最近俺の中でLo-Fiサウンドが熱い。きれいにデジタライズされた音ってなんか
ウソっぽい感じが高まってきた。そもそも録音するってこと自体、音が変形する
ことだと思います。メジャーレーベルから出ているクリアな音楽は、楽器の音や
歌声をいかにもそのまんま録音しているといってもコンサートホールで聴く音と
はやはり違います。
ここで最近よくヘビーローテーションでかけているアルバムを紹介します。
yuko nexus6 「bit diary」
このCDはもう10年近く前に京都の中古レコード屋で買ったのだが、当初あんま
り奇天烈って感じでこのアルバムの良さが分からなかった。これが理解できる
ようになったのは、yukoさんの著書「サイバーキッチンミュージック―Macの
内臓音源でプレイする」を読み倒してからだ。
yukoさんはこれといったポリシーもなくキッチュなMACの内臓音源に魅せられ
て、そのローファイな音色をパソコンソフトなどなどに金をあまりかけること
をせずに「音楽」にしていく。そのMACを使い倒すさまは痛快である。これを
読みながら「bit diary」を聴いてみるとめっちゃ面白い!!!変態音楽満
載!!!いろんな音が仕掛けられている。しかも音が荒かったりしてそれがな
んか渋い味を出している。もう廃盤になっているがめっちゃかっこいいので、
中古レコード屋で見かけたら即買ってみてください。iTunesでも扱っているみ
たいなので気になる方はぜひ聴いてみて下さい。
それに通じる世界はハードコアパンクにもある。
DISORDER 「THE SINGLES COLLECTION」
これもがさついた音がかっこいい。特にレコードで聴くと最高。3ピースって
いうのもなんかいい。ギターのひずんだ音と、どっかエコーがかったゆるい
おっさん声のボーカル、マイクでひろっただけっぽい空気感が入ったようなズ
ンドコドラム。おススメです。
テクノでいうと
Aphex Twin 「I Care Because You Do」
なんかテクノにありがちなステレオ感バリバリ使っているようなんあるけど、
あんなんずっと聴いてられない。まぁすごいなぁ~とは思うけどそれだけ。そ
れに比べてAphexはあんまり音質にこだわっているようには聴こえない。ただ
「音」そのものの奇妙さをここぞっていう時に、バリッと出してくれる。いい
加減さがなんかいい。「I Care Because You Do」なんて1995年の作品だけ
ど、全く古くない。当時聴いたよりも今のほうがよく感じることが出来る。
そんな音楽を聴いております。