あぽまに@らんだむ

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穢れ無き灰狼の涙(京スタ)

2020年04月05日 | BLE◆CH関連

 

 

これはBLE◆CHの「京楽×スターク」で書き始めたものの途中で力尽きたSSの再掲です。

凄く短いので、予めご了承下さい。

また、腐的で「モブ×スタ」の表現が有りますので、閲覧には充分注意して下さい。

どんと来い!と大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<穢れ無き灰狼の涙>

 

スタークが京楽の屋敷から独りで出る事は固く禁じられている。
これは涅マユリが破面(アランカル)の第1十刃(プリメーラ・エスパーダ)であるスタークを無断で拉致し、
拷問・非人道的な人体実験をした為、護廷十三隊隊主会で彼を保護するのと共に、
危険分子として幽閉する事を決定したからだ。
幽閉場所を牢にしなかったのは、スタークが破面(アランカル)としての力の殆どを無くしており、
好戦的ではない彼の性格を評価した所以である。
そして第八番隊隊長である京楽春水の強い希望により、彼の屋敷が幽閉場所になった。
しかし、屋敷は八番隊が警護している訳でも京楽が付きっきりで監視している訳でもない。
スタークが「此処から出ない」と口約束しただけなのだ。
破面(アランカル)は、その存在全てが解明された訳では無い。
力の殆どを無くしたとは言え、スタークの能力がいつか復活するかもしれない。
しかし京楽は敢えてスタークを屋敷内で自由にさせた。
家族として、京楽は彼を信頼していたし、スタークもそれに応えようとしたからだ。
今日も朝に弱いスタークは、京楽の為に早起きする。
二人で朝餉を摂り、何気ない話をしていると副隊長である伊勢七緒が迎えと言う名の引率に来た。
京楽は「早く帰るからいい子で待ってるんだよ」と冗談を言い頬にキスするなど、
スタークを充分からかってから八番隊隊舎に出掛けて行く。
そんないつも通りの朝だった。


騒々しい幾つもの足音にスタークは強制的に昼寝から起こされた。
昼餉からそう時間は経っていない。
数少ない使用人は裏庭の掃除や買出しに出掛けているかもしれない。
表の客人を出迎える様子は感じられなかった。
眠い目を擦りながら、暫く耳を澄まして居たスタークは面倒とは思いながら、渋々玄関に出て行った。
長い廊下を歩きながら、乱れてしまった着物の裾や帯を手早く直す。
京楽に借りている私用の羽織りを被っている姿は、療養中の病人にも見える。
青く血管が見える程、透き通った色白な肌、華奢な痩躯。
折れそうな程に細い腰は誰でも手を添えたくなる危うさがある。
そう、スタークの醸し出す雰囲気は、何か妙な色気が在った。
角をもう一つ曲がれば玄関に着く。
スタークは一端立ち止まり深呼吸して髪の毛を手で梳いて整える。
気を引き締めてから、襟元を押さえつつ顔を出すと、
死神らしき黒い井出達の隊士が三人、大人しく玄関先で待っていた。
息を整えている様子から長い時間走って来た事が分かる。
スタークは嫌な予感がした。顔を顰めながら簡単な挨拶をし、隊士達に用向きを尋ねる。
するとその中で体格のいい男が一歩前に出て報告を始めた。

「コヨーテ・スターク殿とお見受けする。第八番隊隊長が負傷しました。
命に関わる重傷であなた様を呼んでいらっしゃいます。どうか、我等と共に来て下さい」

隊士達が告げた言葉に、スタークは氷柱で身体中を突き刺されたような衝撃を受ける。
一瞬目の前が真っ暗になり、声を失った。
何度も隊士が言った言葉を脳内で繰り返し事の重大さを理解しようとする。
しかし、理解しようとすれば、する程、スタークは追い詰められて行った。
失血してしまったかのように、急激に血圧が下がり、立って居られない程吐き気が込み上げて来る。
背中に冷たい汗が流れ、諤々と身体が震えてくる。
スタークは、今にも崩れ落ちそうなその身を必死にその腕で抱き締め、
近くの柱に寄り掛かり何とかその場に立ち尽くす。
喉がからからに渇いて、言葉を紡ぐ事が出来ない。
それでも必死に声を絞り出した。

「しゅ……春水が……重傷……」

幽鬼のように顔色を失ったスタークに隊士の一人が手を差し出す。
共に来いと言うのだ。
言伝る使用人も近くには居ない。
副隊長である伊勢七緒は京楽に代わり隊の指揮を執っているのだろう。
療養中の浮竹も同じく京楽の元へ向かっているのかもしれない。
スタークは全て自分の都合のいいように想像する。
戦闘では冷静に状況判断出来るスタークも今回は冷静に分析する事が出来なかった。
それ程に京楽の事を大事だと思い始めていたのだ。
その為、迎えに来た隊士達が名乗りをしなかったこと、
隊長の中では五本の指に入る程の京楽が何と闘って重傷を負ったのか、
誰の命でスタークを迎えに来たのか、全て確認してなかった。
それ程に動揺し、混乱していたのだろう。
無理も無い話だった。
幾ら覚悟をしていたとは言え、こんなに早く一人になってしまうなど耐え切れなかった。
せめて恨み言の一つでも言ってやらねば気が済まない。
スタークは客人を出迎えた姿で草履を履き、隊士達三人に促されるまま屋敷を出る。
何処に向かうかも分かって居なかった。
そして必死なスタークの背を支える隊士達の好色そうな目に気付く事も出来なかった。


<妄想で続いて下さい>

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これからPartに分かれちゃったり。
A.攫われ途中で「味見」と称してちんぴら共に喰われそうになっている処を、
剣ちゃんとやちるちゃん二人に助けられ、十一番隊と付き合いが始まる編。
B.好色貴族に連れ込まれ、薬を盛られた後、京楽登場。
救出されるけど、京楽と色々あった挙句、「家族」→「妻」になっちゃったりして編。
どっちを書くか迷っていて、結局どっちも書けなくなって妄想乙なお話でした。

 

 

 

 

 


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