Der König Hat Eselsohren

Eschwege その4

まもなく、ステージでスタンバイとなった。
後をついて階段を上っていき、袖の、テープが貼られた外側にスタンバイ。



Rüdeが寄ってきて、ハグしつつ、「楽しんでね!」
「ここで見てていい?」
「もちろんだよ!」

とはいえ、ステージの袖には、すでに先客がいた。

それどころか、後から後から、人がやってくる!(´Д` )
なんか、いつもと違って、袖に人があふれてるぞ。

って、反対側の袖を見て、さらに驚愕。
向こうにもびっしりと人が…!!!Σ( ̄□ ̄;

どんだけだよ!!!

いつもセットリストに書かれている、あの独特なFloの字が、



ステージのバックに大きく映し出された。


"Eine Hymne auf Dich"のオープニングが流れると、黒い幕の向こう側、客席から大歓声が聞こえる。
幕が落とされると…。



びっしりと埋め尽くす、人、人、人!
大歓声!
まさに壮観!!

つーか、あの中にいたら、ホントに全然見えないだろうし、下手したら圧死する…f(^_^;

とはいえ、袖にいたからといって、いつものようにはいかなかった。
Sportfreundeのスタッフはともかく、現地会場スタッフは、特に何をするでもなく、こっちの視界を邪魔する場所に突っ立って、ステージを見てる。




あ゛~っっ!!イライラする!!
特に、すぐ目の前、テープ際に立ってる男女2人が、マジで邪魔!!
すぐ隣にいる、先客の人たちはマナーが悪いし!! 凸(▼皿▼メ)

でも、そんなことには構わず、歌って、飛んで、跳ねて、写真を撮りまくってる様子を見て、目の前に立ってるうち、背の高い男の子はただならぬ気配に気づいたらしく(笑)、邪魔しないように気遣ってくれるようになった。

そりゃもうね。
たまたまバックステージに来ている野次馬と一緒にしてもらっちゃ、困るんだよ。
こっちは、この会場に来ている誰よりも、高い金払ってここまで来てるんだから!
バスはタダ乗りだけど(笑)







昨日に引き続き、ここでも"Applaus, Applaus"は、前奏が流れた瞬間から悲鳴のような歓声が上がった。
そんなに人気なのか~。
でもホントによくわかる。
これ、曲も詞も、いいんだもん。
つーか、詞を読んでると、どうしてもSusieのことが頭に浮かぶ。
Susieのことを歌ってるようにしか聴こえないんだ。
だから余計に響くのかも。

あ~っっ!!この曲、日本で売りたい!!!
プロモーションさえうまくすれば、絶対に売れると思うんだけど!!

昨日はやらなかった、"Siehst Du Das Genauso"。
客席で、ば~っっと、みんなが手に手にライターを点すので、夜の野外ではめちゃくちゃきれい。





で、袖の野次馬も、競ってその様子を写真に撮りまくる…f(^_^;
それこそもう、曲はどうでもいいのか?!ってくらい。

"Ein Kompliment"や"Wunderbaren Jahren"など、欠かさず演奏する曲のほか、今日は"Ein Kleiner Schritt"も。
「小さな一歩だが、人類にとっては大きな一歩だ。」
はい、私がここにいるのも、きっとそうだと思う(笑)
さっき練習した、"Wieder Kein Hit"の「da da da ...」も、ひときわ大きい声で歌ってやるぜ!!


と、盛り上がっている中、予想外のことが起きた。

客席の前の方にいた子供2人をRüdeが引っ張り上げたのはいいが、そばにいたガタイのデカイ会場スタッフが「うちの子だ!」と、そいつが立っているだけで十分邪魔なのに、ステージギリギリのところで下の子を肩車。
邪魔すぎて、全然見えない!!
隣に立っている女の子がドイツ語で、こっちが日本語で、「見えない~!見えない~!」と言っていても、誰も何も言わないし、当然本人には聞こえない。

演出上の見所が、この後に続いていたのに、ほとんど見えなかった…orz

しかも、本編が終わったところでいなくなったかと思ったら、アンコールではまた同じ場所に戻ってくるし。
「私もそこで見たいんだけど!」
と喉まで出かかる。
だって、そこで立ち働いているNicoたちと、まったく同じパス持ってんだから。
このテープの向こうに、入ってもいいんじゃん?

