきた銀二朗を、
チームは引き止めずに明確に「森が正捕手」と示しましたからね。

森もそれに応え、
苦しみ、批判を浴びながらも何とかこなしていましたが。。。。。。

今年はその2年間のひずみというものが、
何というか吹き出してしまっているという感じですね。

「中軸を打つ捕手だから」
ということで、
森にチームリーダーの役目も負わせ、
『西武というチームは、森を中心に・・・・・』
としてしまっているも開幕から勝てず、
段々悩みの淵に追いやられた森ががもう、
爆発寸前になっているというのが今の姿です。

昨年までは、チームリーダーで、
「プレーだけではなく、しっかりと口も出す」リーダーの秋山が西武の中心にでんと座っていてくれたからよかったものの、
そのリーダーはいま海を渡り、
真っ赤なユニを身につけて活躍中という事で、
今はなし。

ベンチを見ると、
今チームのため・・・・という感じで動く選手はいるのかなあ、
と疑問に思ってしまうほどの淡泊な雰囲気。

常にプレーに気持ちを入れて臨んでくれているのは、
大ベテランの栗山選手ぐらいですね。

そんな重荷を背負った森のプレーが、
もう何というか、
全てが逆回転の感じになっています。

しかしそんな苦境も、
森本来の明るさで、
それらを乗り切ってくれればいいのですが、
そうは行っていないというのが現実。

SBの松田や内川のように、
真の意味でのリーダーというのが、
今一番チームに求められるのにね。


ワタシは森のプレーを見ていて一番気になるのは、
自分が不調やダメになった時、
すぐに下を向いてしまうこと。
森生来のだれにでもかわいがられる「弟気質」が程よくチームにマッチしていたのですが、
今は「お前はチームの兄貴として、引っ張っていってもらわなければならないんだ」
とすごくキャラと違うものを背負わされて苦しんでいる感じがして、
彼の「良さ」が消えてしまっている感じがしますね。


昨年までだったら、
周りが助けてくれる環境にあったので救われていたのですが、
今年のような状況に陥ると、
厳しくなってきてしまいますね。

投手に対しては、
マウンドでしっかりと声掛けをしたり叱咤をして、
投手を何とか立ち直らせるということが最も苦手なキャッチャーだと見ています。

リード面での成長も見られず、
常に投手をわざわざ「苦しい投球」にさせているように見えるのは、
ワタシだけかな?

最近好調の岡田、柘植がリードするとき、
彼らは投手のいいところを引き出そうとするリードをするので、
明らかに投手が投げやすそうに投げている気がするのですがね。


ちなみに西武の投手陣の防御率、
森が正捕手になった一昨年から3年間で、
著しくチーム防御率が落ちています。

あの悪夢の伊原・田辺時代から辻監督初年度までは3点台中盤~後半で推移していた防御率、
いきなり18年~今年までは4点台に落ちてきてしまっています。

捕手が変わることで投手に影響が出るのはよくあることですが、
西武でも長年正捕手を務めた伊東が引退した年から翌年、翌々年は、
いきなり3点台から4点台中盤に防御率が悪化。

それではいかんと伊東監督が細川をしぶとく育てて、
その後3年間防御率を3点台に抑えました。

それからまた、
細川から銀二朗に正捕手を変える決断をした09年、10年にまた4点台に落ち込みましたが、
銀二朗がしっかり正捕手に座ると17年までずっと3点台の防御率を維持していました。

そんなことを考えると、
「捕手を変えるというのは、大変な影響力を及ぼす」
というのが数字にも如実にあらわれていて、
何だか面白いなあと思うのですが、
森はさて、どうなっていくのでしょうか。

西武は森の前の捕手が「守備の人」銀二朗だったので単純な比較はできないでしょうが、
やっぱり森の「捕手としてのトータルな力」には疑問符を抱かざるを得ないのは確かですね。

キャッチング、スローイング、フットワークの「3要素」はもとより、
何と言っても「ピッチャーを育てる力」というのが最も厳しい評価にならざるを得ないところではないかと思っています。

森は打力はピカイチのため、
どうしても”打力もすごかった”捕手たちと比べられてしまうのはかわいそうなところだと思いますが、
ヤクルト・古田、巨人・阿部、中日・谷繁、SB・城島の「打てる捕手」4人は、
打つ、守るという事だけでなく、
いずれも「ピッチャーを育てられる捕手」として絶大な評価を得ていたと思います。

彼らと比べると、
やっぱり森の捕手としての評価は、
なかなか厳しいものにならざるを得ません。

しかしチームとして勝っていくためには、
ピッチャーがしっかりと育っていくという土壌を築かなければ、
チームに明るい未来は訪れないでしょう。

『森にチームの未来を託した』
という選択をチームがするのであれば、
そのあたりの所も踏まえて、
しっかりと森自身を育て上げねばならんという事ですよね。

昨日見ていて気になったのは、
2つの大きな自身のエラーで2点を先取された直後のこと。

エラーした後、
呆然としてがら空きのホームにカバーに行くことも忘れていて、
「そんなこともわからんほど、頭真っ白になっちまってるんだなあ。。。。」
と思ったのですが、
直後の攻撃はその森の打順から。

