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第103回全国高校野球選手権大会 予選展望その9【九州】

2021年06月29日 | 高校野球

≪第103回全国高校野球選手権大会≫
- 予選展望9 九州 -


【福岡】(参加135チーム)
剛腕が揃う九州国際大附が筆頭。追う福岡大大濠も全く差はない。

◎ 九州国際大付 
〇 福岡大大濠 
△ 真颯館 西日本短大付 東福岡  
▲ 飯塚 筑陽学園 福岡工大城東 東海大福岡 折尾愛真 

春は県を制し、九州大会で3勝して準優勝。九国大付のエース柳川と背番号10の山本の二人は、両者ともに大型右腕。九州大会で決勝までの3試合、山本と柳川が交互に先発し3試合でわずか1失点。圧倒的な投手力を前面に押し立て、夏は6年ぶりの甲子園を目指す。一方の福岡大大濠は選抜8強の原動力になった左腕エースの毛利が健在。こちらも投手力を中心にした守りの野球。九州大会では秋準優勝、春4強と結果を残し、ライバル九国大附に挑戦状をたたきつける。春準優勝に輝いた真颯館もエース松本中心の守りを固めるチーム。上位の3チームにはいずれも絶対的な投手力があり、暑い夏に投手中心のチームがどこまで踏ん張るか、なかなか興味深い大会になりそうだ。全国制覇の経験もある西日本短大付はここ10年甲子園がない。何とか名門復活に向けて、こちらも投手力を立てた野球で勝負だ。東福岡も校内の各部が全国制覇を成し遂げる中、野球部だけ全国へ届かず低迷しており、何とか低迷打破へ一丸となっている。飯塚は松尾・芳賀を中心にした攻撃力で勝負。上位校のエースに対して、どこまで打線が爆発するか。筑陽学園も近年戦力充実。一昨年の春夏連続出場の勢いが持続できていれば勝負になる。


【佐賀】(参加37チーム)
東明館が悲願を達成する好機。夏は実績を残す佐賀北、佐賀商の全国制覇校が追う。多久、唐津商などの追い上げは?

◎ 東明館
〇 佐賀北 佐賀商    
△ 多久 唐津商 
▲ 敬徳 有田工 神崎清明 早稲田佐賀 龍谷   

悲願の甲子園出場を目指す東明館が秋春を連続で制し最右翼だ。しっかりとした守備からリズムを作り、僅差を勝ち切る野球で2季連続県大会を制した自信は絶大だ。3-2,4-3できちっと勝ち上がっていく野球さえできれば、おのずと結果はついてくる。準優勝の多久は”小さな大エース”になれる可能性を秘めるエース柴田の投球がカギ。春は次々と強豪を破り決勝に進出し、決勝も1点差の好勝負を展開。その春決勝進出の両校に対し、夏の全国制覇校である佐賀商、佐賀北が挑戦状をたたきつける。まず佐賀北は、2大会連続出場に向けて戦力は充実している。エース新谷は安定感のある好投手。打線も例年通り上げてきており、本命に迫ってきた。佐賀商も夏には必ず戦力を整えてくる。エース平野の復調もあり、優勝圏内に戻ってきつつある。秋準優勝の唐津商は、投打に大会の主役になれる逸材を擁し追撃中だ。敬徳は昨夏の独自大会で準V、2年連続での大活躍を誓う。龍谷はその大会で優勝。秋春ともに全く勝てていないが、リベンジを誓う。


