退院の手続きをカイがすませたところで、俺たちは駐車場にむかった。
運転席は俺、助手席はカイ。後部座席にはダイキ。そして今は昼間。
新鮮でもあり、物凄く幸せな気分だった。
高井神社の駐車場で、俺たちは神社に向かって一礼して、木陰に停めてあったカイの車にカイと俺が乗り、俺の車はダイキにまかせた。
車が走り出すと助手席のカイは、
「…オミ、今回は本当にごめん 」
「うん 」
本当は「うん」どころではないのだが、俺と同じでプライドが高く、不器用で、謝ることが嫌なカイには、これが限界だろうと思ったのだ。
「でもさ、もう二度と黙ってどこかに行かないでよ 」
「うん。もうそういうこと…する理由が…」
信号待ち。
「…なくなった…って、オミ…その…ほんとに俺とつきあってくれるんだよね? 」
そのときのカイの顔は今にも泣き出しそうで、俺も胸がいっぱいになり、
「うん 」
と、答えるのがやっとだった。