マルコポーロ東方見聞録
教科書に載っていた記憶があります。
これが書かれたのは元寇の時代のようです。手元にある簡易歴史年表によれば「日本にモンゴル軍が来襲する直前、マルコポーロがフビライハーンと会っていた」とあります。
この本にも興味深い記載がいくつかありますが、今日は日本について書かれた箇所の気になった部分について抜粋して書きます。
抜粋
◎チパング(訳註「日本」の中国音ジーペン・グオの訛り)は東の方、大陸から1500マイルの公海中にある島である。しかもまことに大きな島である。住民は色白で、慇懃、優雅な偶像教徒である。
◎チパング諸島に住む偶像教徒は、マンジやカタイの偶像教徒と同じ宗徒である。そのうえ、よその土地の偶像教徒のように、この島々にも動物の頭—牡牛、豚、犬、羊、などの頭をした偶像がある。ある偶像には顔が四つある。ある偶像には頭が三つあり、ひとつはあたり前の位置に、あとの二つは両肩についている。また四本の手を持った偶像もあらば、十本、あるいは千本の手を持つ偶像もある。
◎この偶像教徒の生活は全く不合理と神がかりのカクテルで、この本に書き留めておくにふさわしからぬほどである。あまりに罪深いことで、キリスト教徒には話することもできない。中略
しかし、これだけはぜひ知っておいてほしいので話すことにする。それはチパング諸島に住む偶像教徒は、自分たちの仲間以外の人間を捉えてくると、その男が身代金を払えない場合には、友人や親戚を残らず招待して、「うちでいっしょに食事をしましょう。」という。そうして捉えた男を◯して、みんな寄り合って◯べるーもちろん料理をしてであるが。彼らときたら、いろいろな食べられる肉の中で人間の◯ほどうまいものはないと心得ている。
以上
他にも日本についてもいろいろ書かれていますが、教科書に載っていたということはどういうことなのか気になるところです。
先日のジパング図版帖はこの本よりも後に書かれたものなのかどうかも気になります。あちらの方が後だとすれば、日本は再発見されたということになってしまいます。
この本については、黄金の国ジパングというイメージが先行しがちですが、それよりもcannibalismの方が強烈な印象です。偶像崇拝はモンタヌスの絵画と重なりますし。
マンジとは寺でしょうか。カタイってなんでしょう?
住民は色白で、慇懃かつ優雅?
なんとなく平安絵巻を連想してしまいました。
そして‥みんなで仲良くcannibalism???
ほかにも突っ込みたい箇所は幾つもありますが‥
しかしこれ以前と思われる万葉集の時代に全世界規模のジェノサイドがあったと聞いていますので、ここに描かれるチパング諸島に住む人々とはそれ以前の日本の住人とは別の人たちである可能性が濃厚だと思わされます。大規模ジェノサイドから生き残った人たちもあったのでしょうが。
(これについてはソラヘ避難した人たちがいたと教えてくれた方がありました。ソラ‥空?宇宙とも書いたりしますね、とここではそう書いておきます。)
あと気になったのは、この本の中ではタルタル人という名前が頻繁に出てきます。これはオルタナ界隈で話題にされていたタルタリアの人たちのことなのかもしれないとも思いました。
文明は過去に何度もリセットされているという話もあります。
神話や叙事詩などで語られるのは文明リセット前の出来事なのかもしれません。