【長崎】(参加50チーム)
名門への歩み続ける大崎が最右翼。創成館と長崎日大、海星に復活狙う長崎商ら、刺客は多士済々。

◎ 大崎 
〇 創成館 長崎日大 海星 
△ 長崎商 波佐見  
▲ 九州文化学園 小浜 清峰   

春のセンバツに初出場。清峰を強豪に育てた清水監督が手塩にかけて育ててきた”島のチーム”大崎は、県大会を現在5連覇中。県での戦いには絶対的な自信を持っていて、この夏の初出場も視界にとらえている。坂本、勝本の両エースはしっかりと試合を作り、打線も秋の九州大会を制した時のような切れ味に衰えはない。何しろ長崎県では旧チームからすべての大会を制覇しており、ナインは県では負ける気がしていないだろう。最近はがっちり甲子園をつかむことが多くなった創成館は、今年もなかなかのチームだ。例年の通り4,5枚をそろえる投手陣が目先を変えながら相手を抑える戦い方は不変で、打線が例年より少し湿っているものの、夏の大会で当たりが出てくれば戦力的には大崎と全くそん色なくなる。長崎日大も有力候補だ。投打ともに穴が少なく、夏の戦い方をよく知るだけに不気味に映る。同じく名門の海星もいい感じだ。秋春ともに4強進出してきており、実力的には甲子園をつかむ可能性は十分。打線の力は県内屈指だ。九州文化学園の147キロエース、黒木は注目の的。



【熊本】(参加54チーム)
甲子園初勝利を目指す東海大熊本星翔。九州学院、熊本工の”熊本2強”は逆転を視野に入れる。

◎ 東海大熊本星翔
〇 九州学院 熊本工 
△ 開新 城北 秀岳館 八代
▲ 専大玉名 熊本国府 有明 濟々黌 球磨工

鍛治舎台風が去った後、どうも各校ともに九州地区で存在感を示せない状況が続く。今年は秋春ともに東海大熊本星翔が制したが、絶対的な戦力は有しておらず夏は混戦模様だ。その東海大熊本星翔は打力で勝負のチームで、3年ぶりの甲子園をつかみ何としても甲子園で校歌を歌いたいとの目標を掲げる。優勝までたどり着けるかは、投手力を含めてしっかりと守りが破綻しないかどうか。追っていくのは元祖熊本2強の九州学院と熊本工とみる。九州学院は2年生の村上が大物感を醸し出し、楽しみ。ヤクルトの本塁打王である兄の後を継げるか。熊本工は例年通り洗練された攻守に仕上げての逆転を狙う。とはいえ、秋ベスト4から春は準優勝、一歩一歩階段を上ってきており、夏にかける思いは強い。この3強以外では、秋準V、春4強の開新が面白い存在だ。投打に高い水準を維持しており、初出場の好機だ。名門の城北、ポスト鍛治舎時代にも存在感を示したい秀岳館もいいが、名門進学校の八代も久々に狙える位置に陣取る。現在対外試合禁止中で厳しい情勢だが、あの元SB監督・秋山幸二氏時代に届かなかった甲子園に果敢に挑戦する。


【大分】(参加44チーム)
選抜準Vの明豊には、オーラが漂ってきた。名門・津久見の復活にも注目だ。

◎ 明豊
〇 津久見 
△ 柳ヶ浦 大分舞鶴 藤蔭 
▲ 大分商 大分工 大分 

ほぼ昨年の夏の独自大会から秋、春と上位の顔ぶれは変わらなかった。そんな中で、圧倒的な戦力を有するのが選抜準優勝の明豊だ。選抜では大会屈指の右腕、市和歌山の小園を崩し、優勝候補の智弁、中京大中京にも勝って決勝へ。計り知れない自信をつかむ大会となった。明豊はここから黄金時代を迎える可能性が十分にあり、目線が全国制覇の一点に絞られている。京本・財原・太田の投手陣に鋭さがある打線、そしてなんといっても全国屈指と言われる守備力がチームの要だ。今年の県大会で、まず「何か」があって明豊が崩れるという事は、考えづらいぐらいの充実ぶりだ。昨夏の独自大会を制し、その勢いをもって今年のチーム作りを進めた名門・津久見は、九州大会でも1勝を挙げ敗れた福岡大大濠戦も延長タイブレークの激戦を演じて、自信を深めている。エース林田の安定感は買えて、打倒明豊の有力候補だ。昨夏は決勝敗退も、この春には県大会を制したのが大分舞鶴。大分舞鶴といえばラグビーで有名な学校だが、今年は野球でも全国行きを狙う。2年前に連覇を果たした藤蔭は、夏の甲子園3回連続出場を狙う。過去2年と同じように、何を仕掛けてくるかわからない攻撃と安定した投手力で接戦を勝ち抜きたい。名門の柳ヶ浦も復活を狙う。大分市勢の大分商、大分工、大分はここまでは音なしだが、必ず夏に向けてはチーム力をアップさせてくるので、要注意の学校と言える。



