はじめに
アンとは? もちろんあの『赤毛のアン』の女の子、アン・シャーリーです。
第二次世界大戦が勃発し、日本を去ることになったカナダ人宣教師が、ある友人に一冊の愛読書を託しました。その友人こそが『赤毛のアン』とタイトルを付け、初めて日本に紹介した翻訳者の
村岡花子さんです。彼女は戦時中も灯火規制のもと、家中の紙をかき集め「友情の証」として翻訳を続けました。そして敗戦後の1952年、灰色の時代が終わり、明るさが見え始めた頃に出版された『赤毛のアン』は、当時の日本女性を夢中にしたのです。そして昨年「日経ウーマン」のアンケートで「自分史上最高のバイブル本」として一位に選ばれるなど、新しい世代からも愛され、その力は半世紀経った今もなお衰えをみせません。
時代が移り変わっても衰えない文学の持つ力。名作を介して結ばれた日本人とカナダ人の友情の実話。それらにインスパイアされ、映画「アンを探して」の物語は生まれました。
孤児のアンはマリラとマシューから深い愛を受け立派な大人へと成長して行きました。命あるものを思いやり、物事を真っすぐに見、「本気」で話し合う事こそが本当の家族への愛だと思います。この映画の構想を練り初めてから、もう10年になろうとしていますが、その間に世の中も随分と変りました。自分勝手な人間が横行し、自然が破壊され、家族への愛さえも見失われようとしています。原作者
モンゴメリが後世に残したスピリットを、この映画を通して少しでも伝える事ができるよう願っています
モンゴメリのお墓
あらすじ
『赤毛のアン』の島プリンスエドワードを訪れた少女・杏里(あんり・17才)は、アンとは違い内気で口数の少ない女の子。
一緒に島に来るはずだった祖母・静香を亡くし、杏里は一人で島に来ることになった。
残された祖母の大学ノートには、杏里の知らなかった祖母の青春が綴られていた。黄ばんだ灯台の写真、薔薇の花「ピース」のイラスト、そして一通の密封された手紙。それらは60年前、祖母に『赤毛のアン』を贈ったカナダ人青年の思い出だった。
祖母・静香の魂に導かれる様に、毎日自転車で島中の灯台を訪ねる杏里。宿泊先の女主人マリは、そんな杏里を不思議そうに見守る。
流暢な日本語を話し、いつも陽気で姐御肌のマリに、好意を寄せる音楽好きの隣人ジェフ。
その息子ライアンへの初恋や、ミユキ・ミカの美人姉妹との交流も杏里の旅を彩って行く。
旅の終わり、決してあきらめなかった杏里が目にした「奇跡」とは...?
大切な人と一緒に見て欲しい、大人に贈るファンタジー。
予告編は
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