小説「離しません!」&スピンオフ「オミとカイ-少女の霊と俺達と-」

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小説「オミとカイ」24.カイとオミ

2024-07-31 22:25:00 | 小説
 退院の手続きをカイがすませたところで、俺たちは駐車場にむかった。
 
 運転席は俺、助手席はカイ。後部座席にはダイキ。そして今は昼間。
 
 新鮮でもあり、物凄く幸せな気分だった。

 高井神社の駐車場で、俺たちは神社に向かって一礼して、木陰に停めてあったカイの車にカイと俺が乗り、俺の車はダイキにまかせた。

 車が走り出すと助手席のカイは、

「…オミ、今回は本当にごめん 」

「うん 」

 本当は「うん」どころではないのだが、俺と同じでプライドが高く、不器用で、謝ることが嫌なカイには、これが限界だろうと思ったのだ。

「でもさ、もう二度と黙ってどこかに行かないでよ 」

「うん。もうそういうこと…する理由が…」

 信号待ち。

「…なくなった…って、オミ…その…ほんとに俺とつきあってくれるんだよね? 」

 そのときのカイの顔は今にも泣き出しそうで、俺も胸がいっぱいになり、

「うん 」

と、答えるのがやっとだった。




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