秋紀 芳慧 (Yoshie Akinori)

Monde Bruits

僕には好きな音楽家がいた。

彼はノイズミュージック(メロディーラインはゼロ、爆音だらけ、超前衛的?)の

音楽家だった。

彼は去年4月にオートバイの事故で亡くなった。

彼の名は岩崎昇平さん。

一度も直にしゃべったことはなかったが、大阪でのライブは出来るだけいった。

彼は1989年頃から、大阪、関西という土地に、ノイズミュージックのイベントを企

画、自身も「Monde Bruits」というソロプロジェクトで演奏活動をはじめた。

彼は、本当に真摯に音に向かっていた。

たった30分のライブでも、すさまじく切磋琢磨した成果の結果をお客に叩きつけて

演奏していた。

その辺のいい加減ノイズ野郎とは全く違っていた。

年も僕とはずいぶん離れていたようだったが、いつも心を打たれ、いつも心から彼

を尊敬していた。

そんな彼が死んでしまった。

ショックだった。

最後にみたMonde Bruitsのライブでは、ギターとドラムで一つ一つ楽曲を演奏する

ように、爆音のギターノイズとドラムが生み出す奇跡的なすばらしい演奏だった。


彼は1999年に大阪のインディーズレーベルAlchemyからアルバム「Monde Bruits」

をリリースする。

その中に、「もう少しだけこのまま」という曲がある。

これは大阪造形センターでのライブ演奏だが、僕もその時このライブをみた。

当時爆音過ぎてなんかマイクで怒鳴っているのは分かったが何を歌っているのかは

分からなかった。

しかしこのアルバムに入っているその曲をヘッドフォンで聴いてみると、彼の言葉

が聞き取れた。

身に余るほどの思いを絶叫しながら歌う歌。

もともとこの曲は、京都の大御所ノイズバンド、非常階段のjojo広重さんのソロア

ルバム「君が死ねって言えば死ぬから」からのカバーなのだが、僕はjojoさんのも

のよりも岩崎さんがカバーされたもののほうが、激しく心を打った。

独断かつ無断ではあるが、どうしてもみなさんに知ってもらいたくここに歌詞を載

せます。






もう少しだけこのまま



欲しいものなんて何もないんだ。

だからもう少しだけ

このままでいさせてよ

もう少しだけ、そこにいて

お願いだから


このままダメになったっていいから

もう少しだけ、この時間の中にいさせてよ

もう少しだけそばにいて

たのむから


明日なんてさみしいだけだから

君が死ねっていえば死ぬから

もう少しだけこのままでいさせて


もうどうだっていいんだ

全部あきらめたから

初めからこうなることは分かっていたんだ

もう生きたってしょうがないんだ


だからもう少し

もう少しだけこのままでいさせて


明日が来たってさみしいだけだから

君が死ねって言えば死ぬから

もう少しだけこのままでいさせて







岩崎さんありがとう。


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