いやいやいや。
直前の練習まで見られるほど特別扱いだし。
昨日はProbeも独占して見たし。
直に友達だし。
客席の方にいたら、それこそ見えるどころじゃないだろうし。
それに、ここにいるほかの人たちや、あの親子と違って、私にはまだ、次の機会があるはず…。

そう思わなかったら、マジでぶち切れるところだ。
それでも、気分が盛り下がってしまったのは、間違いない。

しかもアンコールになったら、気を遣ってくれる兄ちゃんとは別の女性スタッフが戻ってきて、これがもう、邪魔で邪魔で邪魔で。

最後の方は本当にまったくステージが見えないまま、終わってしまった。
消化不良…orz
戻ってきたメンバーに「どう?楽しめた?」と訊かれても、微妙に作り笑いだ。


そして、しばらくはまた、手持ちぶさた。
昼間Facebookにあげておいたバックステージパスの写真に、SarahやAlexandraがコメントを書いてくれたので、それに返事をするのが、せめてもの慰めだ。
そして、ステージの写真も、1枚アップ。
スマホも電池の残りが少なくなってきた。
寝ている間に充電池で充電したとして、半分までいくかなぁ?


思ったよりも早く、ビールを片手にPeterが出てきた。
ライブの後には必ず、Weißbier。
今日のケータリングにはBECK'Sしかなかったが、楽屋には絶対にWeißbierの瓶とグラスが並んでいる(笑)

さっきのマーチングバンドの子たちなのか、もうとっくに0時を回っているというのに、小学生から中学生くらいの子が沢山いて、サインして!とPeterにすり寄ってくる。
そのままなんだかサッカー話をしている。
いいなぁ、混ざれるくらいドイツ語できたらなぁ…(笑)

冷えてきたなぁ。
楽屋のドアを開けてみたが、内側のドアが閉められているので、そのままドアを閉めた。

そこへさらに、若い男の子たちがやってきて、Peterとひとしきり喋った後、写真を撮ってくれ、と言うので、撮影係に呼ばれる(笑)
つるつるの肌にかなりの美形で、絶対に素人じゃなさそう。
つーか芸能人だろう。
それどころか、見覚えあるような。
でも全然思い出せない。
他人のそら似?

と、しばらくするとそこへ、Rüdeもワインを片手にやってきた。
何か楽しそうに喋っているんで、ここで男の子たちに、「写真撮って!」と反撃(笑)



と、向こうは私の名前を知ってる?!
え~?!君たち誰?!
もしかしてこの美形っぷりは、Fertig Los!の子たちかな?
Juliaがいればわかるんだけど、男の子たちだけじゃわかんない。

結局、彼らが誰なのかは、謎のままだ(笑)

それにしても寒い!{{ (>_<) }}
なんでみんな、半袖でいられるんだ?!

寒いし、何か飲みたいし、と思って、もう一度楽屋のドアに手を掛けるも、今度は鍵がかかってる?!

いつのまにかFloも外に出ていたらしく、すぐに飛んできてくれた。
Marcもそばに来たので、
「何か飲みたいんだよね」
というと、「もちろん、何でも飲みなよ!」
「じゃ、ワインがいいな」
と言うも、さっき使ったグラスはすでに片付けられている上に、空いているワイングラスがない。
Floが「瓶で飲めよ」とひどいことを言う(笑)
ようやく奥の方から、Marcが使っていないワイングラスを見つけてくれた。
Floがそのまま飲め、といった瓶に入っていたワインが、ちょうどグラス1杯分。

「寒かった~!」
「そう?確かに今日はちょっと涼しかったけど、少し前までドイツも暑かったよ」
「でも、日本人には、暑いうちには入らないよ。だって、日本では毎日、最低でも30度くらいあるよ。」
日本では、っつーか、福岡は、だけどねf(^_^;
「マジか!」
「それに比べたら、こっちは快適だよ~♪」
ホント、夏の暑さがこの程度で済むのなら、毎日がとても楽なんだが。

楽屋の中には、今年のものも含め、これまでのOPEN FLAIR FESTIVALのポスターが貼ってある。
まぁ、窓の目隠しの役割でもあるみたいだが(笑)

「今日はほかのバンドも見た?」
「うん、いくつか。」
「どれ?BOSSEは見た?良かっただろ?」
「そうだね、BOSSEは結構良かったな。このFrogging Mollyは全部おんなじっぽくてつまんなかったけど。」
「どんな感じ?」
「なんか、カントリーミュージックみたいな…」

