西暦1700年、イタリアの当時フィレンツェのメディチ家に使えていた楽器製作家、「バルトロメオ・クリストフォリ・ディ・フランチェスコ」が作ったものが、最初のピアノと言われています。
ということは、ピアノの歴史は約300年、ということになりますね!それまでの鍵盤楽器といえば、チェンバロやクラビコードが主流でした。チェンバロがピアノの前身と言えるでしょう。チェンバロの歴史は古くて、13世紀頃発明された楽器です。(チェンバロの歴史 - Wikipedia)
(贅沢な装飾が施されたニ段鍵盤チェンバロ)
チェンバロは、鍵盤の奥にツメ(プレクトラム)が付いていて、鍵盤を押すと、奥のツメが弦を「ぺん!」とはじくことで音が出る構造の楽器です。
弦は細く、たいした張力もない上、ツメで弦をはじくだけの構造なので、反響板やチェンバロ本体の共鳴効果があったとしても、出音の小さな楽器です。
鍵盤を速く叩こうが、ゆっくりと押そうが、ツメが弦を弾き飛ばす力はあまり変わらないので、音の強弱はつけられません。
また、今のピアノのようなサスティーンペダルもないので、足でサスティーン効果をつけたりすることもできません。
チェンバロは、鍵盤を押せば音が出る、鍵盤を離せば音が消える、ごくごく単純な仕組みで作られた楽器です。
(チェンバロの発音構造部)
画像転載元はこちら→ チェンバロ - Wikipedia
チェンバロ試聴はこちらの動画がお薦め→ 【DQ3 王宮のロンド】チェンバロ演奏 曲との相性が最高すぎた、、、 - YouTube
クリストフォリが作った最初のピアノは「小さい音から大きい音まで出せるチェンバロ(Clavicembalo col piano e forte)」と称され、この時の「ピアノ・エ・フォルテ」が略されて今の「ピアノ」という名前になったのだそうです。クリストフォリ自身は、発明した楽器に「アルピチェンバロ」と名付けたかったようですが・・・
「piano」はイタリア語だったんですね!「piano」のイタリア語本来の意味は「計画」「平面・水平」、3階、4階などの「階(フロア)」ですが、音楽用語で使う「piano」は、『小さい音』の意味に使われます。イタリア語の発音は「ぴあ~のぉ」で「あ」にイントネーションがあります。
クリストフォリが製作した、現存するピアノはニューヨーク・メトロポリタン美術館、ローマ・イタリア国立楽器博物館、ライプツィヒ大学楽器博物館にある3台のみです。いずれも1720年代のもので、いつか現物をこの目で見てみたいです。
(ローマ・イタリア国立楽器博物館所蔵)
画像の転載元はこちら→ バルトロメオ・クリストフォリ - Wikipedia
蛇足になりますが、チェンバロは鍵盤を押すと「ぺん!」と弦をはじく楽器ですが、鍵盤を離したときも「ぺしっ!」とプレクトラムが弦をはじきながら戻ってきます。(戻りのはじき音を抑えた改良型もあります)
鍵盤を離した時の「ぺしっ!」音を、リアルに再現している音源やシンセサイザーを見つけると「わかってるじゃん!やるなぁ~!」と感動して思わず「にやり」としてしまいます。
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