小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報や雑談はツイッター(Ⅹ)で🌹不定期更新すみません

32.いい加減にしてオミさん

2024-01-15 22:48:08 | 小説
 麻里華さんはこの家によく来ていたのだろう。
「…それじゃあ、仕事場以外を見ても…いえ、倉庫とオミさんの部屋だけ見せて… 」
 倉庫というのは物置部屋兼の俺の部屋らしい。

 オミさんは慎重に、自分はドアノブにも触らず、麻里華さんにドアを開けさせた。
 当然 俺の部屋に誰かいるわけはない。

 麻里華さんが電気をつけて 中に入っていくと、オミさんは 、押入れの中を見てもいいよ、と言ったが、麻里華さんはそこで動かなくなってしまった

「ごめんなさい 。変なことして…」

いや、とオミさんは何か言いかけて、

「俺の部屋はいいの? 」

「うん。もう…本当にごめんなさい 」

 そんなやり取りが続く中、カイさんは 応接室に残って、立ったままあらぬ方をぼーっと見ていた。

「変なことばかり言ってごめんなさい。私とつきあってるオミさんが、男の人となんて、ある訳ないものね 」 

 いや、お嬢様、あなた騙されてますから、とよっぽど言ってやりたくなったが…

 いや、華島さんとオミさんのことで苦しむのは俺だけでいい…

 
 オミさんがまた麻里華さんに、もう遅いから送ってくよと言うと、麻里華さんはほっとした表情でうなずいた。