反対側の、窓の貼ってあるポスターを指して、
「2007年にもここに出たんだよ。」
へぇ。知ったバンド名がいくつかある。
って、あれ?
8月10日から12日?
「ちょうどあのとき、ドイツにいたよ。2週間ほど。」
「どこに?」
「最初の1週間、ミュンヘンで語学学校に通って、後の1週間、ベルリンに旅行に。
 あれ、ちょうど、この前のアルバムの『La Bum』が出たときだよね。」
「そうそう。」
「ドイツに来て、すぐにアルバム買って聴いてたよ(笑)」
「それが最初に買ったアルバム?」
「や、その前の…あのサッカーの…WMのときの…」
「『You have to win Zweikampf』だ」
「そう!それを2006年に買って、1年間毎日聴いてて、で、2007年の8月にドイツに来たときに、アルバム全部買って。それが始まり!」
「WMのときにドイツにいたんだ!試合は生で見た?それとも…」
「3試合、ちゃんとスタジアムで見たよ!それ以外は毎日、友達とパブリック・ビューイングで見てた(笑)」
「毎日?!」
「毎日!(笑)」
「試合は、どの試合見たの?」
「スペインの試合を2試合、ライプツィヒとシュトゥットガルトで見て、あとミュンヘンでセルビア・モンテネグロとElfenbein…」
「Elfenbeinküste(コートジボワール)」
「そう、その3試合をスタジアムで見た。」
「ライプツィヒではスペインとどこ…」
と、Floと言いかけたところでMarcが顔を出し、Floを呼び出した。
Floは、ちょっと待ってね、と言って出て行った。

で、まもなく戻ってきて、
「で、ライプツィヒでは?」
そこから続くんかい!!(笑)

「あ~っっ!どこの国だったっけかなぁ?う~ん…ウクライナ?」
いいえ、クロアチアでしたf(^_^;

「まぁ、いいや、で、結果は?」
「もちろんスペインが勝ったよ!」
「シュトゥットガルトは?」
「もう、全然、どこの国だか覚えてない!(笑)だって、とにかくラウルが見たかったんだもん!」
「ラウル!!出てたの?見た?」
「見たよ!2006年当時に一番好きだったのはラウル!で、2010年の時に一番だったのはイニエスタ(笑)今、一番好きなのはイニエスタとリベリー。」

「リベリーかぁ…。ミュンヘンでは、そのセルビア・モンテネグロの試合以外に見たことないの?バイエルンとか。」
「あるよ!ブンデスリーガの試合はないけど…」
「あれはチケットいつも売り切れだからなぁ。」
「でも、バイエルンと1860の試合見たことあるし…。」
「何それ?!カップ戦?!」
「や、親善試合。もちろん、バイエルンとどこかとのカップ戦も見たことあるし。」
「サッカーファンだなぁ(笑)」
ふふふ、任せなさい♪

とっくにグラスは空いているのだが、ほかに開けてあるボトルがないのでそのままいると、開けて飲め、と言う。
じゃ、お言葉に甘えて。
めんどくさいんで、スクリューキャップのワインを選んで開けると、
「Bioワインか~(笑)」
別にBioだから選んだんじゃないけど…f(^_^;
「俺はコーラ。胃の病気で、医者からアルコールを止められてるんだ。」
「残念だね~。でも、コーラもあんまり健康的じゃないんじゃない?」
「そうかな?でも、アルコールはダメだけど、炭酸はいいって言われてるんだ。だからいつも炭酸。」
「あぁ~、でも、なんか聞いたことあるなぁ。胃の病気に炭酸、って…。」


と、そこへRüdeが、「あと30分で出発だって」と言って、入ってきた。
時計を見ると1時を回っている。
荷物をまとめて、持って行きがてら、テーブルの上のまだ開いてないワインボトルを抱えようとしている(笑)
「一緒に持ってく?」
「うん!」
ということで、Rüdeは片手に荷物、片手にワインを4本、こっちは両手に1本ずつ。
ダメな二人組(笑)

