4リットルのコッヘル?というか、鍋。そんな大きさのコッヘル、大きすぎて山には持っていけません。
という、携帯性の問題を解消した商品がコレ。2015年のBackpacker MagagineのEditors' Choice Awardsを取得したSea to Summit Xpotの巨大鍋、X-ポット4.0L。シリコン性素材の本体にアルミ製の底。なんとも素晴らしいアイディアです。
登山のコッヘルと言えば、個人で持つモノは500mlとか、大きくても1000ml。大人数だとしても2000ml(2L)のコッヘルを持っていくのがせいぜい。これ以上となると持っていくのに勇気がいる、というよりザックに入らない。そんな時、このX-ポットはペコっとたため、ザックに入る。
世界的にも人気商品でなかなか日本にまとまって入ってこず、4Lタイプは正式に国内で販売されていません。雪山、アイスクライミング、登山イベント用に、キャラバン様から提供いただきこの冬、雪山で使わせて頂いたのでインプレッションさせて頂きます。キャラバンの公式サイトはこちら。
インプレッション商品:X-ポット4.0L / 510g / 25.4cm X 8.9cm / red
(1)2016年1月30日 霧積・神津牧場のアイスクライミングイベントのコテージでの夕食時に利用
1日目は東京から群馬までの移動し、道の駅みょうぎで白菜、下仁田ネギ、マイタケを購入。その後、霧積温泉周辺でアイスクライミングを夕方まで楽しみました。この日はくつろぎの郷というコテージに宿泊、霧積温泉から車で15分の素晴らしく近いです。イベントレポートはこちら。
コテージ泊なので山とは言えませんが、6名の鍋にX-ポット4.0Lを利用しました。机の上で反射シートを敷き、薪ストーブもあったので室内はとても暖かかったです。このコテージには炊事用品が揃っており、家庭用の大きな鍋も併用して、6名分の鍋を調理しました。家庭用の鍋と比べても、調理時間にそん色なく熱の通りに問題ありません。具をたっぷり投入して、フタをして、火力を強めると思いのほか早く煮えます。下仁田ネギはクタクタになるまで煮ると、とても甘いですね。巨大マイタケも香りが良く、シャキシャキして美味しかった。
↓マイタケ、下仁田ネギ、白菜等を投入し、煮ます。大量に投入し、フタを閉めると煮えるのが早い。
↓煮え具合は、家庭用の鍋と比べてもそん色ありません。
(2)2016年2月13日 八ヶ岳アイスクライミングで仮眠宿で利用
1泊2日のアイスクライミングの予定が雨で、土曜日しかできず、美濃戸口の八ヶ岳山荘の仮眠スペース(簡易宿泊所)を利用しました。イベントレポートはこちら。
レトルトカレーだったのですが、湯せんです。山ではガスや水がもったいなく、あまり湯せんはしないのですが、水もガスも豊富にあるので、湯せんしました。4名分の、レトルトカレーとハンバーグを一気に温めることができるのはコレだからでしょう。1~2人程度のパーティーだとこんな大きな鍋は必要ありませんが、4~7人くらいになると、いっきに食事を作れるのはこのサイズが活躍します。
↓レトルトカレーとハンバーグ4人分いっきに湯煎。4Lなければできない。
(3)2016年3月12日 雪洞泊の谷川岳で野外で利用
今年の冬は暖冬で雪がかなり少ないので、雪洞もできるか心配でしたが、何とか天神尾根に6名分、計3つほど作ることができました。ただ、雪を掘っていくと木の枝が出てきて大きくできないので、寝るだけのスペースは確保できました。が、雪洞のなかで食事ができないので、しょうがなく雪のテーブル、イスを作り、ツェルトを張って外で夕食です。小雪が舞っていましたが、ほぼ無風。ダウンを着るとわりと暖かかったです。イベントレポートはこちら。
