帰ってきてから、ふと宮平監督の映画はなぜ`アンを探して`なんだろうと考えてみました。その答えは行かなければ分からなかったと思います。私の答えなんですけど、PEIへの旅は自分でも気づかなかった`回帰への旅`だったように思います。うまく表現できないんですけど、私もマリラほどの年齢になり、人生の甘辛をずいぶん経験してきました。若い頃には理解もできなかった諦めや疲れもありますが、今だからこそ味わえる幸せも感じています。そしてまさしくその`今`を定点でしか考えたことがありませんでした。
でも今回の旅で今の私はアンの頃の私とずっとつながっているんだと気づかされました。
よく`生まれたときからずっと命はつながっている`と言いますよね。それと同じように、少女の頃の瑞々しい好奇心や感性は一本の線でずっと今の私につながっていました。長い時間や年月を巡って……。そのことを思い出させてくれたのは、PEIの美しい風景でした。今風の言葉で言うと素晴らしいパワースポットです。私は不思議な力をいっぱいもらいました。
これからもたくさんの人が、自分の心の中のアンを発見しにPEIを訪れることでしょう。そんな人達にアンは語りかけてくれるでしょう。今のあなたも、ずっと昔のあなたも愛してあげて…と。
そして回帰はこれからの前進への後押しにもなったように思います。これからの人生でいろいろな場面で立ち止まったとき、PEIで出会った、私の心の中のアンが、次の一歩のために力強く背中を押してくれることでしょう。そんな確信をはっきりと持ってPEIを後にしました。ちょうど飛行機が出るとき、オレンジ色に輝く日の出が私達を見送ってくれました。涙が出るほど美しかったです。ありがとうPEI、不思議な魔法の島、神様からのプレゼント…。
次回はぜひ、夫が定年退職したら一緒に訪れたいと思います。(実は今回の旅は、夫が行く気満々だったのですが、休みが取れず断念しました)そして私は自称PEI観光大使として友達にもいっぱい勧めます。もちろん若々しいアンの年齢の方がいらっしゃっても素敵ですが、上記のような理由から熟年の方にこそPEIは微笑んでくれると感じています。
最後になりましたが、この旅のプレゼントには感謝の気持ちを言葉では表し尽くせません。2月20日にお電話をいただいてから私の心はすでにPEIに飛んでいました。この時から楽しい旅は始まっていました。JTBに何度も足を運び、具体的なことを相談し詰めて行く時の喜び……赤毛のアンやPEI関連の本を購入し、地図や写真を眺めている時の喜び……服を買ったり、スーツケースに準備物を入れていく時の喜び……本当に幸せな時間をプレゼントしていただきました。そしてお天気にも恵まれ、こんなに素晴らしい旅はありませんでした。心から感謝申し上げます。
実は私は少し足が悪く、身体障害者4級の手帳を持っています。4月頃痛みがひどく、せっかくプレゼントしていただいたこの旅を一時諦めかけました。しかしかかりつけ医より痛み止めの飲み薬をもらい、注射もしてもらって、何の不安もない状態になって出発させてもらうことができました。本当に奇跡のような話です。ありがたいです。
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アンは自分の中の永遠の少女の部分ー旅を終えての、Y.O.さまのご考察に感激です。素晴らしい旅となり、映画製作に携わった私どもも感無量です。心のこもったお便りをありがとうございました。