バスのラウンジでは、スタッフが数人、座って喋っているところだった。
Rüdeが抱えてきたワインを見て、
「おい、昨日のも、一昨日のも残ってるぞ!(笑)」
でも、Rüdeの方は、なんか適当な理由を言っている(笑)
ここの、この、フラットな空気が好きだ。
もちろん、今日の午後のホテルのショートステイみたいに、アーティストが優遇される面は少なからずある。
でも、それ以外はいつも、みんなお互いに言いたいことを言い合って、いい雰囲気なんだ。
だって、みんなでひとつのステージを作り上げてるんだから、とそんな感じ。

ふと、ミキサーのHardieが、「日本語でDankeってなんて言うの?」と訊いてきた。
「『ありがとう』だよ」
「アリガトウ」
なんか手を合わせて言っている。
いよいよここに日本語ブーム到来か?!(笑)

さすがに車内では革ジャケなんていらないし、カメラも、ちょっと考えたけれど、やはりいらない。
3人はともかく、スタッフのみんなは、ここへ戻ってきてようやくゆっくりできることを考えると、ここでバシャバシャ写真を撮りたくない。
と言うわけで、いったん自分のベッドへいらないものを置きに行き、ラウンジに戻る。

あ、コンタクト外すの忘れてた!
まぁいいや。

ラウンジではそのまま酒盛りが始まっていた。

が!

ふとした拍子に、Hardieのグラスが倒れて、ハーフパンツに赤ワインがかかり、しかもそのまま転がったグラスが床に落ちて、ガシャーン!
替えがないらしく、困った顔のHardie。
かわいそうだけどおもしろい(笑)
で、みんなオタオタしながらも、グラスの始末。
何か手伝いたいながらも、どこに掃除道具があるかもわからないので、飛び散ったガラスを拾うくらいしかできないのが悔しいが。

いつもは絶対、3人の誰かと一緒に座るようにしているのだけれど、なんか今日はどこでもいいや!という気分で、スタッフばかりに取り囲まれて座る(笑)
何を喋ってるんだかよくわからないんだけどf(^_^;、でも、向こうも私がいることにもはや違和感を感じてないっぽい。
なので、居心地は悪くない。
途中からは同じテーブルにPeterが来たけどね。

「全員いる?」
とMarcがチェックして、出発。
総員は私も含めて16人のはずだが、ラウンジのソファは12人分しかないんで、さっさとベッドに行った人もいるんだろう。
でも、誰かが、やっぱり予定より遅れてる!、と笑っている。
確かに予定の1時半を過ぎて、2時近くになっている。

今日もFloは早めに退散。
Rüdeも、あんなにワインをくすねてきたくせに(笑)、明日の地中海行きを考えて早めにベッドへ。
他の人には、普通に、じゃ!、という感じだが、明日の朝、途中でバスを降りるらしく「またね!」と別れの挨拶。

しかし、昨日と違って、今日はこれで帰るだけなんで、酒盛りはまだまだ続く(笑)
周りの会話に全然ついて行けないのと、時間も遅くなってきているのとで、所々意識が遠のく…f(^_^;

が、Peterも寝ることにしたらしい。
「明日、最後まで行くんでしょ?だから、ここでお別れ言うよ。」
Rüdeと同じく、朝、途中で降りるらしい。
「でも、秋にまた来るんだよね?そのときに会おう!」
来れるといいっす。会えるといいっす…(ノД`)


が。


Peterがいなくなってから、なぜか目が冴えてきちゃった!f(^_^;
全部ではもちろんないものの、Nicoが言ってることも、さっきまでよりもわかるんですけど!
みんなが笑ってるのも、何となくわかるんですけど!!
ちょっとちょっと!
もっと早く聞き取れるようになってよ、自分!!

でも、もう3時だよ?!f(^_^;
今朝Eschwegeに着いた時刻からしても、ミュンヘンには、もっと早く着く可能性がある。
6時とか、7時とか。
もうちょっと遅く着くとしても、もう寝ておいた方がいいんじゃないかな?

「ごめんね、もう寝る」
と言って、冷蔵庫から水のペットボトルを1本拝借し、寝る支度に入った。
コンタクトを外して、メークを落として、ピアスを外して、歯を磨いて。
きっと明日の朝は、そうそうゆっくり用意する時間なんてないだろう。
それを予想して、上半身だけは着替えても、ジーンズははいたまま。
もちろん眼鏡は掛けたまま。
できる限り荷物はバッグにしまって。
スマホに充電池を接続し、枕元のポケットへ。

だって、朝ミュンヘンに着くっていっても、ミュンヘンのどこに着くのか知らないし!!(笑)
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