時には目食耳視も悪くない。

読んだ本、観た映画、聴いた音楽、ふと思ったこと、ありふれた日常・・・

おもてなし過剰国。

2017年09月08日 | ひとりごと
 先日、プリンターのインクを1個、ネットショッピングで買ったら、商品の10倍はある大きさの箱で届きました。
 レターパックとかで良かったのに、過剰包装にも程があります。

 店舗で買えば良かったのですが、商品棚にズラリと並んだ中から欲しいタイプのものを選んだり、そもそも、インク売り場を探しに広い店内をウロウロ歩き回るのも億劫になってきてしまいました。(嗚呼…)
 便利さと無駄は比例するものなのでしょうか。

 さて、日本は「おもてなし」の国だと、そのサービス精神を評価されますが、本当は「お人好し」だと、密かに馬鹿にされているように感じてしまうのは被害妄想が過ぎるでしょうか。
 あるいは、時たま電車の車内放送に感じるように、「そんなことまで言わなくても、分かってますけど…」と冷笑されているような。

 実際、日本でのサービス業における仕事の細やかさは、やはり日本人特有なのだと思います。
 友人と海外に行った時、外国の空港カウンターで飛行機の座席を隣同士にして下さいと、つたない外国語で告げ、カウンターの男性は了承してくれたみたいでしたが、実際に手配された座席は前後になっていました。
 しかも、どちらも隣は空席でした。

 私のつたない言葉のせいなのか、単なるカウンターの男性がミスをしたのか、言葉が下手な東洋人だから意地悪をされたのか、はっきりと原因は分かりませんが、少なくとも、日本の空港スタッフなら、こういう仕事はしないのではないか?と思ってしまいました。
 だって、隣の席は空いているのに、わざわざ前後に振り分けるなんて、ちょっと悪意を感じます。

 帰国の便だったので、旅の疲れもあって、加えての精神的疲労から乗務員に席を移動してもいいか聞く気力がなく、わざわざ英語で交渉するのもかったるく思われたので、結局、日本までそのままの座席で帰りました。

 もっと語学力を鍛えて、カウンターのスタッフに本当に隣同士の席なのか念を押したり、または乗務員に席の移動を交渉するくらいの気概を私がもたなければならないのかもしれません。
 しかし、あえて面倒臭い交渉をしてまで、席が隣同士でなければいけないわけでもなかったので、私も友人も、席を前後に分けられたことにちょっと驚きはしたものの、そのままの席で帰りました。

 日本でなら、当然のように快適に利用できるサービスが、外国では必ずしもそうではないと知ったよい経験でした。


 もっとも、日本よりも治安が悪い外国では、一人一人の危機管理が徹底していると言えるのかもしれません。
 親切と警戒心は両立しづらいですから。

 初めてドイツに行って、現地の通貨を使い慣れない時に(色と大きさで何種類かあるので)、あるお店の会計で間違って、請求額より少ない紙幣を出してしまい、すぐに間違いに気がついて、正しい紙幣を出したのですが、レジの人は気色ばんで睨みつけながら何か言いかけてきました。
 私がお金をちょろまかして(笑)、逃げるとでも思ったみたいでした。
 あちらでは、そういう犯罪が多いのかもしれませんね。

 しかも、こちらがカタコトのドイツ語なので、ちゃんと支払ってくれるかどうか不安でもあったのでしょうが、日本での接客で、そういうリアクションをされたことがなかったので、びっくりしました。
 (ちょっと、ひきました…)

 まあ、私の乏しい体験だけで、日本人の警戒心が低いと考えるのか、外国の人は不親切だと考えるのかは微妙ですが。

 接客といえば、最近、近所のコンビニで若い店員さんが、公共料金の支払いの手続きの時や、ポイントカードへの加入を勧めてくる時に、すごく馴れ馴れしいのに面喰います。
 私の住んでいる地域は田舎だし、おそらく高校生くらいのアルバイトさんなのだろうけど、説明もなく「ダメっす」とか、求めてもいないのに「いかがっスかぁ?」と言ってこられると閉口します。

 仕事と関係なく、初対面の人とは敬語で話すのが普通だと思っている私には、何のためらいもなくタメグチで話しかけてくる若い人が不思議な生物に見えます。
 (しかも、結構そういう人、多いんですよね…)

 もともと、社交的な性格ではないので、見ず知らずの人に道を聞かれるのも苦手です。
 おそらく、外国の人が話しかけてきても親切にはできないと思います。言葉が分かる分からないに関係なく。

 2020年の東京オリンピックで、日本人がみんな「おもてなし」をしてくれると思って、日本に外国の人が殺到するかと思うと、目の前が黄昏てきます。

 オリンピックの間だけ、外国にいようかな…(本末転倒?)



コメントを投稿