そんな俺を見て、カイがまた不安になったようだったので、くだらない話をしてみた。
「じゃあ今度から2人っきりの時は、カズ君て呼ぼうかな 」
「じゃあ俺はタツオミ君をタッ君て呼ぶ 」
…一瞬の沈黙…
「やっぱり今のままにします 」
「そうだね。人前で出ちゃっても困るしね 」
と、笑いあったのに…
「オミ、これってビジネスカップルじゃないよね? 」
「何で? 」
そんなに俺って信用ないのか…俺はショックで何も言えなくなった。
でも、こんなに急にカイの気持ちになじんでいくのが、自分でも不思議だとは思っていたけれど…
「ジャパン・ホラー・アワードがあるからさ 」
情けなくて涙がこぼれそうになった。何だか疲れがどっと出てきて、俺は車を停めた。
「カイ、悪いけどここから会社までは自分で運転して帰って。俺はどっかの草むらででも休んで帰るから 」
「えっ?」
「自分の身に何が起こってるのかわかんなくなった。何がビジネスカップルだよ…」
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