アンを探して Looking for Anne

「赤毛のアン」の島、プリンスエドワード島でオールロケ!第5回AFFF(シンガポール)で最優秀監督賞、グランプリを受賞!

スクリプターと異文化コミュニケーション

2008年08月28日 | 映画製作日記
日加合作映画「アンを探して」の現場には、大勢の優秀なクルーが日本から、カナダから集まり、宮平貴子監督を支えています。仕事をする上でのコミュニケーションに加え、日本語と英語の両方で台詞があるため、日本&カナダクルーにとってもかなりのチャレンジである事は確かです。

収録時の様子を管理するスクリプターのキャロリーヌは仏語系カナダ人で、日本語は全く話さない人。そんな彼女の台本は日本語の台詞を英訳したものと、日本語の台詞の音をアルファベットで書いたもの。「私にとって(日本語の台詞)は音楽みたいなもの」。音だけを聞いて、台本と実際の役者の台詞の違いを指摘したりするのですからすごいです。

現場でキャロリーヌが頻繁に連絡を取り合うのが、シーン、テイク番号が書かれたカチンコを打つカメラ助手の廣渡さんや、ミキサーの渡辺さんとブームオペレーターの中里さんなど日本人クルー。

カナダに来るまで英語が話せなかった日本人クルーも、撮影後半に入り、自然に英語でコミュニケーションが取れるようになっています。

渡辺真司 ミキサーの渡辺真司さん

中里崇
 ブームオペの中里崇さんと、カメラ助手の廣渡さん

 
   クレーンショット       交通整理のPAさん


Report by 藤本紀子
Contact:info@zunofilms.com

HP アンを探して

多文化集団のスタッフ達

2008年08月27日 | 映画製作日記

一本の映画にはたくさんのクルーが関わっていますが、映画「アンを探して」は日加合作映画ということで、日本語、英語、フランス語、時にはスペイン語も飛び交う総勢40名の多文化集団です。

Blair Roth

英語と日本語で指示を出す宮平監督の右腕として現場を仕切るブレアADはモントリオールから来た英語・仏語のバイリンガル。最近では「ダンドリ!(段取り)」「ホンバン!(本番)」「モウイッカイ(もう一回)」と叫ぶブレアADの日本語もすっかり板に付いてきました。

福本淳

一方、日本から参加の福本淳撮影監督は英語が堪能。宮平監督とは日本語で、時には英語で撮影アングルなどをディスカッションし、その後、クルーに英語と日本語で指示出しと、この多言語、多文化集団を映像面でがっちりとまとめています。


             
左に立つのがチーフ助監督のブレア、バイクの右に乗る福本カメラマン。 心配そうに見守るクロードE.P.。この日はブルノーと、ミカがバイクに乗りライアンと杏里が乗るトラックを追い越すシーン。緊張が走る。

Report by Noriko Fujimoto


現場での流行もの

2008年08月25日 | 映画製作日記
プリンスエドワードはもう秋?なんて記事を出したばかりですが、晴れた日の日中の日差しはとても強いPEIなので、サングラスと帽子は手放せません。

今、「アンを探して」撮影隊の間でやたら流行っているのが、こんなメキシカン・ストローハット。

最初はいつもお洒落なヘアー担当のタマラが被ってセットに現れて注目を浴び、続いてメイクのオードリー、福本撮影監督、そしてついにはクロード・エグゼプロや宮平監督までかぶり始めました。
かぶる人続出のこの帽子、実はリカーショップでビール一箱買うと付いて来るおまけなのです。ビールの消費量がやたら多い(笑)撮影隊の日々です。

audrey bitton Claude Gagnon

PS:朝は日の出前から、深夜迄働く量も半端ではないのです。そんな中、ビールはささやかな癒しです。

写真・文 藤本紀子
Contact:info@zunofilms.com
アンを探してHP

夜間撮影 プリンスエドワード島はもう秋?