【宮崎】(参加46チーム)
大混戦になりそうな気配が漂う。日南学園が本命だが、6,7校入り乱れてどこが勝ち上がってくるか。

◎ 日南学園 延岡学園 宮崎商 
〇 宮崎日大 宮崎学園 聖心ウルスラ
△ 小林西 都城 日章学園
▲ 都城東 富島 妻

本命なき大激戦の大会となりそうだ。一応本命には春優勝の日南学園が上がるものの、絶対というわけではない。相変わらず好選手をそろえて選手層は厚いチームだが、課題も多く見受けられる。特に投手陣はやや不安定で、打線が鋭く援護したい。選抜出場の宮崎商もなかなかの戦力だ。エース日高が選抜を経て自信を付けたのが好材料。打線は線が細いところもあるが、弱くはない。延岡学園も有力。あの13年の準優勝のチームのように、しっかりとした複数の投手陣を駆使して試合を勝ち切る。秋春ともに県大会では決勝に進出しており、3度目の正直での県制覇を狙っている。宮崎日大は昨年の独自大会を制していて、連覇を狙う。古谷ー大山のバッテリーは一級品で、選手の質はかなり高い。宮崎学園は下級生から試合に出ている選手が多く、経験値が高い。聖心ウルスラや日章学園なども、毎年上位に顔を出してくる好チームだけに警戒されている。都城はサブマリンエース中田を要するが、初戦で日南学園と激突。果たしてどんな試合になるのか、注目だ。


【鹿児島】(参加59チーム)
一昨年から参加校10校以上減の大会で、大会の雰囲気も変わる?!鹿実・神村学園に樟南の伝統の3強中心も絶対ではない。

◎ 鹿児島実 神村学園  
〇 樟南 鹿屋中央
△ 大島 鹿児島城西 
▲ 鹿児島商 鹿児島工 尚志館

一昨年の大会から比較すると、20%近い11校減の大会となった。このことが大会の趨勢に影響を及ぼすのか?まずはいつもの3強、鹿実、神村学園、樟南が今年も3強を形成している。春県を制した鹿実は、例年通りの強力打線が看板。上位はビッグイニングができるパンチ力を持つ選手が並び、怖い打線だ。投手陣も絶対ではないが悪くもない。良くも悪くも鹿実らしいチームで甲子園を目指す。神村学園も投打に力はあり、戦力的には鹿実と双璧。春以降調子を落としているのは気がかりだが、過去5回の大会では神村学園が2回、鹿実が2回、樟南が1回と甲子園を分け合っており、どんな戦いが繰り広げられる年となるのか。その樟南は、伝統のプレースメントで勝負する左腕エースの西田の安定感が頼り。打力では鹿実、神村の後塵を拝するが、総合力で勝負したい。3強以外でも今年はチャンスが広がる大会になりそう。鹿屋中央は春に決勝に進出して、視界は良好。14年以来の甲子園には、守備の安定が必須。大島は春4強。2年生エース大野の投球で初めての夏をつかみたい。鹿児島城西、鹿児島商に鹿児島工もチャンスはあり、今年は鼻息が荒い。


