安全は無害ですか・・・NO
大半の商品には、安全基準値が定められています。この基準値以内ならば問題がないとなっています。故に、人の口に入る物であれば、その基準値は厳しい数値であって当然で、厳守する事が絶対条件になります。又、「安全=無害」ととらえ、本来「安全=無害」と言えない事に気付いていないのではないでしょうか。事件・事故が起きてからでは遅いのですが、大手食品メーカーでこの問題が発覚しました。つい先年は、ある大手の牛乳メーカーでも起きましたが、残念ですが繰り返えされています。
話しは遡りますが、経済発展の掛け声の元、人への被害に多少の事は目をつむった政策がなされてきました。水俣病やイタイイタイ病・四日市喘息・騒音被害・光化学スモッグ等数多くの公害問題が全国各地で起こりました。そして多くの方々が被害にあわれました。今でも被害者の方々は苦しんでいます。この間、色々と問題になる度に、安全基準が強化されてきましたが、それでもなお繰り返し問題が起きています。この責任は、勿論造り手に有りますが、この本質は、個人の被害より産業界に比重をおいた、政策による所が大きいと私は思っています。特に、血液製剤によるエイズ感染問題が強く記憶に残ります。これ等は、被害者の方々には一切非が有りません。本当に気の毒としか言えません。
それでは、住宅に関係する事ではどうでしょうか。手抜き工事は日常的に行われ、欠陥住宅・悪質業者が大きな社会問題になりました。さらに、今日の価格競争と経済性を重視し、過剰な利益追求による無理なコストダウンが構造計算の偽造事件を引き起こし、新たな被害者を生みました。これに類似した事件が後を断ちません。欠陥マンションやホテルさらには一戸建て住宅でも強度不足住宅が発覚しました。たった2社で970棟もの件数になります。これは全て造り手に非があって、制度ウンヌンの話しでは有りません。造り手の基本資質に欠けた者達のなせる事です。その事とは別に、シロアリの防蟻剤やアスベスト、新建材の化学物質過敏症、そしてガス漏れによる事故等、安心して暮らせる場所でなければならない住宅が少しも安全でない現実があります。安全基準があっても健康被害や取り返しのつかない事故が起きています。それでも自分は被害者にならないだろうと思いますか? ・・・・・・次回に続きます。まじめな社長のまじめな家造り実践会 米田正憲