2008年08月20日 | 映画製作日記

この日のPEIは日中の最高気温が15度という寒い寒い一日。クルー達は毛糸の帽子にマフラー、ダウンジャケットと8月とは思えない装備です。夜間になると気温は更に冷え込む厳しい現場で、宮平監督もいつになく気合いが入り、「ガンバリマショウ!」と日本語で皆にはっぱを掛けていました。

アンを探して

ブレア助監督の「ラップ!(終了)」の掛け声が掛かったのは夜10時半を回ったところ。皆、一斉に拍手して無事に長い一日を終えた事を喜び合いました。

photo by 藤本紀子

また、この日の午後にミカ役の高部あいさんが衣装合わせのため初めてロケ先を訪れ、主演の穂のかやロザンナ、クルーらと初対面しました。また一人、日本から美女が加わり、明日からの撮影がまた賑やかになりそうです。

photo by 藤本紀子

写真・文 藤本紀子
Contact:info@zunofilms.com


「赤毛のアン」出版100周年記念

2008年08月19日 | 映画製作日記

今年は『赤毛のアン』出版100周年の年にあたり、PEIでは各地で様々なモンゴメリ関連のイベントが開かれています。


街を歩けば、モンゴメリや「赤毛のアン」関連のポスターや記念グッズが溢れ、映画「アンを探して」のロケ隊は、そんな「アン」とモンゴメリ一色に染まったPEIで、『赤毛のアン』にインスパイアされた映画を撮っています。10年前からこの映画の構想を練って来たプロデューサーのユリ・ヨシムラ・ガニオンさんにとって、この記念すべき年に映画のクランクインを迎えられた事は大きな喜びだと思います。

シャーロットタウンのカフェでオンタリオ州のグエルフという町から来た老夫婦に会いました。映画「アンを探して」の話をすると、オックスフォード大学出版から出ている「The Selected Journals of L.M. Montgomery(モンゴメリ日記)」の話になりました。モンゴメリが少女時代から晩年まで書き続けた日記の現物は、PEIでは無く、今もグエルフ大学に保管されているらしいのです。



グリンゲーブルズの近くにはモンゴメリの眠るキャベンディッシュ共同墓地と、モンゴメリが子供時代を過ごしたマクニール農場があります。実際にモンゴメリが暮らした家はもうありませんが、井戸やうっそうとした小径、そしてマクニールが働いていた郵便局があります。
8月7日にロケをしたニューロンドン周辺には、モンゴメリ生誕の地とパークコーナーの”銀の森屋敷”と呼ばれる母方の親戚の家、物語にも出て来る輝く湖水、現在L.M. Montgomery Heritage Museumとして公開されている父方の祖父の家などがあります。

photo by 藤本紀子 photo by 藤本紀子 photo by 藤本紀子

写真・文 藤本紀子
Contact:info@zunofilms.com
アンを探してHP


ロケ地紹介 B&Bその他

2008年08月16日 | 映画製作日記

クランクイン直後は雨続きだったお天気も回復し、撮影も順調に進んでいます。
ラッシュ(毎日撮影したものの試写)では毎回、スタッフ、キャストから感嘆の声が出る程、どのシーンも最高の仕上がりで、完成した作品への期待は高まるばかりです。

今日はこの映画の主なロケ先をご紹介します。
まず中心となるのが、杏里が滞在するロザンナ演じるマリ経営のMrs. Sugar's B&B(ミセス・シュガーの民宿)で、シャーロットタウンから車で15分のニュードミニオンという小さな村にあります。

真っ赤な農道の両側に続くなだらかな草原、その奥に立つ1835年に建てられたという美しい切り妻屋根の黄色い家は、マリで無くても惚れ込んで住みたくなってしまうような優雅な佇まいです。
道の途中には、マリに想いを寄せる壮年男性、ダニエル・ピロン演じるジェフの家があります。
この家に惚れ込んだクロード・エグゼクティブプロデューサーが、ロケに使われる事を渋るオーナーを説得して使用許可を得ました。

この家のオーナー、スティーブ・バーシェットさんはユタ州出身のアメリカ人で3人の子供の父親。そして何と偶然にもTVを中心に活躍する俳優さんでした。

こんな偶然を生かさない手はありません。後で登場のシャーロットタウンの退役軍人会館での撮影では、スティーブは杏里の案内役のルイとして、またスティーブの3人の子供達も杏里の自転車での撮影でエキストラとして登場します。

