≪第96回全国高校野球選手権≫
【第4日】
第1試合 佐久長聖(長野) 3-1 東海大甲府(山梨)
第2試合 東海大四(南北海道) 6-1 九州国際大付(福岡)
第3試合 聖光学院(福島) 2-1 神戸国際大付(兵庫)
第4試合 山形中央(山形) 9-8 小松(愛媛)
ワタシがひそかに高校野球の”格言”として持っていること。
それは、
【甲子園の高校野球は、地味だといわれた対戦ほど、心に残る激闘になる】
ということ。
どの大会でも必ず、
『注目を浴びなかった試合での、素晴らしい激闘』
があります。
そんな戦い、
本当に長く心に残るものです。
今大会でも、
昨日の鹿屋中央vs市和歌山や、
三重vs広陵という激闘がありました。
そして第4日のこの日、
第4試合で素晴らしい激闘がありました。
山形中央 vs 小松
両校の地元の人たち以外、
取り立てて注目していたという大戦でもない両校の激突でしたが、
両行ともにまさに持てる力を存分に出し、
最後の1球まで手に汗握る激闘を展開してくれました。
4人の投手を継投でつないで中盤までのリードを守ろうとする初出場の小松に対し、
山形中央はなんとか反撃を試みるも5-8と3点のビハインドで最終回を迎えてしまいます。
しかし県大会決勝で最終回に0-2のビハインドから5点を奪う『大逆転』を演じた山形中央。
まだまだ3点ぐらいでは、
ダッグアウトに陣取るナインの目は全然死んでもいないし、諦めてもいませんでした。
代打のヒットから反撃開始。
好投の2番手投手がツーベース、
さらなる代打が内野安打と3連打でつないで1点を返しました。
こうなると【甲子園の大声援】が小松のリリーフエースを襲っていきます。
2ゴロでもう一点を返して1点差と迫った2死2塁から、
高橋が右中間を深々と破るタイムリー3ベースで同点。
さらにヒットが続いて逆転。
その裏の小松の必死の反撃を、
好リリーフの佐藤が魂の投球でしのぎ切って、
1点差を守ってのうれしい『夏の甲子園初勝利』を上げました。
愛媛の名将・宇佐美監督に率いられた初出場の小松は、
勝利まであと一人まで迫りながら、
『甲子園の厳しさ』を思い知らされることになって舞台から降りることになりました。
しかしながら、
実にすばらしいチームを作って甲子園に戻ってきてくれましたね、宇佐美監督は。
剛腕・藤井秀悟投手を擁して今治西を優勝の近くまで導いたあの勇姿がよみがえりました。
勝った山形中央は、
2010年に21世紀枠で春の甲子園に初出場。
その時に初戦で対戦した日大三の小倉監督に、
庄司監督が甲子園の事、チーム作りのことなどを教わって作り上げてきた学校です。
そういえばこの日の応援でも、
日大三の応援テーマを使って応援していましたね。
このところ地区レベルの上昇が顕著な山形にあって、
公立校ながら着実にそのチーム力を上げて、
昨年の選抜で甲子園初勝利を挙げたと思ったら、
今年の選手権では激闘を制して【甲子園二勝目】を上げました。
庄司監督の落ち着き払った試合後の勝利監督インタビューを聞いても、
今後がますます楽しみになってくるチームであるという感じを受けました。
宇佐美監督と庄司監督。
お互いに地方の公立校を率いて甲子園で勝てるチーム作りを模索する、
言ってみれば【同じ境遇の同志】。
これまらもまた、
素晴らしいチームを作り上げて、
この日の『再戦』をやってもらいたいなあなんて思います。
いずれにしても、
素晴らしい試合でした。
やっぱり甲子園は、
『どんな試合が心に残る激闘になるかわからない』
ですねえ。
これだから、
『どの試合も見逃せない』
となるんですね。
またこの日の第2試合では、
東海大四の西嶋投手に、
『投手とは何ぞや』
ということを教えてもらった気がします。
久々に表れた、
『球の出し入れとコンビネーションの妙』
で勝負する好投手ですね。
九州国際大付属の『今大会屈指』と言われた打線に対しても、
ひるむことなく攻め続けて一失点完投しました。
注目の好投手です。
ちなみに、
二回戦では山形中央とこの西嶋投手が激突します。
おもしろそうですね。
第3試合の聖光学院は、
『甲子園での戦い方』とはこれだ!
というものを見せてもらいました。
さすがは8年連続出場で、
過去の7年間で初戦敗退は1度だけという『初戦突破力』はあ明徳義塾と並んで見事です。
第1試合の佐久長聖は、
『早朝の戦い』という厳しい条件の中で、
自分の戦いをやり切った勝利でした。
反対に東海大甲府は、
全く自分の戦いができないうちに、
あっという間に終わってしまったという感じでしょう。
さて、
ここまでの4日間で、
15試合が行われました。
ここまでの顕著な傾向としては、
北信越・東海地区が非常に強いということです。
しんがり登場の佐久長聖も勝利して、
北信越代表の5校はすべて初戦を突破しました。
これは大会初の出来事だそうです。
よく話題になるのは『東北にいつ優勝旗が渡るのか?』ということですが、
北信越にもまだ優勝旗はわたっていません。
しかしながら今大会の各校の戦力の充実ぶりを見ると、
『今大会で悲願達成?』
ということも現実味を帯びてくるかもしれません。
さらに北海道・東北も好調ということになると、
『北国同士の優勝争い』
もないとは言えない情勢となってきそうです。
さて、
これから次々に優勝候補が登場してきますから、
目が離せない戦いになることは必至。
どういう優勝争いになっていくのか、
ハラハラドキドキの毎日です。
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