あぽまに@らんだむ

日記とか感想とか二次創作とか。

間違った贖罪(FF4セシゴル)

2020年03月22日 | スクエニ関連

 

 

 

「セシカイ」と一緒に「セシゴル」も大好物なんです。すみません。

腐の露骨な表現がありますので、閲覧は自己責任でお願い致します。

大丈夫な方のみ下へスクロールしてご覧下さい。

↓↓↓↓

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

<間違った贖罪>

 

過酷な闘いは終焉を迎え、セシル達は月の民と別れを告げる。
月は巡り星の軌道を外れ、外宇宙へ宛の無い旅に出る。
父クルーヤの兄である伯父フースーヤと月の民達。彼等と共にゴルベーザも長き眠りに付く。

筈だった。


「セシル!…!?なっ…何だ!?何故、私は縛られているのだ!?縄を解け!」

星へ向かう魔導船の中、ゼムスとの闘いに終止符を打った星の戦士達5人は、
懐かしい故郷の地へ戻れる嬉しさから和気藹々としている。
しかし、その中で先程から異質な叫び声が背後で響いているのに、5人は気にも止めていない。
操縦室から降りてホールになっている、更に後部。
戦士達が休息を取る医療ポッドが並ぶ部屋がある。
其処に、何故か月にいる筈の元魔将軍ゴルベーザ、セシルの兄セオドールが縛られているのだ。
医療ポッドの中に拘束され、閉じ込められている。
医療ポッドに慣れていない為、息が上手く出来ず苦しそうだ。
意識が朦朧とする中、目の前に影が過ぎる。
霞む視線を必死に上げてセオドールは相手を見た。

「苦しそうだね。兄さん。でも大人しくしないんだから仕方無いよね」

聖騎士パラディンの姿の弟セシルは、その神聖なる姿に相応しい笑顔で立っていた。

「当たり前だ。私はフースーヤ殿、月の民達と共に月で眠りに付くと言ったではないか!
何故このような事をする。
それに、カインやローザ殿、他の者達も納得しているのか!?」

魔将軍であった頃の禍々しい暗黒騎士の鎧は既に脱がされ、
セシルの着替えを誂え直して着せられているセオドールは美しく、
性犯罪者に誘拐された聖職者のようだ。
濃い金色にも見える茶色の髪が汗で額に張り付き、色香を漂わせている。
怯えたようなアメジストの瞳が嗜虐性を誘う。
セシルは其処から目が離せず、じっと見詰めたまま肯定するように頷いた。
少しその場を離れると暫くして数人の話し声が大きくなってくる。
幾つもの影がセオドールの居る医療ポッドを取り囲んだ。
セオドールは、ぼやける視界を必死に凝らした。

「あ~、やっぱりセオドールさん綺麗だよね~。さっすがセシルのお兄さんだけあるよ」
「全くだぜ。そら~カインも何度も裏切ってまでも離れたくない訳だよな」
「ゴル…いや、セオドール様…」
「おい、カイン、見惚れてんじゃねぇよ!」
「皆、兄さんが混乱してるから少し黙ってくれないか?」

矢継ぎ早に繰り出される理解不能な会話の内容に、セオドールはすっかり混乱していた。
「綺麗?」「離れたくない?」「見惚れる?」思考までまともに出来なくなって来て、
セオドールはいっそ意識を失いたいとさえ思い出す。
月へ戻れないのなら、いっそこのままこの医療ポッドで永眠してやる。

「ね?兄さん。皆も兄さんが星へ戻るのに賛成なんだ。何、僕が一生面倒看るから。安心してよ」

一生面倒と聞き、セシルといずれは式を挙げるだろう恋人ローザを探し、
セオドールは必死に説得しようとした。
先程の会話にローザが入ってない事に、セオドールは気付いていたのだ。

「ローザ殿、そなたは良いのか?私が居ては何かと邪魔であろう?」

社交辞令で「そんな事は…」と普通返すだろう質疑に、ローザはきょとんとしている。
しかし返って来た回答はセオドールの予想を遥かに超えていた。

「まぁ…兄上様。ローザ殿なんて他人行儀な。わたくしは義理とは言え妹なのですから、どうぞローザとお呼び下さい」

恋する乙女のように頬を染め、もじもじと照れるローザにセオドールは真っ白になる。
リディアも羨ましそうに口許に両拳を当て、腰を振りながらはしゃぎ喜んでいる。

「兄上様なんていいなぁ~!私も呼びたぁい!」
「セシル…お前と俺は兄弟同然なのだから、俺もセオドール様を兄さんと呼んでいいだろうか」
「カインの場合、「お兄ちゃん」と言った方が犯罪チックでいいんじゃない?」
「…セシル…。本当…、ゼムスはお前目的だったんじゃないのか…」
「セオドールさん。俺達一番年近いんだし、いつでもエブラーナに来てくれよな~」
「あ~!幻獣界にも!それともアタシがバロンに行った方が早いかな」

セオドールは絶句し、冷や汗をたらたらと流しながら、
セシルと最後の夜を過ごした事を後悔した。
最後だと思ったから身体を許したし、全て受け入れようと覚悟したのだ。
まさかその後、実の弟に攫われて来ようとは思わなかった。
伯父であるフースーヤもきっと自分を探しているに違い無い。溜息が出た。

「もう…好きにしてくれ…」
セオドールはこれこそが自分に課せられた贖罪なのかと、医療ポッドの中、がっくりと膝を付いた。


<了>

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昨夜のことはR18なので、転載しませ~~ん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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