Noriko FujimotoマリのB&Bの近くにあるゼネラルストア(雑貨屋)、ウルフの店「狼の巣」は、杏里やマリ、ジェフやジェフの息子のライアンらの生活圏内にあり、皆が時折集う場所。
この店は6月の始めに宮平監督、クロード、サミュエル両プロデューサーがロケハンで島を訪れた際、車で走っていて見付けたそうです。古めかしい外見だけでなく、店内もちょっとキッチュなコレクティブルズでいっぱいで、良い味わいを出しています。


Noriko Fujimoto
そして屋外の撮影でたくさん登場するのが、島のあちこちに立つ灯台です。杏里は自転車で灯台巡りをしながら、兵士を探しているという設定なので、映画の中では島内にある美しい灯台の風景がたくさん出て来ます。


写真・文 藤本紀子
Contact:info@zunofilms.com
HP アンを探して


嬉しい訪問者

2008年08月15日 | 映画製作日記
PEIの美しい風景写真を撮られ、日本でもファンの多い写真家、吉村和敏さんが8月5日のロケ現場に見学にこられました。たまたま日本からのツアーの案内と撮影で島に滞在中で、明日には日本に発たれるという慌ただしい日でした。

この日はシャーロットタウンから車を東に走らせた、美しい灯台のあるウッドアイランド、ビーチポイント、ケープベアなどでの撮影でした。
あいにくの曇り空でしたが、吉村さんはビーチポイントとケープベアでの撮影を見学し、「映画の制作現場を見るのは生まれて初めてでしたが、とても感動いたしました。あのように一つ一つ丁寧に生み出していくのですね。スチールとはまた違う世界で、勉強になりました」という嬉しいメッセージを送ってくださいました。


Report by Noriko Fujimoto

Contact:info@zunofilms.com
アンを探してHP

ある日の撮影風景

2008年08月12日 | プロデューサーより
ロケ地であるB&B(民宿)のある前庭で、監督と出演者達の真剣な打ち合わせ。

バックに見えるのは入江、プリンスエドワード島は何処を見ても絵になる。空気は美味しいし、島人は親切。映画の撮影は時間との戦いで大変だが、少なくともこんな素敵な場所で映画が撮れる事に感謝。

雨の毎日

2008年08月07日 | 映画製作日記

クランクインから5日が過ぎました。だんだん日付の感覚が無くなって来るのが分ります。日本から参加のクルーの中には、時差ボケのまま撮影に突入して昼と夜が逆転したままの人もいます。

それにしても今年のPEIの8月の気候は異常...。地元のエキストラさんから話しを聞くと、8月の第一週目というのは毎年とても暑いのだそう。なのに今年は3日のクランクイン以来、曇りと雨ばかり。雲の晴れ間から突然、太陽が覗いたと思ったら、一瞬後にはまた曇る、そして雨が降り始めるの繰り返し。日中の最高気温も20度を下回り、もう秋風が吹いているかのようなお天気です。

映画を撮っていると、天気が頻繁に変わるのは困りもの。同一シーンを角度を変えて何度も撮影したりする時に、その時々で光の状態が変わってしまうと、後でうまく繋げません。そんなお天気の下、微妙な雲の動きを読んでロケ現場の光の状態を予測してくれるのが照明部の皆さん。

トップの写真は、自ら空を見る市川徳充照明監督です。監督自身過去にあまり経験が無いと言う程、空の状態がコロコロ変わる最近のPEIで、「2分30秒後に晴れます」なんて予告通りにロケ隊上空が晴れるのですから、やっぱりすごい。
人工の照明と違って自然の光りは生き物で、こちらの事情もおかまい無しに刻一刻と変わって行きます。それを特殊なレンズで空を覗きながら判断するのですから、ちょっとした神業でも見ているようでした。

さて、クランクイン5日目のこの日は、グリンゲーブルズのあるキャベンディッシュから6号線をすこし西に走った美しい入り江の町、ニューロンドンやラスティコベイ周辺で終日屋外での撮影でしたが、久々に晴れやかな青空が持続(!)。
午前中は降ったりやんだりで頻繁に撮影中断でしたが、午後には青空が広がり、スタッフ一同、小躍り状態です。

