小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

YouTuber達のソフトなBL小説です。男の方もどうぞ。更新情報や雑談はツイッター(Ⅹ)で🌹不定期更新すみません

35.今さらカイさん…

2024-01-21 22:07:00 | 小説
 きっとその辺りで二人はバンドを始めたと思うんだけど、そこから先のことは話してくれなかった。

 でも、笑顔で
「そうそう 昼飯何がいいか考えといてね。約束どおりデザートもおごるから」
 あんまり高いものはおごれないけど、とカイさんは大笑いした。


 ハンドルを握るカイさんの指の細さと白さ、美しさに俺はびっくりする…


 目的地近くの駐車スペースに車を止めると、カイさんは左手の急な斜面を指さした。
「あっちを登って行くから。俺も初めての場所だから自信ないけど 」

 そして、二人で車から機材のバッグを下ろした。
 まだ昼間だけれど 、俺のには夜の練習も兼ねて、ライトなんかの夜用の機材も入れてある。

 ところが、荷物を担ごうとしたところで、カイさんはとんでもないことを言い始めたのだ。

「ここは俺も初めてで、情報を調べただけなんだけど、かなり怖いところらしいんだよね… 」