今回は国際標準規格(ISO)のお話です。が、決して硬いお話ではありませんので、ご安心を!
時報の「ピッピッピッポーーン」と聞こえてくる音程(440Hz 440Hz 440Hz 880Hz)が基準音「ラ」です。
画像の転送元はこちら→ A440 - Wikipedia
この基準音(A=440Hz)は、1939年にロンドンで行われたISAによる国際会議で国際基準が定められたようです。
この国際基準が国際標準化機構(ISO)にISO 16として採用されました。
ISO 16:1975
Specifies the frequency for the note A in the treble stave and shall be 440 Hz. Tuning and retuning shall be effected by instruments producing it within an accuracy of 0,5 Hz.
日本語訳)『高音譜表の音符A(ラ)の周波数を440Hzとします。楽器のチューニングは、0.5Hzの精度内で行われるものします。』
情報転載元はこちら→ ISO - ISO 16:1975 - Acoustics — Standard tuning frequency (Standard musical pitch)
ですが、実際に私たちが普段耳にしている音楽の中に、この基準ピッチよりも若干高くチューニングされた曲を聴いている可能性があることをご存じでしょうか。
日本のオーケーストラはA=442Hzでチューニングされることが多いため、ホール備え付けの国内のコンサートグランドピアノは、A=444Hzでチューニングされていることがとても多いです。
クラシックの巨匠カラヤンは、オーケストラのチューニングA=444Hzの演奏をとても好んでいたため、カラヤン指揮の交響曲をCDで聴くと、世界標準A=440Hzより若干高いピッチで演奏されていることがわかります。これはカラヤンがより明るく華やかな音色、より迫力のあるストリングスサウンドを求めた結果だと思われます。
(指揮者カラヤンとベルリン・フィルハーモニー管弦楽団)
弦楽器の場合、ピッチを高めに設定すると弦の張りが強くなり、出音がやや大きくなります。弦楽器の音色が、全体的に華やかで迫力のあるサウンドになります。
逆にピッチを低めに設定すると、弦の張力が弱まり、暗く落ち着いた音色になります。弦楽器の音色は全体的にやや暗くなり、管楽器はより大きく太く響く傾向があります。
ご家庭の生ピアノや学校の音楽室にあるピアノも、A=442Hzでチューニングされることが一般的に多いようです。
電子ピアノ、シンセサイザーのピッチは、あとから自由に変更可能ですが、工場出荷時はA=440Hzです。生楽器を使用しないポップスやダンスミュージック、歌謡曲や演歌では、A=440Hzがよく使われているようです。
ちなみに、アメリカ国内のオーケストラでは、A=440Hzでピッチを合わせるようです。
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