この日のラストショットとなった入り江を突っ切る坂での撮影では、強い西日が差し込んで、まぶしさに目を開けていられない程。

photo by noriko fujimoto

霧雨のPEIも美しいけれど、太陽の日差しがあるとやっぱり自然が輝きます。
撮影の合間に周囲に広がる風景の美しさに思わずうっとり。

photo by Noriko Fujimoto

赤い土と草原の緑、水辺の輝く青、白いレースフラワーの群生や花々の鮮やかな色に囲まれていると、小説「赤毛のアン」アンが言った”世界で一番美しい場所”に立っているんだなーと改めて実感します。


写真・文 藤本紀子


ついにクランクイン

2008年08月03日 | 映画製作日記

8月3日の早朝、4時半に起きると、外はやっぱり雨。予報は出ていたものの、それでも晴れてくれないかなーという望みを全員が持っていたことと思います。

この日は「アンを探して」のクランクインに相応しく「赤毛のアン」の聖地、グリーンゲーブルズから撮影が始まりました。午前6時に現地集合の、早朝からの撮影です。



撮影前の緊迫した一時、宮平監督が現場に釘づけだったので、代わりに私、藤本がクロード・ガニオンエグゼクティブプロデューサーらと共に「赤毛のアン」の原作者・モンゴメリーのお墓にお参りし、無事にクランクインの日を迎える事が出来た事への感謝、1ヶ月に及ぶ撮影の安全を祈願しました。
雨がそぼ降り、静まり返ったモンゴメリー記念墓地には、彼女の魂が静かに佇んで微笑んでいるかのようでした。

Img_5621_3

Img_56251_3

さて、宮平貴子監督の「アクション!」の掛け声とともに、まずグリーンゲーブルズ一階キッチンで撮影がスタート。か細い監督からは想像出来ないくらい力強く凛々しい声に、ちょっと聞き惚れてしまいました。



グリーンゲーブルズでの撮影が終わっても、雨あしは弱まらず。でもクロード・エグゼクティブプロデューサーは晴れ晴れした表情。「良い雨だね。順調だ。何も問題無いよ」。今年、日本で公開された監督作品「KAMATAKI-窯焚-」のクランクインの日も台風だったということです。ガニオン監督に師事し、助監督を努めて来た宮平監督の初日の出来をモニターで確認するガニオン プロデューサーの満足そうな笑顔が印象的でした。

宮平監督の初監督作品にプロデューサーを始めキャスト、スタッフの並々ならぬ情熱と、暖かい気持ちが伝わる現場です。



午後は雨のため予定を変更し、マリのB&B(民宿)での撮影。撮影が終わったのは19時を回った所でした。宮平監督にとって、そして昨日、やっとの思いで日本から着いたばかりの主演女優、穂のかにとっても長く充実した一日だったことでしょう。お疲れさまでした。

Report by 藤本紀子





クランクイン前日

2008年08月02日 | 映画製作日記

クランクイン前日、ロケ地プリンスエドワード島では明日に備え、急ピッチで準備が進められています。

スタッフはプロダクション会社のあるモントリオールから監督やプロデューサーら、日本からラインプロデューサーと撮影クルー、そして地元プリンスエドワード島からと距離と文化を超えて続々と島に集結しています。

私、藤本紀子はモントリオールから電気系統担当のアレックスと12時間のドライブでこの日、島入りしました。アレックスは映画のスタントマンをメイン職業としている人で、スタントの仕事が無い時はロケの電気部で働いている人。スタントの仕事ではカーチェイスもお手のものというアレックスの運転...想像してみて下さい、汗)というのは冗談で、とっても安全運転の快適ドライブでした。

さて、撮影スタッフの宿泊所は、シャーロットタウン近郊のホテル。メインのロケ地となるマリのB&B(民宿)にもアクセスしやすく、周辺にショッピングモールが林立していてとても便利な環境です。
ホテル敷地内には撮影機材を満載した五トンのトレーラーが停まり、クルー達が忙しく走り回り、映画「アンを探して」軍団がほとんどホテルをジャックしてしてしまっている形です。






ホテル到着後、プロダクションオフィスを仕切るラインプロデューサーのアランやコーディネーターのビッキーらと初対面。
彼らは他のスタッフよりも早く島に到着してオフィスを構え、準備に奔走してきた人達なので、明日への意気込みと緊張感がびんびん伝わって来ます。