結果はひっかけてセカンド正面のゴロ。

その打席の結果はしょうがないと思ったのですが、
残念だったのは、
そのゴロに対して1塁まで全力疾走していなかったこと。

直前に自分のエラーで失点して、
挽回のチャンスの打席では平凡なゴロ。
しかしそこは、
普通は「何とか・・・・」という気持ちを見せてせめて1塁まで全力疾走するぐらいのことはするだろう、
なんて思ってしまいました。

しかし、やらない。(やれない?)

そういうところが、
ベンチやチームを鼓舞しないんだよなあ。。。。。

そして多分、
そんなことを指摘する(できる)コーチ、選手も、
チームにはいないんだろうなあ。。。

「悩んでいる森」に対して、
なんかベンチもはれ物に触るみたいな妙な「やさしさ」を見せてるんだよなあ。。。
森にしたって、
厳しい先輩にガーンと言ってもらって「ハイ終わり」の方が、
彼自身もリセットもできると思うんだよなあ。。。。

「若きスターに対してはれ物に触るように・・・・・」

こういう扱いをしたせいで清原も松坂も、
何だか松井秀喜や大谷みたいに、
突き抜けた選手には育てられなかったんだよなあ、西武という球団は。。。。。

高校出の初年度が彼のピークだった・・・・・みたいな評価、あるでしょ。

森の扱いでもその轍、
踏まないでほしいものですね。
(まあ、森も彼らと同じように、20代の中盤ではチームを離れていく選手なんだろうけどね。)


チームプレーと言えば、
4番を任せられている山川の最近のバッティングは、
ひどいものだなあ。。。。

元々パワーは規格外だから、
当たればホームランというのはわかるんだけど、
それにしても「ここぞ」の場面や試合のツボになるような場面でも、
ま~ったく同じように振り回すだけじゃ、
ホームラン数こそ残っても、
ファンに4番としては認知してもらえないんじゃないかなあ。。。。
期待できないもん、交通事故のようなホームランしか。


ホームランこそ少なくても、
DeNAの佐野の方が、
よっぽど4番らしいし、
頼りになりますわなあ。。。。。

6番か7番ぐらいを打つのであれば、
ああいった「全打席でホームランを狙う」バッティングもいいと思うけどね。

もちろんホームランは”野球の華”ですから、
ホームランを打てる能力というのは貴重で、
得難い選手だと思います。

しかしながら、
少なくとも「勝てるチームの4番」ではないよなあ。
まあ、負けが込んでいるチームへのいら立ちや抵抗感が、
ああいったバッティングを”わざと”させているのかもしれんけどね。

森にしても山川にしても、
昨年の活躍から今季のシーズン前は、
かなりもてはやされて彼らの技術論や内面についてのコラムなど、
たくさん書かれていたのですが、
「負けだすとこれかよ」
というような今季のようなプレーばかりでは、
なかなか評価はあがっていかないんじゃないかな。


個人的には、
西武というチームは豊富なバジェットもないチームなので、
ここ数年のような”派手な勝ち方をする”チームカラーではなく、
投手力をきちっとして、
数字的には凄くはないがしぶとく勝ってくチームを目指すのがいいのではと思っています。

スモールベースボールを目指せとは言いませんが、
2,3人の「絶対」のフランチャイズ・プレーヤー(マインドとしてはやはり、SBの松田みたいな選手)を中心に、
しっかりとチーム全体で勝ちに向かって行くようなチーム、
その雰囲気が出ているようなチームがいいのではないかなあ・・・・・なんて思っています。

各人が勝手にプレーしている今のようなチームだと、
やっぱり少しでも逆回転し始めたら、
戻すことは難しいようにも思います。

若手の投手陣に、
少しだけ「萌芽」と言えるような兆しも見えてきた今季。
思い切った手を打って、
チームの体質改善を考えても、
いいように思います。

少し前にオリックスの中嶋監督代行が提唱したように、
「せめて全力疾走は怠るな」
そこらあたりから始めて欲しいものです。

首位にいるチーム、乗っているチーム状態の時は、
言われんでもやるんですよ。
しかし苦境に陥った時や乗れない時でも、
同じように全力疾走をやるチーム作り、
進めてもらえんでしょうか。

昔ドジャーズにいたラウル・モンデシーが、
「選手生活なんてあっという間なんだから、現役である間に全力プレーを常にグラウンドでやることなんて、当り前さ」
こういうような選手がマジョリティーを占めた時、
チームは劇的にその体質を変えると思いますがね。

辻監督。

厳しさもミックスして、
戦って行ってください。



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