今日も6人分の鍋。白菜(1/4)、春菊(2)、水菜(2)、ネギ(3本)、モヤシ(2袋)、エノキ(2袋)、マイタケ(2袋)、シメジ(2袋)、豚肉(1.3kg)、ソーセージ(2袋)、肉団子(1袋)、豆腐(2丁)をキムチ鍋で頂きました。私が鍋奉行で作り続け、5回戦くらいしました。みんな、雪洞掘りでおなかペコペコだったので、とにかく作り続けます。水は1リッター程度でしたが、野菜をしこたま入れてバーナーを強めにして、フタをするとけっこう早く温まります。
シメにオジヤの予定でしたが、みんな食べられず。次の日、谷川岳に登頂し、下山後の昼食にオジヤを頂きましたが、これが最高にうまい。様々なモノからダシが出た汁は素晴らしく、あっと言う間に無くなりました。昨日の夜、鍋の汁を捨てなくて良かった。オジヤでくつくつ煮ましたが、底が焦げてました。帰宅後、しっかり洗いましたがおこげは取れました。
↓雪のテーブルの上で煮炊き。下はベニヤ板を敷いています。
↓次の昼にキムチ鍋オジヤ。めちゃめちゃうまかった。
↓陽が強かったのか、コゲました。帰宅後、コゲはきれいに取れました。
(4)2016年4月24日 妙義山ロープワーク講習のオートキャンプ場で利用
今年の春は暖かく、鍋の季節はとっくに終わりましたが、鍋スープが残っている・・・ということで、今回も活躍しますX-ポット4.0L。いつも通り、東京から移動し、道の駅下仁田でネギやシイタケを購入しようとしましたが・・・今年はありませんでした。暖冬の影響か3月末で終わったそうです。しかし、下仁田ネギの苗が食用としても可能ということだったので、ネギやこんにゃく(シラタキ)を購入。その後、装備・読図・登山計画等の机上講習、ロープワーク・クライミングの実践講習を夕方まで実施しました。イベントレポートはこちら。
6名分のキムチ鍋に、豚肉1.2kg、白菜1/4、モヤシ2袋、下仁田ネギの苗(多量)、ネギ2本、シラタキ、コマツナ2袋、その他野菜多数。今日も煮まくります。お酒、おつまみ、鍋というサイクルをぐるぐる、1.5時間くらい食べ続け、さらに1.5時間くらい話し込みます。
↓野菜たっぷりの鍋ってうれしいですよね。
↓野菜を投入し、ぷちっとなべのもとを適宜投入します。
↓今日はシメのオジヤまで頂き、完食。おいしかった。
(5)まとめ
まだまだ使い倒しているレベルには達していませんが、Sea To Summit X-ポット4.0Lをまとめてみます。
〈携行性〉★★★★★
〈コンパクト性〉★★★★
〈使用感〉★★★★
〈活躍度〉★★★★★ ※人数が4名以上の場合。
〈価格〉不明
携行性やコンパクト性は素晴らしい。4名以上の冬山の鍋も対応可能なコッヘルはそうそうありません。ペコっとたため、ザックにもなんとか入れることができます。大人数での登山でみんなで食事を楽しめるというのは大きなメリットです。夏山でも、煮物、そうめん、パスタなどで活躍しそうです。
使用感も問題ないですが、大きすぎるのでかき混ぜづらい、ペコっとたたむときに反動で汁が飛び散る、等はしょうがないと思われます。フタやコッヘルの横が溶けることもなく、全く問題なく使えます。アルミの底は熱効率が良く、焦げても洗えば取れます。
4~8名程度の登山イベントにおいて、鍋、煮物、そうめん、ラーメン、パスタ、湯煎等、活躍する機会はとてもありそうです。
価格は期待しましょう。
↓古いバリアント37の外側ポッケに入れています。すっぽり入る。
Editors' Choice Awards 2015: Sea to Summit Xpotの紹介動画
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