雨がぱらつくあいにくのお天気でしたが、午後、マリのB&B(民宿)に行ってみました。ホテルから約20分のドライブですが、途中、美しい入り江やジャガイモ畑の緑が広がる風景は、これぞPEI(プリンスエドワード島)です。

B&Bでは美術監督のマルタンやクロード・ガニオン エグゼクティブプロデューサーらが最後の仕上げに奔走していました。今回、B&Bに使わせて頂くのは、1840年頃に建てられたという可愛いお宅。広い草原を突っ切った真っ赤な一本道の突き当たりにあり、黄色く塗られた木造の壁と切り妻屋根が印象的です。内部はペイントされ、キッチンのテーブルには花柄のティーセットが用意され、シナリオのイメージ通りに仕上がっていました。

そして夕方には日本から主演女優の穂のかが無事到着。

役柄に一歩でも近づけるようにと、意を決しての初めての一人旅でしたが、飛行機の遅れで、2度も乗り継ぎ便を逃すアクシデントに見舞われ、予定より大幅に遅れてのプリンスエドワード島入りとなりましたが、疲れを見せない元気な笑顔で皆をほっとさせてくれました。

ホテル到着後は、宮平貴子監督やガニオン・Eプロデューサー、マリ役のロザンナらと対面後、衣装合わせ、ヘアーカットであっという間に穂のかから役柄の杏里(アンリ)に変貌。さすが女優!明日のクランクインへの期待が膨らみます。

Mari's B&B

Report by 藤本紀子


映画「アンを探して」について

2008年08月01日 | プロデューサーより
                    

                はじめに

アンとは? もちろんあの『赤毛のアン』の女の子、アン・シャーリーです。

第二次世界大戦が勃発し、日本を去ることになったカナダ人宣教師が、ある友人に一冊の愛読書を託しました。その友人こそが『赤毛のアン』とタイトルを付け、初めて日本に紹介した翻訳者の村岡花子さんです。彼女は戦時中も灯火規制のもと、家中の紙をかき集め「友情の証」として翻訳を続けました。そして敗戦後の1952年、灰色の時代が終わり、明るさが見え始めた頃に出版された『赤毛のアン』は、当時の日本女性を夢中にしたのです。そして昨年「日経ウーマン」のアンケートで「自分史上最高のバイブル本」として一位に選ばれるなど、新しい世代からも愛され、その力は半世紀経った今もなお衰えをみせません。
時代が移り変わっても衰えない文学の持つ力。名作を介して結ばれた日本人とカナダ人の友情の実話。それらにインスパイアされ、映画「アンを探して」の物語は生まれました。

孤児のアンはマリラとマシューから深い愛を受け立派な大人へと成長して行きました。命あるものを思いやり、物事を真っすぐに見、「本気」で話し合う事こそが本当の家族への愛だと思います。この映画の構想を練り初めてから、もう10年になろうとしていますが、その間に世の中も随分と変りました。自分勝手な人間が横行し、自然が破壊され、家族への愛さえも見失われようとしています。原作者モンゴメリが後世に残したスピリットを、この映画を通して少しでも伝える事ができるよう願っています


       
              モンゴメリのお墓


                あらすじ


『赤毛のアン』の島プリンスエドワードを訪れた少女・杏里(あんり・17才)は、アンとは違い内気で口数の少ない女の子。
一緒に島に来るはずだった祖母・静香を亡くし、杏里は一人で島に来ることになった。
残された祖母の大学ノートには、杏里の知らなかった祖母の青春が綴られていた。黄ばんだ灯台の写真、薔薇の花「ピース」のイラスト、そして一通の密封された手紙。それらは60年前、祖母に『赤毛のアン』を贈ったカナダ人青年の思い出だった。
祖母・静香の魂に導かれる様に、毎日自転車で島中の灯台を訪ねる杏里。宿泊先の女主人マリは、そんな杏里を不思議そうに見守る。
流暢な日本語を話し、いつも陽気で姐御肌のマリに、好意を寄せる音楽好きの隣人ジェフ。
その息子ライアンへの初恋や、ミユキ・ミカの美人姉妹との交流も杏里の旅を彩って行く。

旅の終わり、決してあきらめなかった杏里が目にした「奇跡」とは...?
大切な人と一緒に見て欲しい、大人に贈るファンタジー。
予告編はこちら