あぽまに@らんだむ

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花宵に淡い君を想いて(京スタ)

2020年03月27日 | BLE◆CH関連

 

BLE◆CHの「京楽×スターク」のSSSです。

スタークは強そうに見えてお酒が弱いタイプと妄想しました。

腐的表現ありなので、閲覧には充分注意して下さい。

大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

<花宵に淡い君を想いて>


スタークは基本的に酒が弱い。
自分では普通だと思っているので、常に飲み過ぎてしまい色々な死神連中に世話になっている。
花見で酒宴とは言っても京楽邸に軟禁状態であるスタークは屋敷から出ることは出来ない。
その為、京楽邸の中庭に咲く桜の大木を酒の肴にして宴会をするのだ。
桜の咲く数日の間、京楽邸に人は絶えなかった。
スタークは第1十刃(プリメーラ・エスパーダ)だったという肩書を抜きにしても、
人を惹き付ける何かが有った。
物静かでお喋りではないものの、話し掛ければ普通に返すし、取っ付き難い事も無い。
愛想は余り無いにしても、何よりその容姿が逸脱しており、
好色な貴族の一部では彼を一目観ようと護廷十三隊に圧力を掛けて来る程だった。
艶やかな長めの黒髪に、水色掛かった灰色の瞳。
無駄な筋肉は無く、剣士にしてはすらりとした細い身体をしては居たが、女性的と言う訳ではない。
彼の持つ雰囲気が人を和ませる。
ただ傍に置いて愛でて居たい。
何故かそんな気分にさせる不思議な魅力を持っていた。

「全く…僕や朽木隊長が居なかったら…どんな目に遭わされていた事か…」

縁側に腰掛け、京楽は溜息を漏らした。
真横には、お猪口に口を付け、日本酒を楽しんでいるスタークが座っている。
今日は珍しくまだ他の花見客が来ていないので、二人きりで酒盛りをしていたのだ。
京楽にしては小声での"ぼやき"だった為、スタークには聴こえなかったようだ。
不思議そうに首を傾げ、またお猪口に口を付けている。
そんな日常の姿を見ているだけで、京楽は幸せになる。
元々好戦的では無い性格のスタークを、剣や銃を握る闘いの場に出さずに済む。
京楽はそれだけで満足だった。

「…日本酒って…匂いだけで酔いそうだよな。…ん、これ甘い」

ちびちび飲んでいたのか、こくりという喉が鳴る音がして、スタークの頬が次第に赤らんでいく。
徳利は数本あり、何種かの日本酒を厳選して持って来ておいたのだ。
京楽は目許を綻ばせた。

「君の飲んでいるのは甘い種類のなんだよ。これは辛いから駄目かな?」

京楽の飲んでいたお猪口を差し出すと、既に目をとろんと蕩けさせたスタークが、
「ん」と受け取り煽った。
慌てて京楽が「おいおい」と身体を支えようと手を差し伸べた。
何とか持ち堪え、スタークが喉を鳴らす。

「……同じ日本酒なのに…これ辛い。俺はぁ、…やっぱ甘いのがいい…」

お子様だからね…と京楽は呟き、うとうとと舟を漕ぎ始めたスタークの腕を引き、
自らの懐に納めた。
大きな胸に背を預けスタークが身動ぎして、京楽の胸に頬を寄せると幸せそうに寝息を立て始める。

「お酒臭いのは普通勘弁だけど、君の甘い酒の匂いは魅惑的だね」

その額にキスをしていると、中庭を抜けて十一番隊の隊士達の声が近付いて来た。
公務を終え、花見にやって来たのだろう。
寝息を立てているスタークを見たら残念に思うだろうが、
可愛い寝顔は京楽だけの特権なので早々に抱き上げるとスタークの居室に連れて行く事にする。
季節は春。
また今年も京楽はスタークとの思い出を重ねる事が出来たと安堵するのだった。


<了>

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ずっと書き途中だったものをボツにするのも何なので、短編で上げました。
この後、どうなったかは妄想でどうか。

 

 

 

 


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