仕方なく俺はカイが行っていないかを友也くんに尋ねたが、来ていないという。
それで、カイが置き手紙をおいて、いなくなったことを説明すると あてはないが様子を見に行くと言って、1人でカイの部屋まで来てくれた。
両親はそれぞれ出張中なのだという。
そしてカイとは最近では正月や夏休みぐらいにしか会っていないので 、交友関係はわからないという。
「すみません、兄がご迷惑をおかけして…」
「いや、僕にも至らないところがあったからだと思うので…」
そんなことを話したくらいだった。
カイが立ち寄りそうな親戚もいないと思うが、両親に尋ねてみるという。
みんな混乱しながらカイを心配していた。
とりあえず 警察に捜索願いは出しに行ったが 、今のところ 事故なんかの該当者に、カイはいなかった。
カイが自殺を選ぶとは思わなかったが、事故に巻き込まれていては困ると思ったのだ。
疲れ果てた俺を 気の毒に思ったのかフクちゃんが 麻里華ちゃんに電話してくれた。
「…やっぱり来てないってさ。かなりびっくりしてたから、麻里華ちゃんとカイ君に何かあるって事はないと思うよ 」
フクちゃんに礼を言いながらも、俺はとあることを思いついた。
「フクちゃん 、俺 、これからダイキと2人で 廃神社に行ってみる。高井神社って、 カイ君とダイキが2人で行ったところなんだ
「え? これから? 」
「うん。もう手掛かりがそこしか思いつかなくて」
「あー… 撮影よりは全然早い時間だもんな…カイ君の高井家のゆかりの神社?」
カイもわからないと言っていたが、友也さんにもよくわからないらしい。
それでも、一緒に行くと言ってくれたが、昼間の動画を見ても危ない山道のようなので、夜はもっと危険ですと丁重にお断わりした。
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