第９６回全国高校野球選手権 第３日 まさか、まさかの・・・・

≪第９６回全国高校野球選手権≫

【第３日】

第１試合　　健大高崎（群馬）　５－３　岩国（山口）
第２試合　　鹿屋中央（鹿児島）　２×－１　市和歌山(和歌山)　＊延長１２回
第３試合　　利府(宮城)　４－２　佐賀北（佐賀）
第４試合　　三重(三重)　５×－４　広陵（広島）　＊延長１１回



凄い１日となりました。

第３日の４試合、
どれも見ごたえがあり、
満員に膨れ上がった”お盆の甲子園”を沸かせてくれました。　　


第１試合は、
健大高崎の足が岩国のエース柳川を揺さぶり、
３点のビハインドから逆転で勝利をもぎ取りました。

力を持つ健大高崎としては、 
厳しい立ち合あがりを自慢の足攻で覆すという理想の展開。

大会への入りとしては、
なあかなのものになりましたね。


第２試合は、
壮絶な投手戦となりました。

両チームが持てる力を出し切った好ゲーム。
わずかに球運が鹿屋中央に傾いたということでしょう。

この試合の最後のシーン。
それまで再三にわたり攻守を見せてくれた市和歌山のセカンド・山根くん。

１死１・３塁のサヨナラのピンチで、
セカンドゴロを捕ると１塁に送球してしまい、
両軍狐につままれたような一瞬の沈黙の後、
サヨナラとなってしまいました。

一瞬前のめりになって打球を捕球して、
そこで『頭がまっ白になってしまった』そうです。
無念でしょう。
しかし胸を張って、
帰ってほしいと思います。

素晴らしい選手、
そして素晴らしいチームでした。
さすがは県大会であの智弁和歌山を破ったチームでした。

ところでこの試合、
見ていてどうしても気になった選手がいました。
それは市和歌山のファースト、
瀬戸口選手です。

この瀬戸口くん、
何しろ内野ゴロのファーストへ送球された球に対して、
ほぼどの球にも体をい～～～～っぱいに伸ばして捕球していました。

その体、
特に股関節の柔らかいこと、柔らかいこと。

試合を見ながら、
我が家ではその話題一色になっていました。

『ものすご～く毎日ストレッチやってんだろ～なあ』
『相撲の世界に入っても、股割だけは苦労しそうにね～なあ』

なんて、
感心することしきりでした。

昔はファーストと言えば、
周りから『伸びろ～～～』と言われるのが定番でしたが、
現在の野球に置いては、
クロスプレー以外ではそんなに『伸びる』ファーストを見ることもなくなりました。

久々に見た、『のびたクン』でした。
ナイスプレーでした、瀬戸口くん。
キミの今後の野球人生に、
幸多からんことを祈ります。


第３試合は、
接戦となりましたが、
自分の野球を貫いた利府が初出場で初勝利を挙げました。

佐賀北は『あの夏』を再現することはできませんでした。


そして第４試合。

春季大会の、
東海と中国のチャンピオン同士の一戦。

もとより力のあるチーム同士の接戦が期待されましたが、
予想以上の大接戦となりました。

試合は終盤まで、
広陵のペースで進んでいたように思います。

エース吉川が三重の強力打線を抑える一方で、
後半に勝ち越し点を挙げ、
得意の逃げ切りの態勢を作って最終回に突入しました。

しかし、
ここから三重の執念が爆発しました。

昨夏、今春と甲子園で悔しい負け方をしていた三重の『勝ちたい』という執念が、
２アウトからの佐田の同点タイムリーになって結実。
延長に入ってからも虚々実々の駆け引きの中１１回の裏を迎え、
最後は満塁からの押し出しで決着しました。

広陵のエース・吉川は実によく投げました。
最後は疲れから球が抜けてしまいましたが、
いいピッチングだったと思います。

広陵伝統の、
『しっかりと投げ切る右本格派』
の系譜を継いだ、
”いいエース”でした。

それにしても三重の執念は見事。

９回エース今井にピンチヒッターを送りチャンスを創出して追いつくと、
延長では２番手の森がピンチを迎えても冷静に抑え切りました。

最後はその執念が実り、
歓喜のサヨナラ勝ち。

『持っている力さえ出せれば』
と言われた三重高校。

この勝利で、
ぐっとこの大会乗っていけるかもしれませんよ。

注目のチームの一つとなりそうです。


ああ、それにしても。。。。。。

甲子園は面白いですね。
今年もまた、
たまらん夏になってきそうです。