【沖縄】(参加64チーム)
選抜後にグッと力を上げた具志川商。しかし興南、沖縄尚学も強く、大激戦の大会を演出か。

◎ 具志川商
〇 興南 沖縄尚学 
△ 美里工 沖縄工 沖縄水産
▲ 浦添商 八重山 日本ウェルネス沖縄 未来沖縄 

近年の沖縄は、興南と沖縄尚学のライバル対決で決着することが多い。非常にレベルの高い県大会で、両雄のうちの勝者が甲子園でも優勝候補の一角に上がるという事が多く、また全国のトップを切って優勝が決まる大会のため、注目度は非常に高い。しかし今年は、沖縄県に緊急事態宣言が発令され解除されておらず、少なからず大会の趨勢にも影響を与えるだろう。そんな中、21世紀枠で選抜に出場すると初戦を飾り、その勢いそのままに春の九州大会を制した具志川商が候補の一番手に上がってきた。エース新川は安定感抜群。しかしその新川を主戦として使わず九州大会を制覇し、投手陣の底上げに成功した。21世紀枠だったとは思えないほど戦力アップしたチーム力で、一気に夏の初出場も奪い取る目論見だ。だが心配もある。県立高だけに、制限がかけられた練習や登校の影響が心配。どのように夏チームを整備してくるか。一方迎え撃つ2強は、今年も互角の戦力を持つ。春優勝の興南はあの島袋コーチをスタッフに迎え、「勝ち癖」を継承。エースの左腕・山城が島袋の”あの夏”を引き継ぐ投球を見せれば甲子園は確実視されるか。打線は相変わらず鋭い打球を飛ばし得点力は抜群だ。秋を制したものの春は興南に敗れた沖縄尚学。こちらも甲子園を2度制した強力打線は今年も健在。春の九州大会では、具志川商が優勝し、興南が4強と沖縄のレベルの高さをはっきりと示した。この3校のどこが勝ち上がっても甲子園では上位進出のチャンスが十分にあるとみている。しかしその他の学校も非常に能力は高い。美里工は神谷監督が率いて甲子園を狙っている。運動能力の高い選手をそろえ、キレのある攻撃、守備をするのが特徴だ。沖縄工、沖縄水産に左腕のエースがいるように、今年の沖縄大会は左腕の好投手が点在している。左腕の攻略というのも大会を勝ち上がっていくうえでカギになるかもしれない。




ということで、
今年の103回大会の予選展望、終了です。

なかなか春の陣を見に行くこともままならず・・・・ですが、
やはり高校野球は書いていても「盛り上がるなあ」という感じがしてきます。
2年ぶりだけに、なおさらですね。

令和2回目の夏の甲子園大会、
今年は「オリンピックの裏で行われる」というようなイメージも強いのですが、
いやいや、オリンピックと甲子園は全く別。
そして同じような感動を、
見ている者に与えてくれる大会です。

~以下は一昨年書いたことの引用です~

例年書くことなのですが、
高校野球はファンにとっては「甲子園」が中心ですが、
本のタイトルではないですが多くの高校球児にとってはまさに「甲子園だけが高校野球じゃない」のはまさに自明の理。
それぞれの心の甲子園は、
まさにこの各地方の球場の中にこそあります。

4000にならんとする高校の中から、
甲子園に登場できるのはわずか49校。
甲子園を前に敗れ去り、涙にくれるチームは3900有余校。

その現実が、
毎年夏になるたび、
ワタシの前に姿を現してきます。

そのあまりにもドラマチックな現実に、
時には打ちのめされ、時には涙しながら、
粛々とこの夏の2か月を過ごす、高校野球オヤジです。

日本の夏は、誰が何と言っても「高校野球の夏」。
決して甲子園だけではない地方大会からのドラマが、
今年も日本中を熱くしてくれることでしょう。


高校球児の皆さん、特に最後の夏を迎える3年生にとっては、
やはりこの夏「完全燃焼」してほしいと思います。
グラウンドに立っていようがいまいが、
そんなことはどうでもいい。

自分の中で「完全燃焼」して「やり切った」という充実感を味わい、
それを明日からの糧にしてほしい、
そう強く願っています。

新しい時代に、
新しい人たちが、
また集ってくるニッポンの夏。

今年も、堪能しましょう。


頑張れ~~~~高校球児たち!!!!





〈了〉


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